『ちいかわ』第377話「パラレルワールド③」感想考察――「こうだったらよかった」が叶った世界で、失われていたもの

感想

願いが叶った世界は、本当に幸せな世界なのでしょうか。少しずつ違うちいかわたち、5級合格、ちいかぶを思わせる存在、そして消えてしまった大切な思い出から、パラレルワールドが問いかける「幸せ」と「変わらないもの」を考察します。

『ちいかわ』第377話「パラレルワールド③」。

今回の話を見ていて、私が特に強く感じたのは、このパラレルワールドが単に「いつもの世界とは少し違う世界」として描かれているだけではないのではないか、ということでした。

草むしり検定5級に受かっているちいかわ。

大切だった存在と、かわいい姿のまま一緒にいられるちいかわ。

いつもよりどこか余裕があるようにも見えるちいかわ。

一つ一つを見れば、「こうだったらよかった」という願いが叶った世界のようにも見えます。

しかし、その一方で、元の世界だからこそ生まれた思い出が存在しない可能性もあります。

そこで今回、私が一番考えさせられたのが、

「望みが叶った世界」と「大切な思い出が存在する世界」は、同じではないのかもしれない

ということでした。

見た目はかわいく、やり取りには笑えるところもたくさんあります。

それなのに、なぜかずっと少しだけ不安です。

その「少しだけ違う」という感覚の中に、今回の話の面白さと奥深さが詰まっているように感じました。

最初の一枚から伝わってくる「ここはいつもの世界ではない」

今回の冒頭では、パラレルワールド側の鎧さんとシーサーが描かれています。

鎧さんは日本の甲冑のような姿になり、シーサーは耳が長くなっています。

ここで実際に描かれているのは、私たちが知っているキャラクターたちが、いつもとは少し違った姿になっているということです。

ただ、私はこの「少し違う」というところがとても重要だと思いました。

まったく別のキャラクターになっているわけではありません。

誰なのかは分かる。

でも、いつもの姿ではない。

知らないものを見た怖さではなく、

「知っているはずなのに、何かがおかしい」

という怖さです。

今回のパラレルワールドは、最初から最後までこの感覚で作られているように思います。

ちいかわの耳を気にするハチワレ

続いてハチワレは、パラレルワールドのちいかわの耳のような部分を見て、

「耳、どうなってるの?」

と興味を示します。

そして、実際にその部分をつかんで引っ張ったり、触ったりしています。

ハチワレ自身は純粋に気になって確かめているように見えます。

一方のちいかわは、強く怒ったり拒絶したりはしませんが、少し困っているようにも見えます。

私はこの場面に、二人の性格がよく出ていると感じました。

気になったら、とりあえず確かめてみたいハチワレ。

少し困っていても、なかなか強く「やめて」とは言わないちいかわ。

もちろん二人は仲が良いので、本気で嫌がっている相手に無理をしている場面とは思いません。

それでも、

「自分の興味にまっすぐなハチワレ」

と、

「少し困りながらも強く拒否しないちいかわ」

という性格の違いが見える場面だと思いました。

そして、この直後に起こるうさぎの行動を考えると、ここにはもう一つ別の意味があるようにも感じます。

うさぎは本当に、ただハサミを自慢しただけなのか

ちいかわがハチワレに耳のような部分を引っ張られている横で、パラレルワールドのうさぎは突然葉っぱを持ちます。

そして、その葉っぱを投げ、頭の上についているハサミのような耳で「ちょきん」と切ってみせます。

そのあと、

「デヤァ……」

というような声を出しながら、足を交差させ、手を組み、いかにも得意そうな姿を見せます。

最初に見た時は、

「誰にも頼まれていないのに、突然ハサミの切れ味を自慢し始めた」

ように見えました。

それだけでも十分うさぎらしくて面白い場面です。

しかし、改めて一連の流れを考えてみると、私は別の見方もできるのではないかと思いました。

もしかすると、うさぎはちいかわが少し困っていることに気づき、ハチワレの注意を自分へ向けようとしたのではないでしょうか。

もちろん、作中でうさぎがその意図を説明しているわけではありません。

ですから、これはあくまで私の考察です。

ただ、ハチワレがちいかわを触っている場面の直後に、突然うさぎが目立つ行動を始めたと考えると、一見意味の分からない「葉っぱを切る」という行動にも違った見え方が生まれます。

