たった一切れのスイカと数粒の種から見えてきたのは、ちいかわの成長、ハチワレの善意、そして言葉より先に友達を守るうさぎの優しさでした。
- 『ちいかわ』第371話「流れ・スイカ②」。
- スイカの食べ方だけでも見えてくる3人の性格
- 「万全」にしたはずなのに現れた“隠れ種”
- そもそも種を問題にしていないうさぎ
- モモンガの「食べさせろ」に感じる少し違った感覚
- モモンガをそっくり真似するうさぎ
- 何でも「いい出来事」として受け取るハチワレ
- モモンガに「種を取りな」と言われたちいかわの「ヤダ」
- 「嫌だ」と言えることも一つの強さ
- ハチワレの「あらら」は冷たいのでしょうか
- そして、言葉より先に動いたうさぎ
- 自分のやり方よりも友達を優先したうさぎ
- 実は、うさぎはちいかわをよく見ているのかもしれません
- 昔のうさぎを考えると、さらに感慨深くなります
- 「グェッ」と倒れるモモンガが、やっぱり憎めないのでしょうか?
- 最後までハチワレらしい「種、吐くんだ」
- ハチワレの「言葉の優しさ」と、うさぎの「行動の優しさ」
- たった一切れのスイカから4人の性格が見えてきます
- 今回のコメント欄では、どんなところが注目されていたのでしょうか
- 今回の動画が教えてくれるかもしれないこと
『ちいかわ』第371話「流れ・スイカ②」。
今回のお話は、ちいかわ、ハチワレ、うさぎの3人がスイカを食べているところから始まります。
一見すると、「みんなでスイカを食べていたところへモモンガがやって来て、最後はうさぎがスイカの種で撃退する」という、とてもコミカルなお話です。
しかし、一つひとつの表情や言葉、行動をじっくり見ていくと、この短いお話の中に、ちいかわ、ハチワレ、うさぎ、モモンガ、それぞれの性格や考え方、そして4人の関係性が驚くほど詰め込まれているように感じました。
特に私が面白いと思ったのは、同じ出来事を前にしても、それぞれがまったく違った反応をしていることです。
そして、その違いは最後に「友達が困っている時にどうするのか」というところにまでつながっていきます。
今回は、そんなところにも注目しながら、このお話を考えてみたいと思います。
スイカの食べ方だけでも見えてくる3人の性格
物語の始まりのイラストでは、うさぎがスイカを食べています。
前回のお話の最後で割ったスイカを、そのまま3人で食べているのでしょう。
うさぎは少し真顔のような表情をしながら、口元にはスイカの汁を垂らし、黙々と食べてい流ような様子です。
その姿だけでも、なんだかうさぎらしくて面白いです。
場面の始まりでは、ちいかわがスイカを手に持ちながら、指で一つひとつ種を取り除いています。
しかも、かなり真剣です。
少し汗までかきながら、食べる前に種を全部取ろうとしています。
そんなちいかわを見て、ハチワレは「種、ペッとすると楽だよ」というように、自分の食べ方を教えてあげます。
そして実際に、食べながら種をペッと吐いてみせます。
何でもない会話のようですが、私はこの時点ですでに3人の性格がよく表れているように感じました。
ハチワレは、種が出てきたらその時に吐けばいい、という考え方です。
つまり、「問題が起きたら、その時に対処すればいい」というタイプなのかもしれません。
一方のちいかわは違います。
食べ始める前に、できるだけ不安になるものを取り除いておきたいのでしょう。
種をあらかじめ全部取って、「安心して食べられる状態」を作りたいようです。
そんなちいかわの気持ちを、ハチワレは笑顔で「万全な状態を作りたいんだ」と察してくれます。
私はこの場面に、2人のとてもいい関係を感じました。
ちいかわは長い説明をしているわけではありません。
それでもハチワレは、ちいかわが何をしたいのかを理解しています。
相手がすべてを言葉にしなくても、「こうしたいんだね」と分かってくれる。
長く一緒に過ごしてきた2人だからこその関係なのかもしれません。

「万全」にしたはずなのに現れた“隠れ種”
やっと種を取り終えたのか、ちいかわは安心したようにスイカを食べ始めます。
これで心配なく食べられる。
そう思った直後でした。
突然、ちいかわの中に電流が走ったような反応が起こります。
