理想に届かず落ち込む日も、少し近づけてうれしい日も。「なりたい自分」と「今の自分」の関係を、身近な例と心理学の研究からたどり、自分を責めすぎない向き合い方を考えます。
理想と現実の差から、自分の願いを見つめ直す

すぐにわかる結論
理想自己(りそうじこ)とは?「こんな自分になりたい」と思い描く、理想の自分の姿です。
現実自己(げんじつじこ)とは?「今の自分はこういう人だ」と、自分自身が認識している姿です。
かみ砕いていうと
二つの自分を身近な例で考えてみましょう
たとえば、あなたが「ピアノを上手に弾ける人になりたい」と思っているとします。
でも、今はまだ練習中で、思うように演奏できないと感じています。
この場合、
- 理想自己: ピアノを上手に弾けるようになりたい自分
- 現実自己: 今はまだ上手に弾けないと思っている自分
ということになります。
つまり、理想自己は「目指している自分」、現実自己は「今、自分が思っている自分」です。
これは、勉強でも仕事でも、人との付き合い方でも同じです。
私たちは日常のさまざまな場面で、「なりたい自分」と「今の自分」を思い描いています。

では、なぜ人は理想の自分を持ち、時にはその理想と現実の違いに悩むのでしょうか。
ここから少しずつ、心理学の考え方をたどってみましょう。
1 導入
理想の自分と今の自分を比べてしまうとき
一生懸命に準備したのに、思うようにできなかった。
そんなとき、「もっと上手にできるはずだったのに」と、落ち込んだことはありませんか?
反対に、以前はできなかったことができるようになり、「少し成長できたかもしれない」と、うれしくなることもあるでしょう。

私たちは、勉強や仕事、人間関係など、日常のさまざまな場面で、理想の自分と今の自分を比べることがあります。
心理学では、こうした自分自身の捉え方を理解するうえで、「理想自己」と「現実自己」という考え方が役立ちます。
理想と現実の違いは、目標に向かうきっかけになることもあれば、落ち込みや焦りにつながることもあります。
では、なぜ同じような違いが、前向きな気持ちにも、苦しい気持ちにもつながるのでしょうか。
まずは、理想自己と現実自己が心理学でどのように考えられているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
2 理想自己と現実自己とは?
心理学での意味を詳しく知る
心理学では、理想自己(りそうじこ)と現実自己(げんじつじこ)を、自分自身をどのように思い描いているかを理解するための、二つの自己像として考えます。
自己像とは、自分の性格や能力、考え方などについて、心の中に持っている自分のイメージのことです。
たとえば、「自分は慎重な性格だ」「人前では緊張しやすい」といった、自分自身についての考えも自己像の一部です。
心理学では、こうした自分についての考えや評価をまとめたものを、自己概念(self-concept/セルフ・コンセプト)と呼びます。
自己概念とは、簡単にいえば「自分はどんな人間なのか」という、自分自身についての理解です。
理想自己と現実自己を比べるときにも、この自己概念が深く関わっています。
理想自己は、自分が大切にしたい姿でもある
理想自己は、英語でideal self(アイディアル・セルフ、「理想の自分」)と呼ばれます。
理想自己には、単に「何かができるようになりたい」という目標だけでなく、「どんな人間でありたいか」という願いも含まれます。
たとえば、
「人前でも、自分の考えを落ち着いて伝えられる人になりたい」
という願いがあったとします。
この場合、ただ話す技術を身につけたいだけでなく、自分の考えをきちんと伝えられる人でありたい、という理想の自己像が含まれているかもしれません。
また、理想自己は、必ずしも周囲の人から見て立派な姿である必要はありません。
人によって、大切にしたい性格や能力、生き方は違うからです。
つまり、理想自己を理解するには、何を目指しているかだけでなく、その人がどんな自分でありたいと願っているかが大切になります。
現実自己は、自分が認識している現在の姿
現実自己は、心理学ではactual self(アクチュアル・セルフ、「実際の自分」)という英語で表されることがあります。
ただし、研究者や理論によって用語の使い方には違いがあり、ロジャーズの理論では、本人が捉えている自己概念と理想自己との関係が重要になります。
ここで注意したいのは、本人が思っている現在の自分と、客観的に調べた自分の姿は、必ずしも同じではないということです。
たとえば、自分では「話すのが苦手だ」と思っていても、友達からは「説明が丁寧で分かりやすい」と評価されているかもしれません。
この場合、友達の評価が必ず正しいとも、本人の評価が必ず間違っているとも言えません。
自分自身の見方と、他の人からの見方が異なっているということです。
このように、現実自己を考えるときには、実際に何ができるかだけでなく、本人が自分をどう捉えているかにも注目します。
そのため、理想自己と現実自己の違いは、単なる能力や成績の差とは限りません。
自分が思い描く「なりたい姿」と、自分が認識する「今の姿」との違いでもあるのです。
理想自己を研究した心理学者カール・ロジャーズ
こうした理想自己の研究で代表的な人物の一人が、カール・ランサム・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers/1902年〈明治35年〉〜1987年〈昭和62年〉)です。
ロジャーズはアメリカの臨床心理学者で、人が自分自身をどのように理解し、変化していくのかを研究しました。
また、相談する人自身の経験や気持ちを尊重する「クライエント中心療法」という心理療法を発展させた人物でもあります。
ロジャーズは1959年(昭和34年)に発表した、心理療法や人間の性格に関する理論の中で、理想自己を次のような意味で定義しています。
理想自己とは、本人が最もそうありたいと望み、自分にとって最も高い価値を置いている自己概念です。
これは、ロジャーズ自身による定義を日本語で説明したものです。
つまり、理想自己とは、ただ憧れているだけの姿ではなく、「自分にとって、こうありたいと思える大切な姿」と理解できます。
では、心理学では、このような心の中の自己像を、どのように調べるのでしょうか。
その方法の一つに、Q分類法(Q-sort/キュー・ソート)があります。
これは、性格や行動の特徴を書いたカードを、本人に分類してもらう調査方法です。
たとえば、まず「今の自分」にどのくらい当てはまるかを考えて、カードを並べます。
次に、同じカードを使い、「理想の自分」にどのくらい当てはまるかという基準で、もう一度並べます。
そして、二つの並べ方がどのくらい違っているかを比較します。
こうすることで、本人が考える現実自己と理想自己が、どの程度一致しているのかを調べることができます。
ただし、この方法でわかるのは、本人が捉えている二つの自己像の違いです。
その人の能力を客観的に測ったり、心の健康状態をこの結果だけで判断したりする方法ではありません。