「こっちを見ろ」

とでも言うように、自分の特技を披露してハチワレの注意を引いた。

もしそうだとしたら、私はとても面白いと思います。

なぜなら、この世界のうさぎは見た目も能力も変わっていますが、

「仲間が困っている時に、言葉ではなく行動で何かをする」

という部分は、元の世界のうさぎと変わっていないことになるからです。

しかもうさぎは、「やめなよ」と丁寧に説明して止めるようなタイプではありません。

何も言わず、突然自分の行動で空気を変えてしまう。

それが結果として、ハチワレの視線をうさぎへ向けています。

単にハサミの切れ味を自慢したかっただけかもしれません。

ちいかわを助けようとしたのかもしれません。

あるいは、その両方だったのかもしれません。

意図が説明されないからこそ、いろいろ考えられるところも、私はうさぎらしいと思いました。

姿が違っても、うさぎはやっぱりうさぎなのかもしれない

この場面を見ていて、私はパラレルワールドの面白さが少し分かった気がしました。

外見は変わっている。

能力も変わっている。

でも、完全に別人になったわけではありません。

突然よく分からない行動をする。

それを妙に誇らしげに見せる。

そして、もしかすると仲間を助けるために動いている。

そう考えると、

「変わったものの中に、変わらなかったものが残っている」

という今回のテーマが、うさぎの行動にも表れているように思います。

「なんか違う」という言葉が、この世界そのものを表している

うさぎの行動を見たハチワレは、いよいよ違和感を強く感じ始めます。

「なんか違う」

「なんか違う!」

と繰り返しながら、周囲を見回します。

声は焦りを帯び、途中では裏返るようにも聞こえます。

普段のハチワレは、比較的前向きです。

知らないことに出会っても、面白がったり、調べたり、受け入れたりすることが多いキャラクターです。

そのハチワレが、今回は明らかに不安を感じています。

私はこの「なんか違う」という言葉こそ、今回のパラレルワールドを最もよく表している言葉だと思いました。

完全に別物なら、むしろ判断は簡単です。

でも今回は違います。

知っている。

見覚えがある。

なのに、自分の記憶と少しだけ合わない。

この「少しだけ」が積み重なっていくほど、ハチワレは怖くなっていきます。

そして画面の右上や左下には、もやのようなものも見えます。

単なる画面表現とも考えられますが、私はこれが、この世界の不安定さをさらに強めているように感じました。

景色そのものが少しぼやけ、夢の中のようにも見えます。

「豚って何!?」は笑えるけれど、本当はかなり怖い

走り出したハチワレは、「豚」と書かれた看板を見つけます。

そして、

「豚って何!?」

と驚きます。

この言い方があまりにも迫真で、思わず笑ってしまいます。

しかし、よく考えるとかなり怖い場面でもあります。

この世界には、自分が知らないものが普通に存在している。

そして、自分が知っているはずのものが別の形になっている。

もし自分だけが「この世界の常識」を知らない状態になったらどうでしょう。

周りの人たちは普通に暮らしている。

自分だけが分からない。

それは、自分の方がおかしくなってしまったような感覚にもつながると思います。

だからハチワレは、

「ここって……パラレルワールド?」

と、今にも泣き出しそうな表情になります。

ハチワレは意外と状況判断が早い

それでもハチワレは、ただ混乱するだけではありません。

自分の知識と現在の状況を結びつけ、

「これはパラレルワールドなのではないか」

と考えます。

私はここで、ハチワレはかなり柔軟に物事を考えられるキャラクターなのだと思いました。

普通なら、

「こんなことありえない」

と否定してしまいそうです。

しかしハチワレは、これまで見聞きした知識の中から、今の状況に近いものを探します。

そしてちいかわに、

「なんか漫画で見たことがあって」

と説明します。

ハチワレは、生活の中で得た知識を使うことが多いキャラクターです。

一見役に立たなさそうな漫画の知識も、突然自分が異常な状況に置かれた時には、自分を理解するための手掛かりになります。

知識は、いつ役立つか分からない。

そんなことも少し感じる場面でした。

こんな状況でも、褒められたら嬉しい

ハチワレの説明を聞いたちいかわは、感心したように拍手をします。

そしてハチワレは、先ほどまであれほど不安そうだったのに、一瞬嬉しそうになります。

ここが私はとても好きです。

今いる場所はパラレルワールドかもしれません。

帰れるかどうかも分かりません。

何が起こるかも分かりません。

それなのに、

「ものしりだね」