そして、口から出てきたのはスイカの種でした。
ハチワレはそれを「隠れ種」と表現します。
私は、この場面がとても好きです。
ちいかわは、あれだけ一生懸命に種を取って「万全な状態」を作ったはずでした。
それなのに、見えないところに一粒だけ種が残っていました。
だからこそ、ちいかわは少し涙目になっています。
あれだけ頑張ったのに……と思うと少しかわいそうですが、同時にとても、ちいかわらしい場面でもあります。
そして少し深く考えてみると、この「隠れ種」は、私たちの日常にも少し似ているように思えます。
どれだけ準備をしても、すべてを完璧に予測することはできません。
「これで大丈夫」と思っていても、思いもよらない出来事が起こることがあります。
慎重に準備することは大切です。
しかし、どれだけ準備をしても想定外は起こります。
たった一粒のスイカの種ですが、そんなことまで考えさせられる場面でした。
そもそも種を問題にしていないうさぎ
そんな2人の横で、うさぎは気にする様子もなく、おいしそうにスイカを食べ続けています。
そこでハチワレが、
「種、吐かないの?」
というように尋ねます。
すると、うさぎは答える代わりのように「ゴクッ」と喉を鳴らし、そのまま飲み込みます。
それを見たちいかわとハチワレはびっくりします。
「飲む派なの?」
というハチワレの驚きも可愛いですが、同じように驚いているちいかわの表情もとても可愛いです。
ここで改めて、3人の違いがはっきりします。
ちいかわは、先に種を取ります。
ハチワレは、食べながら種を吐きます。
うさぎは、そのまま飲み込みます。
同じスイカを食べているだけなのに、3人ともやり方が違います。
そして面白いのは、誰も「自分の食べ方が正しい」と相手に押しつけていないことです。
ハチワレも最初は「こうすると楽だよ」と教えてあげますが、ちいかわが自分なりのやり方を続けていると、それを否定しません。
違っていても、そのままで一緒にいられる。
私は、この何気ない場面にも3人の関係の心地よさが表れているように感じました。
モモンガの「食べさせろ」に感じる少し違った感覚
そこへモモンガが現れます。
そしてスイカを見て、「食べさせろ」というように要求します。
私はここで、少し不思議に感じました。
そもそも、このスイカを最初に見つけたのはモモンガだったはずです。
普通に考えれば、
「それは自分が見つけたスイカだ」
「返して」
と主張してもよさそうです。
ところが、モモンガはスイカを食べられていること自体を強く責めるというより、「自分にも食べさせろ」という方向に進んでいきます。
ここにも、モモンガ独特の感覚があるように思います。
「これは誰のものなのか」ということよりも、
「今、自分がそれを食べたい」
という欲求のほうが先に出ているのでしょうか。
モモンガは、自分がどう感じているのか、何をしてほしいのかを、とても直接的に相手へぶつけるキャラクターです。
ある意味では、非常に自分の欲求に正直です。
だからこそ、他の3人とは少し違った感覚で世界を見ているようにも感じられます。
モモンガをそっくり真似するうさぎ
モモンガはジェスチャーを使いながら、自分がスイカを見つけたことを伝えます。
それをハチワレが、
「スイカ、見つけたんだ!」
というように理解します。
すると、今度はうさぎまで自分を指さしながら、モモンガとほとんど同じポーズを取ります。
それを見たハチワレは、
「それを転がしたんだ!」
と理解します。
この一連のやり取りがとても面白いです。
うさぎは事情を説明しているようにも見えますし、モモンガの仕草をそのまま真似して、少しからかっているようにも見えます。
おそらく、両方なのでしょう。
真剣に主張しているモモンガの横で、その動きをそっくり真似するうさぎ。
この温度差が、なんともうさぎらしいです。
そしてモモンガは、
「転がすな!」
と怒ります。
ここも面白いところです。
「勝手に食べるな」ではなく、「転がすな」なのです。
ただ、よく考えてみれば、最初にスイカを見つけたモモンガからすれば、「勝手に転がして持っていくな」という主張には意外と筋が通っています。
モモンガは自分勝手なところのあるキャラクターですが、時々こうして妙に正論を言います。
