この世で最も“得”な取引は強奪なのですから

漫画

ーーー絹守一馬 若頭 

強奪という言い方はあまりにも言い方が恐ろしいですが、若頭という立場の絹守ならば本音というよりも当たり前の事を当たり前に言っただけのことなのでしょうが、恐怖とともに確かに強奪という言い方ではなく、無償で無料で物をもらえる、のは確かに得ではあります。

しかし、タダほど高いものはないと言う言葉もあるとおり、無料で貰ったものは高額ならば高額なほど裏があるのではないか、貰ったいじょうは貰った物と同等かそれなりの物を返さなくてはいけないという感情が芽生えてしまう、返報性の原理もあるように、無料だからと言っても完全に“得”まではいかない、それどころか損になってしまうこともありえますよね。

そのように考え込んでしまう事自体でが、既に時間も使ってしまう、疲労も感じてしまうということで損という考え方も十分にありますよね、こんな事ならばもらわなければ、断れば良かったと後悔が続いてしまっては元も子もないですね。

そのような感覚がありながらも“得”と言い切れる、取引がある、得なことを実感しているであろう生き方には、恐ろしいですがその自信を持っている生き方には畏怖の念をいだきつつも、一家言を持った生き方を信念を少しは見習い良い方向に胸を張って生きたいと心に響いた感銘を受けた言葉でした。

そのような絹守の発言が出た経緯には、タッグマッチで行われている裏ダーツカジノ、絹守の相棒は烏丸徨、対して対戦相手は、“写し身”の通りなを持つ二人組、山田ロミオと時盾実

写し身の通り名に恥じない?お互いの心情は共有、分かち合うのは義務、互いの経験も痛みも全てを同じように繰り返すことで、経験も共有することで成長が倍速になり互いへの完璧な共感を得られると本気で信じているという狂気じみた思想を持っています。

そんな二人は勝負を決めるべくラウンド4の終了時動き出します。

懺悔の口と呼ばれる今回の裏ダーツでのルールの機械、利き手を危険にさらされる代わりに得点を得られる可能性のある機械。

自らの得点を減らす量により、利き手の危険性は減るがその分、結果として得られる得点の量は減ってしまうというジレンマを乗り切るべく時盾は、自身の得点を使い賭けとして利き手を晒し、さらなる得点を得ようとするも利き手は無事だが得点も増えない危険を経験しただけの状況で終わってしまいます。

しかしそこで終わるはずもないのが写し身、その所以にたる行動を相方の山田は、自身の得点をつかい賭けにでます。

自身の利き手を危険に晒すという、時盾と同じ経験を痛みを共有しようとする為に。

そのかいがあってか、恐怖を共有とともに山田は得点までも得ます、利き手に痛みを伴いながら。

勿論これでは、共有とは言えないと思ったのであろう時盾は自らの利き手を傷つけます、自らの意志で自らの手で、恐ろしいまでの共有までの依存心、共有することへのこだわり。

そのような狂気とも言える共有を目にした、烏丸と絹守。

絹守には本当に勝てるのですか?とまで言わしめます、大丈夫だと述べる烏丸、ですが引きつった顔を見せます。

それでも勿論負ける気はサラサラない烏丸、その意思を読み取ったのか絹守。

更に得点差を広げられた第6ラウンド、得点を広げられるもそれに伴う痛みを犠牲を伴っている写し身を見て納得したのか、出番を悟った絹守。

写し身の二人と同じように危険な機械、懺悔の口の前に立ちます、使用する得点を0だと発しながら続けた絹守の言葉が

…オヤ何を意外そうな顔をしているんです? 点を得るために点を払うなどバカげていますよ

この世で最も“得”な取引は 強奪なのですから

と理論的にはそうでしょうが、痛みを確実に受けることを分かっていての発言、そして痛みを受けた時の感情のこもらない顔に発言合わせて淡々と仕事を行為をこなす、感情ではなく理論通りに動く様をまじまじと見せつけた絹守でした、軸を信念を持てばこのように何事にも動じない行動ができるのでしょおうか、どこまで経験を思考をすれば成長できるのか考えさせられてしまいました。

皆様もこのような思考の絹守を、写し身の生き様を直接読みたい方は

エンバンメイズ ENBAN MAZE 田中一行 good!AFTERNOON KC 講談社

第3巻 ROUND13 写身〜twins〜〈3〉

を是非読んでみて下さい、皆様にはどのような新しい響きがあるのか楽しみです。

写身は〈1〉〜〈4〉まであり絹守一馬の活躍を十分に味わえる話になっています。

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