心理学では、このように本人の感じ方や考えを調べることで、自分自身をどのように理解しているのかを研究してきました。
そして、理想自己と現実自己の違いを知ることは、今の自分を評価する基準や、自分が大切にしている願いを理解する手がかりにもなります。
ただし、二つの自己像に違いがあるだけで、心に問題があるという意味ではありません。
大切なのは、理想と現実にどのような違いがあり、その違いが本人の気持ちや自己評価とどう関わっているかを理解することです。
では、その違いが落ち込みや焦りにつながるのは、どのような場合なのでしょうか。
次は、理想と現実のギャップが、私たちの心に与える影響を詳しく見ていきましょう。
3 理想と現実のギャップがつらいのはなぜ?
理想と現実の差がつらくなる理由の一つは、その差を「自分はダメだ」という評価に結びつけてしまうことがあるからです。
ただし、誰もが同じように感じるわけではありません。
たとえば「家族に優しく接したい」と願っていたのに、疲れて冷たい返事をしてしまったとします。
これは、考え方を分かりやすく説明するための例です。
「今日は優しくできなかった」は、一つの行動への振り返りです。
一方、「自分は優しくない人間だ」と考えると、一度の出来事から自分全体を判断しています。

このような受け止め方の違いが、苦しさに関わると考えられます。
では、理想と現実のズレと、自分への評価には、実際に関係があるのでしょうか。
この関係を調べた研究者の一人が、日本の心理学研究者・水間玲子(みずま・れいこ)氏です。
水間氏は1972年(昭和47年)5月、鹿児島県鹿児島市に生まれ、2024年(令和6年)8月13日に亡くなりました。後に中間玲子(なかま・れいこ)の名前で研究を続け、兵庫教育大学の教授も務めました。
水間氏は、青年期と呼ばれる、子どもから大人へと移っていく時期を中心に、人が自分自身をどのように捉え、どのような自分になろうとするのかなどを研究しました。
特に、理想の自分を思い描くことが、自分への評価や、自分を変えようとする意識とどう関係するのかを調べています。
1998年(平成10年)、水間氏は18〜25歳の大学生503人を対象とした質問紙調査の結果を発表しました。
参加者に「なりたい自分」の特徴を10個挙げてもらい、それぞれが今の自分にどれほど当てはまるかを7段階で答えてもらいました。
さらに、自分をどれほど肯定的に評価しているかも質問し、回答を数字にして、その関係を調べました。
その結果、理想と現実のズレが大きい人ほど、自分への評価が低い傾向が見られました。
ただし、一度の調査から、ズレが自己評価の低さを引き起こしたとまでは言えません。
また、2019年(平成31年)には、70件の研究結果を統計的にまとめる「メタ分析」(meta-analysis/メタ・アナリシス)が発表されました。
この分析では、理想や「こうあるべき自分」と現在の自己像とのズレが、心理的な不調と小〜中程度の関連を持つことが報告されました。
ただし、理想と現実のズレだけで、日常の落ち込みや心の不調の原因を説明できるわけではありません。
理想と現実の違いは、心の負担に関係する場合がありますが、その違いだけで心の状態や、その人の価値が決まるわけではないのです。
そして、理想の持ち方や今の自分との向き合い方は、年齢によっても変わることがあります。
次は、成長とともに理想の自分がどのように変わっていくのかを見ていきましょう。
4 年齢によって「理想の自分」は変わるのでしょうか?
理想の自分は、経験や生活の変化とともに変わることがあります。
ただし、「何歳ならこんな理想を持つ」という決まりはありません。
心理学では、年齢による自分の捉え方や、理想と現実の距離の違いが研究されています。
幼少期・小学生|自分の見方が広がる
2000年(平成12年)の日本の研究では、5歳児と小学2・4年生、計104人に、自分の特徴やよいところ、悪いところなどを聞き取りました。
答えを外見・行動・性格などに分類して比べると、年齢の高い集団ほど、外見に関する説明が減り、行動や性格についての説明が増えました。
また、自分の苦手な面に触れる回答も増えていました。
これは理想自己を直接調べた研究ではありません。
自分についての理解が、成長とともに詳しくなっていく様子を調べたものです。
10代|自分らしさを考える時期
「友達に合わせたい。でも、自分の意見も言いたい」
そんな気持ちになることもあるでしょう。
2008年(平成20年)の総説では、自分についてどう判断するかを調べた実験など、複数の研究を比較し、思春期は自分についての理解が変化する重要な時期だと説明しています。
総説とは、複数の研究を読み比べ、わかったことを整理した論文です。
ただし、10代の誰もが理想に悩むという意味ではありません。
20代・30代|大切にしたいことが増える場合も
ここからは、日常に引き寄せた例です。
20代では「好きな仕事」と「安定した暮らし」。
30代では「仕事での成長」と「家族や自分の時間」。
どちらも大切にしたくて、迷う人もいるでしょう。
もちろん、こうした悩みに年齢の決まりはありません。
40代以降|理想との距離も変わることがある
年齢によって理想と現実の距離がどのように違うのかを調べた研究者の一人が、松岡弥玲(まつおか・みれい)氏です。
松岡氏は、日本の教育心理学の研究者で、生涯発達心理学などを専門としています。
生涯発達心理学とは、子どもから高齢者まで、人生のさまざまな時期に、人の心や考え方がどのように変化するのかを研究する分野です。
松岡氏は、理想の自分と今の自分のズレや、人が自分の理想とどのように向き合うのかなどを研究してきました。
2008年(平成20年)には名古屋大学大学院で博士(心理学)の学位を取得し、愛知学院大学では心理学部の准教授を務めています。
2006年(平成18年)には、15〜86歳の男女865人を対象とした質問紙調査の結果をまとめ、理想と現実のズレが年代によってどのように異なるのかなどを調べた論文を発表しました。
理想の自分の特徴を五つ挙げてもらい、今の自分にどれほど当てはまるか、今後実現できそうかを、それぞれ7段階で答えてもらいました。
その回答を年代別に比較した結果、年齢の高い集団ほど、理想と現実のズレが小さい傾向が見られました。
一方、45〜54歳の集団では、理想を実現できそうだと考える度合いが、若い一部の集団より低くなっていました。
ただし、同じ人を長年追いかけた調査ではないため、誰でも年齢とともにズレが小さくなるとは言えません。
理想の内容が変わることと、理想と現実の距離が変わることは別です。
年齢だけで、私たちの願いや生き方が決まるわけではないのです。

5 カール・ランサム・ロジャーズとは
カール・ロジャーズの心理学|自分についての考えと、実際の経験が食い違うとき
ロジャーズの心理学で重要なのは、自分についての考えと、実際に感じたり経験したりしていることが、必ずしも一致するとは限らないという考え方です。
私たちは、自分の性格や考え方について「自分はこういう人間だ」と思っています。
しかし、実際の出来事を通して、それまで自分が思っていた姿とは違う気持ちに気づくこともあります。
ロジャーズは、このような自分自身の理解と経験との関係を、人の心や心理的な変化を考えるうえで重視しました。
カール・ロジャーズとは、どのような人物だったのでしょうか?
先ほど紹介したカール・ランサム・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers)は、1902年(明治35年)1月8日、アメリカ合衆国イリノイ州のオークパークに生まれたと、多くの伝記資料に記されています。