というように褒められたら、ちゃんと嬉しい。

一見すると危機感が足りないようにも見えます。

でも私は、ここにはハチワレの一つの強さがあるようにも感じました。

怖いことが起きているからといって、今感じた小さな嬉しさまで無視しない。

不安は不安。

嬉しいものは嬉しい。

その二つを同時に持てる。

私たちは一つ嫌なことがあると、その日全部を「嫌な日」にしてしまうことがあります。

しかしハチワレは、そんな状況でも目の前の小さな良いことを受け取っています。

褒められた瞬間は、ちゃんと喜ぶ。

それは単なるのんきさではなく、ハチワレなりの心の柔軟さなのかもしれません。

自分の家なのに、自分の家ではない

その後、ハチワレは自分の家を確認します。

しかし、そこにも違和感があります。

置かれているものが違う。

武器が違う。

そして、元の世界なら重要な意味を持っている「ほめられリボン」が見当たりません。

ハチワレは、

「ちょっとずつなんか違う」

と感じます。

ここでも大事なのは、

「全部違う」

ではなく、

「ちょっとずつ違う」

ということだと思います。

もし完全に別の家なら、簡単に諦められます。

「ここは自分の家ではない」と判断できます。

ところが今回の家は、自分の家にとてもよく似ています。

でも、自分にとって大切だったものがない。

私はこの方がずっと怖いと思いました。

洞窟の外から見守るちいかわ

ハチワレが自分の家を確認している時、洞窟の入口にはパラレルワールドのちいかわがいます。

中にずかずか入ってくるわけではなく、少し離れたところから様子を見ています。

私はこの場面を見て、ちいかわはハチワレを心配しているのではないかと思いました。

ハチワレが明らかに混乱している。

だから一緒についてきた。

しかし、自分の家を確認したいハチワレの気持ちを考えて、少し距離を置いている。

そう考えると、とても優しい行動にも見えます。

この距離感から「この世界のハチワレとちいかわは、元の世界ほど親しくなかったのではないか」と考えることもできます。

それとも、単にいつもと違うハチワレに驚いていて、少し距離をとっているのかもしれません。

そして、この世界のハチワレはどんな外観をしていたのかも興味深いです、それともこの世界のハチワレは存在しないのでしょうか。

実際のところは分かりません。

ただ私は、この「近いのに、少し距離がある」雰囲気も、パラレルワールドらしいと思いました。

ちいかわの家で飲むお茶と、二人の温度差

その後、ハチワレはちいかわの家で一緒にお茶を飲みます。

ハチワレは、

「いつの間に来ちゃったの? パラレル……」

というように、まだ状況を整理しようとしています。

一方、ちいかわは横でゆっくりとお茶を飲んでいます。

もちろん、ちいかわにとってここはいつもの世界です。

ですから、落ち着いていること自体は不思議ではありません。

しかし、ハチワレがこれほど不安そうなのに、隣であまりにも普通にお茶を飲んでいる。

私はそこに、少し不思議な温度差を感じました。

ただ、このちいかわはハチワレについてきています。

褒めてもいます。

ですから、ハチワレに無関心ということではないと思います。

むしろ、

「心配しているけれど、この世界のちいかわなりの距離感でそばにいる」

ようにも見えます。

元の世界と同じようで、同じではない。

この微妙な違いが、今回ずっと続いています。

ちいかぶではなく「ちいくわ」――幸せそうだからこそ切ない

そこでハチワレは、ちいかわの家にいるクワガタのようなかわいい存在に気づきます。

元の世界では、ちいかわが大切にしていた小さなカブトムシのような存在がいました。

しかし、その存在は後に大きくなり、擬態型として描かれます。

ところが、この世界では違います。

カブトムシではなく、クワガタのような姿です。

しかも大きくなっていません。

かわいい姿のまま、ちいかわと仲良く一緒にいます。

ちいかわが抱きしめると、その子も嬉しそうに飛びつきます。

見た目だけなら、幸せな場面です。

でも私は、ここがとても切ないです。

なぜなら、

「ちいかわがこうなってほしかったかもしれない世界」

を見せられているように感じるからです。

ずっと一緒にいたかった。

怖い存在になってほしくなかった。

かわいいままでいてほしかった。

もし、ちいかわの心のどこかにそんな願いがあったのだとしたら、この世界ではそれが叶っています。

だからこそ、元の世界との違いを思うと苦しくなります。

草むしり検定5級に受かっている

そしてハチワレは、草むしり検定5級の証明書を見つけます。

それを見て、

「受かっ……てるの?」

と驚きます。