完全な悪役としてだけで描かれていないところも、モモンガの面白さなのだと受け取られているのかもしれません。
何でも「いい出来事」として受け取るハチワレ
事情を理解したハチワレは、モモンガに「ありがとう」と言いながら、残っているスイカを渡します。
私はここに、とてもハチワレらしさを感じました。
見方によっては、モモンガが見つけたスイカをうさぎが転がして持ってきて、3人で勝手に食べていたとも考えられます。
しかしハチワレの中では、
「モモンガがスイカを見つけてくれた」
「だから自分たちもスイカを食べることができた」
「だから、ありがとう」
というようにつながっているのでしょう。
そこには悪意のある解釈がほとんどありません。
私は、ハチワレは基本的に、相手の行動をできるだけ善意の方向から受け取るキャラクターなのではないかと思いました。
何かが起きても、まず相手を悪者だとは考えない。
だからモモンガに対しても自然に「ありがとう」と言えるのでしょう。
これはハチワレのとても素敵なところです。
ただ、その性格はこの後、少し意外な形でも表れてきます。
モモンガに「種を取りな」と言われたちいかわの「ヤダ」
スイカを受け取ったモモンガは、今度は隣にいるちいかわを指さし、種を取るよう要求します。
そこで、ちいかわの表情が一気に変わります。
そして、
「ヤダ」
とはっきり言います。
私は今回、この「ヤダ」が特に印象に残りました。
今までのちいかわの「ヤダ」には、怖さや不安から出ているように聞こえるものもありました。
しかし今回の「ヤダ」は、それとは少し違って聞こえます。
低めの声ではっきりと、
「本当にやりたくない」
「これは嫌だ」
という意思を伝えているように感じます。
モモンガに対して、以前よりずいぶん遠慮がなくなっているようにも見えます。
そして私は、これはちいかわの成長の一つなのではないかと思いました。
ちいかわは今でも怖がります。
泣くこともあります。
決して急に強気な性格になったわけではありません。
それでも、
「嫌なものは嫌だ」
と自分の言葉で伝えることができています。
これは、とても大きな強さだと思います。
「嫌だ」と言えることも一つの強さ
モモンガはさらに「取れ、取れ」と迫ります。
それでもちいかわは、涙を浮かべながら必死に抵抗しています。
私は、この姿を見て「ちいかわは思っている以上に強いのかもしれない」と感じました。
怖くないから断っているわけではありません。
実際に困っていますし、涙も出ています。
それでも、「嫌だ」という気持ちは変えていません。
私たちも、相手から強く頼まれたり迫られたりすると、本当は嫌でも引き受けてしまうことがあります。
「断ったら悪いかな」
「怒らせたらどうしよう」
そう考えて、自分の気持ちを引っ込めてしまうこともあります。
しかし、ちいかわは「ヤダ」と言いました。
強さというのは、誰かと戦って勝つことだけではありません。
怖くても、自分の気持ちを大切にすること。
嫌なことを「嫌だ」と伝えること。
それも立派な強さなのだと思います。
たった一言の「ヤダ」ですが、私はそこにちいかわの大きな成長を感じました。
ハチワレの「あらら」は冷たいのでしょうか
その様子を見ているハチワレは、
「あらら」
というような反応をしています。
ここも非常に興味深い場面です。
ちいかわは明らかに嫌がっています。
モモンガもかなり強引です。
それでもハチワレは、すぐに止めに入りません。
もしかするとハチワレには、
「ちょっと揉めているのかな」
「じゃれ合っているのかな」
くらいに見えているのでしょうか。
もちろん表情を見る限り、何かがおかしいことには気づいているようです。
しかし、「モモンガがちいかわを本気で困らせている」とまでは考えていないのかもしれません。
私は、これも先ほどのハチワレの性格とつながっているように思いました。
ハチワレは基本的に、相手を悪意から見ません。
だからこそ、目の前の出来事についても、
「大変なことが起きている」
というより、
「あらら、ちょっと揉めちゃった」
くらいに受け取っているようにも見えます。
それはハチワレの優しさでもあります。