オークパークは、アメリカの大都市シカゴの近くにある町です。
1987年(昭和62年)2月4日、カリフォルニア州ラホヤで85歳の生涯を終えました。
ロジャーズは、幼いころから心理学者を目指していたわけではありません。
宗教を大切にする家庭で育ち、若いころは牧師になることを考え、神学を学ぶ学校にも通っていました。
しかし、心理学を学ぶ中で進路を変え、子どもたちの心理的な問題に関わる仕事を経験します。
その後、相談する人自身の気持ちや経験を尊重する、クライエント中心療法を発展させました。
また、心理相談の内容を本人の同意を得て録音し、やり取りを分析するなど、心理療法を科学的に研究する取り組みも進めました。
ロジャーズは、心理的な悩みを専門家が一方的に解決するのではなく、相談する本人が自分自身への理解を深めていく過程を大切にしたのです。
「自分はこういう人間だ」と思っていたのに、違う気持ちが生まれたら?
ロジャーズの理論で重要な言葉の一つに、不一致(incongruence/インコングルエンス)があります。
これは、自分についての考えと、実際に経験していることが食い違っている状態を表す言葉です。
前の章で説明した「自己概念」と、自分の経験との関係を考えると、理解しやすくなります。
たとえば、「自分は人に怒りを感じない人間だ」と思っていた人が、友達の言葉に強い怒りを感じたとします。
これは、ロジャーズの理論を理解するために考えた、記事独自の例です。
この場合、「怒りを感じない自分」という自己概念と、「実際に怒りを感じた」という経験が食い違っています。
ロジャーズは1959年(昭和34年)の理論的な著作で、こうした不一致が心の緊張や混乱につながることがあると説明しています。
また、自分についての考えを守るために、経験を意識しないようにしたり、その意味を違うものとして受け取ったりすることがあると考えました。
たとえば、怒りを感じているのに「自分が怒るはずはない」と、その感情を認めようとしない場合です。
ただし、怒りを感じた人が、必ずそうするわけではありません。
そして、ロジャーズが説明した「自己概念と経験の不一致」は、理想自己と現実自己の違いだけを意味するものではありません。
理想の自分にまだ近づいていないことと、実際に感じた気持ちを自分のものとして認められないことは、区別して考える必要があります。
ロジャーズは、人が変わっていく過程をどう考えたのでしょうか?
ロジャーズは、心理相談での経験や、実際の対話を調べた研究をもとに、人が自分への理解を変えていく仕組みを理論としてまとめました。
1957年(昭和32年)には、心理療法によって人が変化していくために必要だと考えた、相談者と専門家の関係について論文を発表しています。
その中で、相手の立場から気持ちを理解しようとする「共感的理解」や、相手の人間としての価値を条件をつけずに尊重する「無条件の肯定的配慮」などを含む、六つの条件を提案しました。
これは、相談の経験と当時の研究から組み立てた理論であり、その論文一つの実験ですべての条件が証明されたという意味ではありません。
ロジャーズは、こうした関係の中で、相談する人がそれまで認めにくかった気持ちも受け止め、自分についての考えを見直していけると考えました。
つまり、自分の経験を無理に否定するのではなく、その経験も含めて自分を理解し直していくことが重要なのです。
ただし、怒りを感じたことを認めるのと、怒りに任せて人を傷つける行動を認めるのとは違います。
自分の気持ちを理解することは、すべての行動を正当化することではありません。
ここから日常に引き寄せると、「こんな気持ちになる自分はダメだ」と決めつける前に、なぜそう感じたのかを考えることも、自分への理解を深める一歩になるかもしれません。
ロジャーズの心理学は、理想に近づくことだけでなく、今の自分が実際に経験していることを、どう理解するかという視点を与えてくれます。
📚 もう少し、自分について知りたくなったら
「自分を理解する」とは、実際にはどんなことなのでしょうか。
今回の話を読んで、もう少し身近な例で考えてみたいと思った方や、ロジャーズの考え方に興味が湧いた方もいるかもしれません。
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では、「こうなりたい自分」と「こうあるべき自分」では、心に生まれる感情は違うのでしょうか。
次は、理想自己と現実自己の関係を、別の角度から詳しく考えた心理学者ヒギンズの理論を見ていきましょう。
6 エドワード・トーリー・ヒギンズとは
ヒギンズの自己不一致理論|「なりたい自分」と「こうあるべき自分」の違い
理想の自分と今の自分の違いを考えるとき、「こうなりたい」という願いと、「こうしなければならない」という義務感を区別することが大切です。
なぜなら、どちらも自分に求める姿ですが、その違いによって、落胆や不安などの感情との関わり方が異なる可能性があるからです。
この関係を説明しようとしたのが、心理学者エドワード・トーリー・ヒギンズです。
エドワード・トーリー・ヒギンズとは、どんな人物?
エドワード・トーリー・ヒギンズ(Edward Tory Higgins/E. Tory Higgins)は、1946年(昭和21年)3月12日、カナダのケベック州モントリオールで生まれました。