この言い方にも、単なる驚きだけではなく、

「自分の知っているちいかわではない」

という戸惑いがにじんでいるように感じます。

ちいかわは、それに対して短く返事をします。

その返事は、「何を今さら聞いているの?」というようにも聞こえますし、「うん、そうだよ」と普通に答えているようにも聞こえます。

はっきり言い切らない演技だからこそ、こちら側がいろいろ考えられる場面です。

そして、この5級合格が、今回の話を一気に深くしているように思います。

合格しているからこそ、存在しないもの

元の世界では、草むしり検定にまつわる失敗や努力があります。

だからこそ生まれた出来事もあります。

その一つが、ほめられリボンに関わる思い出です。

しかし、この世界では最初から5級に合格していたのかもしれません。

もしそうなら、その出来事は同じ形では起こらなかった可能性があります。

つまり、

「試験に受かった」

という一つの成功と引き換えに、

「失敗したからこそ生まれた大切な思い出」

が消えているのかもしれません。

私はここが今回一番考えさせられました。

普通なら、

「落ちた世界」と「受かった世界」

なら、受かった世界の方が良いと思います。

でも人生は、結果だけでは測れないのかもしれません。

失敗したことで、誰かが励ましてくれた。

悲しかったことで、誰かの優しさを知った。

できなかったことで、生まれた会話がある。

そこで初めて深まった関係がある。

もし最初から全部うまくいったら、それらは生まれません。

だから、

「失敗しなかった人生」

と、

「大切なものをすべて持っている人生」

は、同じではないのだと思います。

願いが叶った世界は、本当に理想の世界なのか

今回のパラレルワールドには、ちいかわが一度は望んだかもしれないものが、いくつもあります。

検定に受かっている。

大切だった存在が、かわいいままそばにいる。

どこか自信があり、余裕もあるように見える。

もしこの世界が、

「こうだったらよかった」

という願いが実現した世界なのだとしたら、一見するととても幸せです。

でも、その代わりに何がなくなったのでしょうか。

元の世界で経験した失敗。

その時にもらった優しさ。

悲しかったからこそ生まれた思い出。

誰かとの関係が深まった瞬間。

それらまで消えているのだとしたら、簡単に「こちらの方が幸せ」とは言えません。

ここに私は、『ちいかわ』らしい優しさと残酷さを感じました。

パラレルワールドが見せる「可能性」の怖さ

パラレルワールドというのは、考えるだけなら楽しいものです。

「違う選択をしていた自分」

「成功した自分」

「失わなかった自分」

を想像できます。

でも実際にその世界を見てしまったらどうでしょう。

今の自分にはないものを、その世界の自分が持っている。

一方で、今の自分が大切にしているものを、その世界の自分は持っていないかもしれない。

そう考えると、パラレルワールドは単なる夢の世界ではありません。

むしろ、

「自分の人生で、本当に大切だったものは何か」

を突きつけてくる世界なのかもしれません。

BGMまで「なんか違う」

今回のアニメでは、BGMも強く印象に残りました。

いつもの日常で聞くような曲なのに、どこか音がずれているように感じます。

不協和音のようでもあり、少し調子が外れているようでもあります。

完全に別の曲ではありません。

だからこそ不安になります。

私はここがアニメならではの表現だと思いました。

ハチワレは、

「なんか違う」

と言います。

キャラクターの姿も違います。

街も違います。

家の中も違います。

そして音楽まで「なんか違う」。

つまり、台詞だけではなく、映像も音もすべてが同じ違和感を伝えているように感じます。

見ている私たち自身まで、ハチワレと同じ感覚に巻き込まれていきます。

「ちいかわ?」「うさぎ?」という一文字の疑問

今回も最後のキャスト表記が違いました。

「ちいかわ?」

「うさぎ?」

と、「?」がついています。

私はこの表現がとても好きです。

姿はちいかわです。

声もちいかわです。

性格にも共通する部分があります。

しかし、私たちが知っているちいかわと完全に同じかと言われれば違います。

だから、

「ちいかわ」

ではなく、

「ちいかわ?」

なのだと思います。

たった一文字ですが、この疑問符にはかなり大きな意味があるように感じます。

人は何をもって「同じ人」と言えるのでしょうか。

外見でしょうか。

性格でしょうか。

記憶でしょうか。

経験でしょうか。

それとも、誰かと一緒に積み重ねてきた時間でしょうか。

