『ちいかわ第353話「あくむ⑤」感想』本当に優しい人は何も言わずにそばにいてくれる

感想

可愛いだけじゃない――。
『ちいかわ』第353話「あくむ⑤」は、悪夢の恐怖以上に“本当の優しさ”が心に残る回でした。何も言わずに寄り添ううさぎの存在、安心を恐怖へ変えるゾウの悪意、そして見逃しやすい演出の数々を深掘り考察してみます。

今回の『ちいかわ』第353話「あくむ⑤」を見て、一番印象に残ったのは悪夢の恐ろしさではなく、うさぎの優しさでした。

もちろん今回の見どころとしては、ゾウによる悪夢の演出や水槽のシーン、不気味な「あくむの歌」など、ホラー要素の強い部分がたくさんありました。

しかし私が見ていて強く感じたのは、それ以上に「人が苦しんでいる時の寄り添い方」でした。

うさぎは何もしていない。でもそれが一番すごい

今回のうさぎは、ちいかわの異変に気付いていました。

ただ、その理由を無理に聞き出そうとはしません。

「何があったの?」
「大丈夫?」

とも言いません。

ただ自然に家までついてきて、隣でゴロゴロしているだけです。

普通に見れば何もしていないように見えます。

でも実はこれが一番難しい優しさなのかもしれません。

人は苦しんでいる時、必ずしも話したいわけではありません。

原因を説明したくない時もあります。

そんな時に必要なのは解決策ではなく、「一人じゃない」と感じさせてくれる存在だったりします。

今回のうさぎはまさにそうでした。

よく見ると、うさぎはずっと見守っている

今回は細かい演出も本当に素晴らしかったと思います。

うさぎは寝転がっています。

しかしよく見ると、普段のように完全に寝ていません。

目を閉じずにちいかわを見ていたり、時々様子を確認していたりします。

声のトーンも少し違います。

最初の「フ〜ン」という声も、いつもの自由奔放なうさぎではなく、どこか心配しているように聞こえました。

台詞で説明しないからこそ伝わるものがある。

アニメスタッフの演出力の高さを感じました。

悪夢が怖い理由は「安心」を壊してくるから

今回の悪夢は単純なホラーではありません。

私が怖いと思ったのは、ちいかわが安心した瞬間を狙ってくるところです。

現実ではうさぎがそばにいてくれた。

だから安心して眠った。

ところが夢の中では、そのうさぎがゾウになってしまう。

つまりゾウは身体を傷つけるだけではなく、「安心できる場所」まで恐怖に変えてしまう存在として描かれています。

だから余計に不気味なのだと思います。

水槽のシーンが妙にリアルだった

今回の水槽のシーンも印象的でした。

血が出るわけでもない。

派手な戦闘があるわけでもない。

それなのに異様に怖い。

理由は単純で、「逃げられない状況」が描かれているからだと思います。

足がつかない。

狭い。

苦しい。

助けてくれる人もいない。

そういう根源的な恐怖が描かれているので、かわいい絵柄なのに妙に現実味があるのです。

ちいかわの世界は時々こういう生々しい恐怖を見せてくるから侮れません。

あくむの歌が頭から離れない

今回もう一つ話題になったのが、あの「あくむの歌」です。

怖い。

でも何回も聞いてしまう。

不気味なのに妙に耳に残る。

そんな不思議な中毒性がありました。

個人的には、子どもの頃に見たアニメのトラウマシーンを思い出しました。

どこか楽しそうなのに不安になる。

夢と現実の境界が曖昧になるような感覚があります。

この歌のおかげで悪夢の不気味さが何倍にも増していたように感じました。

見逃しやすい細かい演出も見事だった

今回は本編以外にも細かい部分が凝っていました。

特に印象的だったのが、最後の「つづく」の演出です。

エンディングで登場する車が、通常のデザインではなくゾウ仕様になっていました。

ほんの数秒の演出ですが、悪夢がまだ終わっていないことを最後まで感じさせてくれます。

また、うさぎの後頭部のたぷたぷ感や、お尻をフリフリする仕草、ゴロゴロする姿なども非常に細かく描かれていました。

恐怖回なのに、同時にしっかり可愛い。

このバランス感覚こそが、ちいかわという作品の魅力だと思います。

コメント欄でも特に多かった意見

今回コメント欄を見ていて特に多かったのは、やはりうさぎへの評価でした。

「この回でうさぎ推しになった」

「何も言わずにそばにいてくれるのが本当の優しさ」

「ハチワレとは違うタイプの優しさがある」

という意見が非常に目立っていました。

また、

「朝から放送する内容じゃない」

「子どもの頃に見たらトラウマになる」

「ダンボやプーさんの怖いシーンを思い出した」

という声も多く見られました。

それだけ今回の悪夢演出は視聴者の記憶に強く残ったのだと思います。

今回の話が教えてくれること

今回の「あくむ⑤」は、悪夢の恐怖を描いた回であると同時に、人との関わり方を描いた回でもあったように思います。

苦しんでいる人に対して、何か特別なことをしなくてもいい。

問題を解決できなくてもいい。

気の利いた言葉がなくてもいい。

ただそばにいてくれるだけで救われることがある。

うさぎは今回、そのことを静かに教えてくれました。

だからこそ、この回は単なるホラー回ではなく、友情の尊さを改めて感じさせてくれる回だったと思います。

悪夢はまだ終わっていません。

それでも、ちいかわの隣にはうさぎがいる。

その安心感が、今回の恐怖の中で唯一の救いだったのではないでしょうか。

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