モントリオールは、カナダ東部にある都市です。
没年月日については、確認した公式資料に記載がありません。2026年(令和8年)10月現在も、アメリカのコロンビア大学の公式サイトでは教授として紹介されています。
ヒギンズは、アメリカを中心に活動してきた社会心理学者です。
社会心理学とは、周りの人との関わりが、私たちの考え方や気持ち、行動にどのように関係するのかを研究する心理学の分野です。
少し意外かもしれませんが、ヒギンズは最初から心理学だけを専門にしていたわけではありません。
1967年(昭和42年)、カナダのマギル大学で社会学と人類学を学びました。
社会学は社会の仕組みや人間関係を、人類学は人間の文化や暮らしなどを研究する学問です。
その後、イギリスで社会心理学を学び、1973年(昭和48年)にはアメリカのコロンビア大学で心理学の博士号を取得しました。
ヒギンズは、人がどのような目標を持ち、その目標と自分自身をどう結びつけて考えるのかなどを研究してきました。
その研究の一つが、今回紹介する「自己不一致理論」です。
自己不一致理論とは?三つの自己像の違い
1987年(昭和62年)、ヒギンズは自己不一致理論(self-discrepancy theory/セルフ・ディスクレパンシー・セオリー)をまとめた論文を発表しました。
自己不一致理論とは、自分について思い描く複数の姿が食い違うことと、そこから生じる感情との関係を説明する理論です。
前の章で紹介したロジャーズは、自分についての考えと、実際の経験との不一致を重視しました。
一方、ヒギンズは、自分が思い描く異なる自己像の間にあるズレに注目しています。
この理論では、三つの自己像を区別します。
① 現実自己(actual self/アクチュアル・セルフ)
今の自分には、どのような特徴があると思っているかを表す姿です。
たとえば、「人前で話すと緊張して、声が震えてしまうと思っている自分」です。
② 理想自己(ideal self/アイディアル・セルフ)
自分がこうなりたい、こうありたいと望む姿です。
たとえば、「人前でも落ち着いて、自分の考えを伝えられる人になりたい」という願いです。
③ 義務自己(ought self/オート・セルフ)
自分はこうあるべきだ、こうしなければならないと考える姿です。
たとえば、「人前では失敗せず、きちんと話さなければならない」という考えです。
義務自己は、責任や義務、自分が守るべきだと思っている決まりなどに関わります。
ここで重要なのは、理想自己は主に願いや希望、義務自己は主に責任や義務に関わる自己像であるという違いです。
ただし、同じ目標が理想にも義務にもなる場合があります。
「人前で堂々と話したい」と願いながら、「失敗してはいけない」とも考えることがあるからです。
家族や周囲の期待も、自己不一致に関係するのでしょうか?
ヒギンズの理論には、もう一つ大切な視点があります。
それは、その自己像を、誰の立場から思い描いているのかということです。
自分自身が望んでいる姿と、家族や大切な人が自分に望んでいると考える姿を区別します。
たとえば、
「自分は医師になりたい」
という自分自身の理想があります。
一方で、
「親は、自分に医師になってほしいと思っている」
という、親の希望についての認識もあります。
どちらも理想に関係しますが、誰の立場から見た理想なのかが違います。
さらに、
「親の期待を裏切らないために、医師にならなければならない」
と考えているなら、そこには義務自己に関わる思いも含まれます。
ただし、親が実際にそう望んでいるとは限りません。
ヒギンズの理論で扱うのは、本人が「大切な人は自分にこうあってほしいと思っているはずだ」と認識している姿です。
周囲の人から期待されていると思うことと、その人が実際に何を望んでいるかは、必ずしも一致しないのです。
理想とのズレと義務とのズレでは、感じる気持ちが違う?
ヒギンズは、現実自己と理想自己のズレは失望や悲しみなどに、現実自己と義務自己のズレは不安や恐れなどに関係しやすいと考えました。