しかし同時に、人の悪意や強引さに気づくのが少し遅くなってしまう部分でもあるのかもしれません。
そう考えると、この「あらら」も単なる天然な反応だけではなく、ハチワレというキャラクターの考え方がよく表れている言葉に見えてきます。
そして、言葉より先に動いたうさぎ
次の瞬間です。
ちいかわにさらに迫るモモンガへ、何かが飛んできます。
スイカの種です。
見ると、うさぎがモモンガへ向かいながら種を飛ばしています。
それが何発も命中し、モモンガは「グェッ」と倒れてしまいます。
ここで私は、
「最初にうさぎが種を飲むところを見せていたのは、この場面につながっていたのか」
と思いました。
今回の最初の描写では、うさぎは種を吐かず、そのまま飲み込んでいました。
つまり、うさぎは少なくとも普段は種を吐く必要を感じていません。
ところが、ちいかわが困った瞬間だけ、種を吐きます。
そう考えると、これは偶然の行動には見えません。
ちいかわを助けるために、普段とは違うことをしたように見えるのです。
ここが、とても格好いいです。

自分のやり方よりも友達を優先したうさぎ
うさぎは、種を飲み込む派でした。
しかし、友達が困った時には種を吐きます。
私は、今回のうさぎの魅力がここに詰まっているように思います。
普段の自分のやり方よりも、友達を助けることを優先したのです。
しかも、うさぎは長々と説明しません。
「ちいかわをいじめるな」
とも言いません。
「助けに来たぞ」
とも言いません。
ただ近づいてきて、必要な行動だけをします。
そして、モモンガを撃退したら、何事もなかったかのように戻っていきます。
私は、こういうところがとても格好いいと思いました。
助けたことをアピールしません。
「助けてあげた」と恩に着せることもありません。
必要だったから動いた。
ただそれだけのように振る舞います。
普段のうさぎは自由奔放で、突然変なことをしたり、ちいかわたちをからかったりすることもあります。
だからこそ、本当に大切な場面で見せるこの行動が、より強く心に残るのだと思います。
実は、うさぎはちいかわをよく見ているのかもしれません
一見すると、うさぎは自分の好きなことだけをしているようにも見えます。
しかし今回のお話を見ると、実は周囲をとてもよく見ているのではないかと思えてきます。
ハチワレが「あらら」としている間に、うさぎはちいかわが本当に嫌がっていることに気づいています。
しかも、ちいかわから「助けて」と言われてから動いたわけではありません。
自分で状況を見て、自分で判断しているのです。
普段のうさぎは、ちいかわに必要以上に干渉しません。
ちいかわが種を一つひとつ取っていても、そのままにしています。
隠れ種が出てきても、代わりに種を取ってあげたりはしません。
つまり、
「困っていることを全部助けてあげる」
という関係ではないのです。
しかし、本当に嫌がっていて、一人では対応しづらくなった時には動きます。
私は、この距離感がとてもいいと思いました。
何でも代わりにやってあげることだけが友情ではありません。
相手に任せるところは任せる。
でも、本当に必要な時には助ける。
うさぎは、そういう友達なのかもしれません。
昔のうさぎを考えると、さらに感慨深くなります
そして今回のうさぎを見ていると、以前の出来事も思い出します。
昔、うさぎ自身がちいかわをしつこくくすぐり、ちいかわを泣かせてしまったことがありました。
その時は、くりまんじゅうが止める側でした。
つまり当時のうさぎは、
「友達が嫌がっていることをやりすぎて、別の誰かから止められる側」
だったのです。
ところが今回は違います。
モモンガがちいかわの嫌がることをしていると、今度はうさぎ自身が止める側に回っています。
もちろん、今回のうさぎが昔の出来事を思い出して行動したと、作品の中で明確に語られているわけではありません。
ですから、これはあくまで私自身の考えです。
それでも長く作品を見ていると、
「うさぎも変わったのかもしれないな」
と感じます。
昔は止められる側だったうさぎが、今は友達を守る側になっています。
そう考えると、今回のスイカの種攻撃も、単なる面白いギャグ以上のものに見えてきます。
「グェッ」と倒れるモモンガが、やっぱり憎めないのでしょうか?