今回のパラレルワールドを見ていると、そんなところまで考えたくなります。

変わったものと、変わらなかったもの

今回の話には、変わっているものがたくさんあります。

キャラクターの姿。

街。

家。

武器。

ぬいぐるみ。

BGM。

検定の結果。

過去に起きた出来事。

でも、変わっていないものもあります。

ハチワレは、気になるものに興味を持ちます。

褒められれば喜びます。

ちいかわはハチワレを褒めます。

大切な存在を抱きしめます。

うさぎは突然よく分からないことを始めます。

そしてもし今回の葉っぱを切る行動が、ちいかわを助けるための行動でもあったのだとすれば、うさぎの仲間思いな部分も残っていることになります。

私はここに、今回のパラレルワールドの本当の面白さがあるように思います。

全部が変わった世界ではありません。

だからこそ、

「何がその人らしさなのか」

が逆にはっきり見えてきます。

今回のコメント欄では

今回のコメント欄では、まずBGMについて触れている人が非常に多くいました。

「いつものBGMなのに少し違う」「不協和音のようになっている」「音程が微妙にずれている」「BGMまでパラレル仕様になっている」といった反応が多く、映像だけでなく音からも違和感を作っている点が特に注目されていました。

また、ハチワレの声の演技についても多くの反応がありました。

「なんか違う」の声が震れていること、途中で声が裏返ることで本気の焦りが伝わること、「豚って何!?」の迫真さ、「受かっ……てるの?」という言い方など、田中誠人さんの演技力に触れる意見が非常に多く見られました。

一方で、これほど不安な状況でも、ちいかわに「ものしり」と褒められると嬉しそうになるハチワレについて、「やっぱりハチワレらしい」という反応も多くありました。

ちいかわについては、草むしり検定5級に合格していることや、元の世界のちいかぶを思わせる存在がクワガタのような姿でかわいいまま一緒にいることから、「ちいかわの願いが叶った世界なのではないか」「ちいかわにとって都合の良い世界なのではないか」と考える意見がありました。

さらに、「5級に最初から受かっているのなら、ほめられリボンにまつわる出来事も起きていないのではないか」という考察も見られました。

また、クワガタになっていてもちいかわと仲良しであることを喜ぶ声がある一方で、「幸せそうな世界を見せられるからこそ切ない」という受け止め方もありました。

ほかにも、うさぎの「デヤァ」という言い方やハサミの切れ味、武器の違い、ぬいぐるみ、エンディングの表記、キャスト名の「?」など、本当に細かい部分まで多くの人が気づいていました。

今回のコメント欄を見ていると、多くの人が単純に「見た目が変わって面白い」と楽しんでいるだけではなく、

「何が変わっていて、何が変わっていないのか」

「この違いにはどんな意味があるのか」

というところまで考えながら見ていることが分かりました。

今回の動画が教えてくれるかもしれないこと

今回の「パラレルワールド③」を見て、私は「幸せとは何なのだろう」と改めて考えました。

試験に受かること。

大切な存在を失わないこと。

強くなること。

願いが叶うこと。

それらは間違いなく幸せの一つです。

でも、それだけが幸せではないのかもしれません。

失敗した時に誰かが励ましてくれたこと。

悲しかった時に隣にいてくれたこと。

怖い時に一緒にいてくれたこと。

うまくいかなかったからこそ交わした言葉。

そうした出来事もまた、人にとってはかけがえのないものです。

もし過去の失敗だけを消せたとして、その失敗によって生まれた大切な思い出まで消えてしまうとしたら、それを本当に「より良い人生」と言えるのでしょうか。

そして今回もう一つ感じたのは、外見や状況が変わっても、その人らしさまで全部消えてしまうわけではない、ということです。

ハチワレはやっぱりハチワレです。

ちいかわも、うさぎも、どこかに私たちの知っている部分を残しています。

だからこそ、「何が変わったか」だけでなく、「それでも何が残ったのか」を見ることが、このパラレルワールド編の面白さなのかもしれません。

願いが叶うことだけが幸せなのではない。

失敗も、悲しみも、その時に誰かがしてくれたことも含めて、自分の大切な時間になる。

そして人の本当の部分は、姿や環境が変わっても、思わぬところに残っているのかもしれない。

今回の動画は、願いが叶ったかどうかだけではなく、そこに至るまでに誰と何を経験したのか、その積み重ねこそが自分や大切な関係を作っているのだということを、教えてくれているのかもしれません。

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