なぜ、そのように考えたのでしょうか。
理想に届かないときは、望んでいたよい結果が得られなかったと感じることがあります。
一方、義務を果たせないときは、失敗や悪い結果を心配することがあります。
ヒギンズは、こうした違いが感情にも関わると考えたのです。
では、実際の研究ではどうだったのでしょうか。
1986年(昭和61年)、ヒギンズらは大学生を対象に二つの実験を行い、自己像のズレと感情の関係を調べました。
まず参加者に、今の自分、理想の自分、義務として求める自分について、それぞれの特徴を挙げてもらいました。
そして、それらを比較して、自己像のズレを調べました。
二つ目の実験では、36人の大学生を対象に、理想と義務の両方でズレが大きい人と、小さい人を比べました。
参加者には、自分や親が望む理想について話してもらう場合と、自分や親が考える義務について話してもらう場合を設け、話す前後の気持ちの変化を調べました。
その結果、ズレが大きい参加者では、理想を意識したときに落胆に関わる感情が、義務を意識したときには不安や緊張に関わる感情が強まる傾向が見られました。
ただし、これは限られた参加者を対象とした実験結果です。
誰もが同じ感情を抱くと証明されたわけではありません。
第3章で紹介した2019年(平成31年)のメタ分析では、理想とのズレが主に落胆に、義務とのズレが主に不安に結びつくという、ヒギンズの理論が予測した明確な区別は十分には支持されませんでした。
つまり、自己像のズレの種類は、感情を理解する手がかりになりますが、その種類だけで人の気持ちを決めることはできないのです。
ここから日常に引き寄せると、自分が目指している姿について、少し違う見方ができます。
「自分は本当にそうなりたいのでしょうか」
それとも、
「そうならなければならないと思っているのでしょうか」
どちらの思いがあるのかを知ることは、自分が大切にしている願いや、感じている責任を整理する手がかりになるかもしれません。
そして、理想は苦しさに関係するだけのものではありません。
次は、理想の自分を持つことが、成長しようとする気持ちとどのように関係するのかを考えていきましょう。
7 理想は、成長する力にもなるのでしょうか?
理想の自分は、成長しようとする気持ちと結びつくことがあります。ただし、理想を持てば必ず努力が増えたり、成長できたりするわけではありません。
これまで、理想に届かないときの苦しさを見てきました。しかし、理想には別の働きもあるのでしょうか。
参考になるのが、ギャップの章でも紹介した心理学研究者・水間玲子氏の1998年(平成10年)の研究です。
水間氏は、理想自己が「今の自分を評価する基準」になるだけでなく、「これからの自分をつくるための指針」にもなる可能性を調べました。
調査では、大学生503人に、理想とする自分の特徴を10個挙げてもらい、それぞれを実現する難しさや、実現できる見込みを尋ねました。
さらに、「自分の可能性を伸ばしたい」という意識(可能性追求)と、「目標に向かって努力したい」という態度(努力主義)についても質問しました。
研究者は、本人が実現できる見込みがあると考えた理想に注目し、実現の難しさによって回答者を分け、二つの意識を比較しました。
その結果、実現が難しい理想を持つ人たちのほうが、自分の可能性を追求したいという意識が高い傾向が見られました。
一方、努力を重視する態度については、明確な差は確認されませんでした。
つまり、難しい理想を持つことと、成長したいという気持ちには関連が見られましたが、実際の努力や成長を確かめた研究ではありません。
日常に引き寄せると、「人の話を最後まで聞ける自分になりたい」という理想が、次の会話で行動を意識するきっかけになるかもしれません。
これは研究で試された例ではなく、考え方を理解するための例です。
理想は、今の自分を評価する物差しであると同時に、これから進みたい方向を示す目印にもなり得ます。