種を受けたモモンガは、
「グェッ」
と倒れます。
しかも、その後もしばらく足だけが見えています。
この姿が妙に可愛いです。
あれだけちいかわに迫っていたのに、スイカの種を数発受けただけで、あっさりと倒れてしまいます。
そして倒された後に、激怒して反撃するわけでもありません。
ここもモモンガの不思議なところです。
かなりわがままで、人にいろいろ要求するのに、自分がやられた時には意外とあっさりしています。
だからこそ、完全には憎めないキャラクターとして存在しているのかもしれません。
そして考えてみると、モモンガが今回登場しなければ、ちいかわの強い「ヤダ」も、うさぎの友達思いな部分も見ることはできませんでした。
モモンガがちいかわに迫るからこそ、ちいかわの意思の強さが見えます。
モモンガが強引だからこそ、ハチワレの善意に満ちた見方も見えてきます。
そして、モモンガがちいかわを困らせるからこそ、うさぎの友情が見えてきます。
そう考えるとモモンガは、周囲をかき回すことで、他のキャラクターの普段は見えない一面を引き出してくれる存在なのかもしれません。
最後までハチワレらしい「種、吐くんだ」
そして、騒動が終わった後。
倒れているモモンガを前に、ハチワレが注目したのは、
「種、吐くんだ」
ということでした。
そこなのでしょうか。
私はここで思わず笑ってしまいました。
目の前では、うさぎがモモンガを撃退しました。
ちいかわを助けました。
そしてモモンガはひっくり返っています。
しかしハチワレが一番気になったのは、
「うさぎ、種を吐くこともあるんだ」
という点でした。
最初に「種を飲む派なの?」と驚いていたことが、ハチワレの中ではずっと残っていたのでしょう。
だから最後に種を吐くうさぎを見て、純粋に驚いたのだと思います。
ここまで来ると、本当にハチワレらしいです。
そして、そんなハチワレに返すうさぎの反応も絶妙です。
「まあな」
とも、
「別に」
とも、
「そこじゃないだろ」
とも受け取れるように見えます。
私はむしろ、
「種を吐くかどうかなんてどうでもいい。ちいかわが困っていたからやっただけだ」
というようにも感じました。
もちろん、うさぎ本人はそんなことを言葉にはしません。
だからこそ、私たちはその行動から気持ちを想像します。
そこが、うさぎの魅力なのだと思います。
ハチワレの「言葉の優しさ」と、うさぎの「行動の優しさ」
今回のお話を見ていて、もう一つ面白いと感じたのが、ハチワレとうさぎの優しさの違いです。
ハチワレは、言葉で優しさを見せます。
ちいかわが種を先に取りたい気持ちを理解します。
モモンガにも「ありがとう」と言えます。
できるだけ相手を善意の方向から見ようとします。
一方のうさぎは、あまり言葉では説明しません。
でも、本当に必要な時には行動します。
どちらも優しいです。
ただ、優しさの形が違います。
ハチワレは、相手をなるべく良い方向から受け止める優しさを持っています。
うさぎは、大切な友達が本当に困った時に動く優しさを持っています。
そして、その2人の間にいるのが、繊細で怖がりながらも、少しずつ自分の意思を言葉にできるようになっているちいかわです。
性格が違うからこそ、3人はうまく補い合っているのかもしれません。
もし全員がハチワレのような性格だったら、モモンガを誰も止めなかったかもしれません。
全員がうさぎだったら、もっと激しい騒動になっていたかもしれません。
全員がちいかわだったら、3人そろって困っていたかもしれません。
みんな違うからこそ、足りないところを補い合える。
私は今回、そんな3人の関係性も感じました。
たった一切れのスイカから4人の性格が見えてきます
改めて考えてみると、今回起きている出来事は本当に小さなことです。
スイカを食べます。
種を取ります。
種を吐きます。
種を飲みます。
モモンガがやって来ます。
ちいかわが嫌がります。
そして、うさぎが種を飛ばします。
大きな事件ではありません。
それなのに、ちいかわの慎重さ、ハチワレの善良さ、うさぎの自由さと仲間思い、モモンガの自分の欲求に正直なところまで、しっかり見えてきます。
私は、この回がとてもよくできていると感じました。
大きな事件が起きなくても、キャラクターの性格は描けます。
むしろ、「スイカの種をどうするか」といった小さな行動にこそ、その人らしさが表れるのかもしれません。