次は、その目印を大切にしながら、今の自分を必要以上に責めずに向き合う方法を考えていきましょう。
8 理想と現実への向き合い方
今の自分を責めすぎないために
理想と現実の差を感じたときは、理想に近づく行動を考えるだけでなく、目標や今の自分への評価を見直すこともできます。
ここからは、これまでの心理学を日常に生かすための、三つの考え方を紹介します。
たとえば、「毎日30分運動できる人になりたい」のに、疲れて続けられないとします。
一つ目は、今できる行動から始めることです。
いきなり30分運動するのが難しければ、今日は5分だけ歩いてみる。
理想を変えずに、そこへ近づく方法を調整する考え方です。
二つ目は、目標そのものを見直すことです。
「一日も休まず運動する」ではなく、「体調に合わせて運動を続ける」という目標にすることもできます。
目標を見直すことは、必ずしも努力を諦めることではありません。
2003年(平成15年)、心理学者カーステン・ヴロッシュ(Carsten Wrosch)氏らは、達成が難しくなった目標との向き合い方を調べました。
三つの調査のうち一つでは、大学生115人に、実現できない目標から努力や気持ちを切り替えられるか、新しい目標に取り組めるかを質問しました。
さらに、ストレスや人生の目的を感じている度合いなども調べ、回答の関係を統計的に比較しました。
その結果、目標を切り替えたり、新しい目標に取り組んだりしやすい人ほど、心理的に良好な状態にある傾向が見られました。
ただし、この研究は理想自己そのものを調べたものではありません。また、目標を変えれば必ず心が楽になると証明したわけでもありません。
一度できなかっただけで、目標を手放す必要があるという意味でもないのです。
三つ目は、今の自分への評価を確かめることです。
「今日は運動できなかった」という出来事から、「自分には何も続けられない」と決めつけていないでしょうか。
一日の結果と、その人の能力や価値のすべては同じではありません。
疲れや忙しさなども含め、何が起きたのかを振り返ることができます。