そして、そうした小さな行動の積み重ねがあるからこそ、最後のうさぎの種飛ばしにも、「うさぎならこうする」という説得力が生まれているように思います。
今回のコメント欄では、どんなところが注目されていたのでしょうか
今回の動画のコメント欄では、特にちいかわのはっきりとした「ヤダ」と、うさぎがちいかわを助けた場面に注目している人が多く見られました。
ちいかわについては、「今まで以上に本気で嫌がっているように聞こえる」「昔よりはっきり嫌だと言えるようになった」「成長を感じる」といった意見が多くありました。
うさぎについては、「普段は種を飲むのに、友達を助ける時には吐く」「ちいかわがピンチになるとすぐに動く」「うさぎが人気な理由がこの回に詰まっている」といった声が目立っていました。
また、以前はちいかわを泣かせてくりまんじゅうに止められていたうさぎが、今ではちいかわを助ける側になったことに成長を感じる、という意見もありました。
ハチワレについても、「倒れたモモンガより『種、吐くんだ』に注目するのがハチワレらしい」「誰に対しても善意で接している」「ちいかわとうさぎほどモモンガを敵視していないところが面白い」といった見方がありました。
モモンガについては、「『転がすな』という主張だけは意外と正論」「種で倒されて『グェッ』となるところが可愛い」「モモンガが絡むことで普段見られないちいかわやうさぎの姿が見られる」といった意見もありました。
そして全体として、「4人の性格や関係性が短い一話に凝縮されている」「何度も見返したくなる」という感想が多かったことも印象に残りました。
今回の動画が教えてくれるかもしれないこと
今回の「流れ・スイカ②」を見て、私が一番強く感じたのは、「自分の気持ちを言葉にすること」と、「誰かが言葉にした気持ちに気づくこと」の両方が大切なのではないか、ということです。
ちいかわは「ヤダ」と言いました。
たった二文字です。
しかし、その二文字を言うことが難しい時もあります。
相手から強く迫られたら、本当は嫌でも受け入れてしまうことがあります。
それでもちいかわは、自分の「嫌だ」という気持ちを手放しませんでした。
私はそこに、ちいかわの成長と強さを感じました。
そして、その「ヤダ」にうさぎは気づきました。
ちいかわから「助けて」と頼まれたわけではありません。
それでも、友達が本当に困っていることを見て、自分から動きました。
普段なら飲み込むスイカの種を、その時だけは吐きました。
一見すると、とても小さな行動です。
しかし、人との関係の中で本当に大切なのは、こうした小さな行動なのかもしれません。
いつも相手の代わりに何かをしてあげる必要はありません。
普段は、その人自身に任せてもいいのだと思います。
しかし、本当に嫌がっている時。
一人ではどうにもできなくなった時。
その瞬間に気づき、さりげなく手を差し出せる。
そんな友達がそばにいたら、とても心強いはずです。
そしてハチワレのように、相手をすぐ悪者にせず、まず善意から見ようとすることも大切です。
「ありがとう」と自然に言えることも、一つの優しさです。
今回のお話には、自分の気持ちを守るちいかわ、相手を善意から見るハチワレ、大切な友達のために行動するうさぎ、そして周囲の本音や個性を引き出してしまうモモンガという、それぞれまったく違った姿が描かれていました。
みんな同じではありません。
考え方も、スイカの食べ方も、人との接し方も違います。
それでも一緒にいることができます。
そして、本当に困った時には誰かが手を差し出してくれます。
「嫌なことは、嫌だと言っていい」
「大切な人が出している小さなSOSに気づいてあげたい」
「優しさは言葉だけではなく、必要な時に起こす行動にも表れる」
たった一切れのスイカと数粒の種から、ここまでいろいろなことを考えさせてくれるのが、『ちいかわ』という作品の面白さなのだと思います。
今回の動画はもしかすると、自分の「嫌だ」という気持ちを大切にすること、そして誰かが勇気を出して示したその気持ちを見逃さず、必要な時にはそっと行動することも、本当の意味での優しさや友情なのかもしれない――そんなことを教えてくれているのかもしれません。


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