理想に向かって努力することと、今の自分を受け止めることは、必ずしも反対ではありません。
大切なのは、理想に合わせて自分を変えることだけでなく、理想そのものや自分への見方も確かめながら、進む方向を考えることです。
次は、理想自己と現実自己について間違えやすい点を整理しながら、「なぜ自分はその理想を大切にしているのか」まで、もう少し深く考えてみましょう。
9 少し深く考える問い
その理想は、誰の願いでしょうか?
理想と現実のズレは、その人の能力や価値を示す点数ではありません。 ここまでの心理学を使うと、次の三つを区別できます。
一つ目は、「今の自分についての思い」と「客観的な事実」です。
自分では「話すのが苦手」と思っていても、友達には説明が分かりやすいと感じられているかもしれません。
現実自己は、こうした本人が認識している自分の姿を指します。
二つ目は、「自分が望む姿」と「大切な人が望んでいると自分が考える姿」です。
先ほどのヒギンズの理論では、誰の立場から見た理想なのかを区別しました。
親に期待されていると思うことと、親が実際に望んでいることも、同じとは限りません。
三つ目は、「理想との差」と「心の病気」です。
ズレが苦しさと関係する場合はありますが、差があるというだけで、心の病気や努力不足だとは判断できません。
では、「人に頼られる自分になりたい」という願いの奥には、何があるのでしょう。
人を助けたい気持ちでしょうか。それとも、失望されたくない気持ちでしょうか。
両方があっても不思議ではありません。どちらかを悪いものと決めつける必要もありません。

理想を持つ理由を確かめることは、その理想を目指すか、見直すかを考える手がかりになります。
10 まとめ・考察
理想の自分は、書き直せる下書きなのかもしれません
理想の自分を目指すことと、今の自分を大切にすることは、必ずしも反対ではありません。
ここまで紹介した心理学の研究では、理想と現実のズレが自分への評価と関係する一方で、理想の持ち方が、自分の可能性を追い求めようとする意識とも関係していました。
ただし、理想を持つだけで成長できると証明されたわけではありません。
ここからは、そうした心理学の知識をもとに、少し違った角度から考えてみたいと思います。
記事のはじめに出てきた、「一生懸命に準備したのに、思うようにできなかった」という場面を、もう一度思い出してみてください。
もし今、同じことが起きたら、あなたは「理想に届かなかった自分」を、以前とは少し違う目で見つめられるでしょうか。
私は、理想の自分は、一度決めたら変えてはいけない完成図ではなく、経験を重ねながら書き直してもよい「下書き」のようなものだと考えています。
たとえば、こんな経験はありませんか?
「誰とでも明るく話せる人になりたい」
そう思って、友達といるときは一生懸命に話題を探し、みんなを楽しませようとします。
でも、うまく話せなかった日には、「やっぱり自分はダメだな」と落ち込んでしまう。
ところが、ある日、悩んでいる友達の話を静かに聞いていたら、「話を聞いてくれてありがとう」と言われたとします。
そのとき、少し違うことに気づくかもしれません。
「自分が本当になりたかったのは、いつも明るく話せる人というより、誰かが安心して話せる相手だったのかもしれない」
これは、心理学の実験で確認された事例ではなく、日常を考えるために作った例です。
この人は、以前の理想を間違えていたのでしょうか。
必ずしも、そうではないと思います。
理想として思い描く姿は変わっても、その奥にある大切な願いは、変わらずに残っていることがあります。

最初は「明るく話せる人」という姿を目指していても、経験を通して「相手が安心できる人」という、別の理想に気づく場合もあるでしょう。
理想を書き直すことは、自分の願いを諦めることではなく、その願いをもっとよく理解する試みになるのかもしれません。
もちろん、大切な理想を持ち続け、努力を重ねていくことにも意味があります。
どちらを選ぶべきかは、その人の願いや状況によって異なります。
では、あなたなら理想の自分と、どのように向き合いたいでしょうか。
一つの考え方として、理想の姿を思い浮かべたあとに、「その姿になって、何を大切にしたいのか」まで考えてみることを提案します。
そこには、理想に向かって進むための理由が見つかるかもしれません。
あるいは、これまでとは少し違う理想が見えてくるかもしれません。
理想の自分に近づくことだけではなく、自分にとって大切な理想を理解し直すことも、成長の一つとして考えられるのではないでしょうか。
おまけコラム
ロジャーズが学生時代に提案した、ちょっと変わった授業
心理学者ロジャーズには、学生時代のちょっと面白いエピソードがあります。
1924年(大正13年)、ロジャーズはニューヨークにあるUnion Theological Seminary(ユニオン・セオロジカル・セミナリー、牧師などを目指す人が学ぶ神学校)に入学しました。
そこで仲間たちと、ある変わった授業を学校に提案します。
それは、先生が授業の内容を決めるのではなく、学生たちが自分の疑問を持ち寄り、話し合いながら学ぶ授業でした。
しかも、正式に単位を認めてもらえる授業として提案したのです。
学校側は戸惑いながらも、この申し出を認めました。
ただし、一つだけ条件がありました。
若い先生が一人同席し、学生たちから求められない限り、話し合いには参加しないというものです。
先生が答えを教えてくれるのではなく、自分たちで問いを考えて進める授業。

少し変わっていますよね。
ロジャーズは、1961年(昭和36年)の著書『On Becoming a Person』(オン・ビカミング・ア・パーソン、「一人の人間として成長していくこと」という意味の題名)で、この経験を振り返っています。
この本は、心理療法や人の成長について、ロジャーズ自身の経験や考えをまとめたものです。
ロジャーズによると、この授業は、自分自身の人生観を形づくるうえで、とても意味のある経験だったそうです。
さらに興味深いことに、参加した学生の多くは、自分たちの疑問を深く考えていく中で、宗教に関わる仕事へ進まないことを選びました。
ロジャーズ自身も、その一人でした。
ここからは、私なりの考察です。
自分で疑問を持ち、考えていくことは、ときには、それまで目指していた進路を見直すきっかけにもなるのかもしれません。
今回の理想自己と現実自己の話にも、少し通じるところがありますね。
自分が何を大切にしたいのかを考え直したとき、以前とは違う理想が見えてくることもあるのでしょう。
心理学を学ぶことも、誰かの答えを覚えるだけではなく、自分自身の疑問を見つけていくことなのかもしれませんね。
さらに学びたい人へ
おすすめの心理学の本3選
理想自己と現実自己について知ると、「自分らしさとは何だろう」「理想の自分は、どうやって生まれるのだろう」と、さらに疑問が広がるかもしれません。
そんな人に向けて、書籍を3冊紹介します。
小学生・心理学が初めての人におすすめ
『10才からの気持ちのレッスン』 著者: 黒川駿哉
心理学を初めて学ぶ人におすすめです。
本の特徴
自分や他人の気持ちとの向き合い方を、イラストや書き込み式の問題を通して紹介しています。
「どんな人になりたいか」「自分にとって大切なことは何か」など、自分自身について考える内容もあります。
おすすめ理由
「理想の自分」と「今の自分」について、自分の気持ちを整理しながら考えたい人にぴったりです。
難しい心理学の知識を覚えるだけでなく、自分自身の答えを探していく楽しさがある一冊です。
中学生から大人まで、幅広い人におすすめ
『10代からの心理学図鑑』 著者: マーカス・ウィークス 監修: ジョン・ミルディンホール 訳者: 渡辺滋人
心理学の全体像を知りたい人におすすめです。
本の特徴
「私ってどんな人間?」「自分らしさとは?」といった身近な疑問から、心の働きを図解で学べます。
発達心理学や社会心理学など、幅広い分野を扱っています。
おすすめ理由
「自分とは何か」という疑問を、さらに広い心理学の世界へつなげられます。
気になるテーマから読み始められるのも、図鑑ならではの魅力です。
ロジャーズの心理学をさらに深く学びたい人におすすめ
『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』 著者: 諸富祥彦
ロジャーズの考え方や、人が自分自身を理解していく過程をもっと深く知りたくなった人におすすめです。
本の特徴
ロジャーズの生涯や思想を、カウンセリングの歴史とともに詳しく紹介しています。
「受容」「共感」「一致」といった重要な考え方や、ロジャーズの主要な著作についても学べます。
おすすめ理由
ロジャーズの理論について、「なぜその考えにたどり着いたのか」まで深めたい人に向いています。
読み応えはありますが、心理学者としての理論だけでなく、一人の人間としてのロジャーズにも触れられる一冊です。
心理学の本は、最初から最後まで一度に理解する必要はありません。
今の自分が気になっている問いから、少しずつ読み進めてみる。
そんな読み方も、心理学を自分自身の生活につなげる楽しみ方の一つだと思います。
文章の締めとして
理想の自分は、今はまだ遠くに感じられるかもしれません。
けれど、そこへ向かう途中にも、あなたが経験したことや、感じたことがあります。
思いどおりにいかなかった日も、何かに気づいた日も、どちらもあなたの人生の一部です。
この記事を読み終えたあと、いつもとは少し違う目で、自分自身を見つめるきっかけになればうれしく思います。

補足注意
この記事は、筆者が個人で確認できる範囲の心理学研究や信頼できる資料をもとにまとめたものです。
理想自己と現実自己については、異なる理論や解釈もあり、ここで紹介した考え方がすべてではありません。
また、今後の研究によって、現在の理解が見直されたり、新たな発見が加わったりする可能性があります。
🧭 本記事のスタンス
この記事は、理想の自分との向き合い方に、一つの正解を示すためのものではありません。
心理学の知識を通して、自分自身の気持ちや考え方を見つめ直すきっかけになればと考えています。
人によって大切にしたい理想も、生き方も異なります。
この記事を一つの入り口として、さまざまな考え方にも触れながら、あなた自身の答えを少しずつ探してみてください。
理想自己を知れば現実自己が気になり、現実自己を知れば理想自己が気になる――理想を知って現実を知り、現実を知って理想を知る、その二つの「自己」から生まれた「もっと知りたい」を道しるべに、本や研究をひもときながら、自分を知る旅をさらに深めてみてください。
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
理想自己と現実自己という考え方は、なりたい自分を見つめるときこそ、今ここにいる自分の声にも耳を傾ける大切さを教えてくれているのかもしれません。


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