ジャンゴの言葉
漫画『ONE PIECE』第4巻 第35話「ネオ坂道」から、とても心に引っかかった言葉を取り上げます。それは、ルフィのゴム人間ぶりを目の当たりにしたジャンゴの問いかけ
『おれの チャクラムをくらって
漫画 ONE PIECE 第4巻 第35話 〝ネオ坂道〟 より引用
立ってられるのは どういう理屈だ⁉』
という、いわば「理解しがたい現実」を突きつけられたときのセリフです。
言葉までの経緯
物語の流れと驚きの瞬間
シロップ村の北の海岸で、クロの卑劣な計画と態度を目撃したルフィ。遠くから腕を伸ばして強烈な一撃を食らわせる姿は、能力を知らない者には信じがたいものでした。悪魔の実の噂はあっても、その存在を確信していなかったジャンゴは、目の前で“ゴム人間”の能力を見せつけられ、驚愕します。
しかし、真の疑問はそこではありませんでした。ゴム人間ならば、ある程度の衝撃に強いのはわかる。けれども、ジャンゴが投げる“刃物付きのチャクラム”は、明らかに切れ味のある武器。そんなものをまともにくらってもルフィが立っていられるとはどういう理屈なのか――。
そのように感じたジャンゴの発した言葉が
『成程 ゴム人間か腕が伸びて見えたのは
漫画 ONE PIECE 第4巻 第35話 〝ネオ坂道〟 より引用
どうやら錯覚じゃなかったらしい』
『だが おれの チャクラムをくらって
立ってられるのは どういう理屈だ⁉』
でした。

心に響いたこと
受け入れざるを得ない現実
戦いの現場では、いかに理不尽な現象でも、実際に起きてしまったことならば受け入れざるを得ません。ジャンゴも驚きながらもすぐに切り替えて、次の策を考える様子を見せています。これは現実社会でも同じかもしれません。なぜかうまくいかない状況や、説明のつかない事態に直面したとき、私たちもまずは「起きている事実」を素直に認めるところから始めないと、前に進めないことがあります。
それでも拭えない“なぜ?”
しかし、ジャンゴが感じたような「納得しきれない謎」は、時として答えが得られないまま放置される場合もあります。作中でも、ジャンゴの問いに対して誰も明確な答えを返しません。ルフィ自身も以前に「刃物は跳ね返せない」と言っていますし、針で刺されて痛がるシーンもある。にもかかわらず大きなダメージには繋がっていない…その曖昧さは、読者としても「どうなっているんだ?」と不思議に思うところです。
けれども、このシーンからは、次のようなメッセージを感じました。
“現実に起こったことを素直に受け入れてることができたとしても、すべての答えが返ってくるわけではないときがある”
ということを、この場面は教えてくれているのではないでしょうか。
考えたこと
疑問を抱えたまま進むという選択
ジャンゴの問いはスルーされる形で先へ進みます。これは私たちの生活にもよくある光景ではないでしょうか。仕事で使っているシステムの仕組みがよくわからないままだったり、新しいサービスのアルゴリズムに不明点があったり。答えがわからないままでも、日常や業務は続いていきます。
もちろん、本当は知りたい気持ちがあるのに、尋ねてもはぐらかされ、仕方なく受け流すケースもあるでしょう。しかし、それでも先へ進まなくてはならない。そのもどかしさと切なさが、ジャンゴの台詞とオーバーラップして見えるのです。
この言葉から学べること
私たちは、「なぜこうなるのか?」という疑問に対して、必ずしも正解を得られるとは限りません。それでも、現実に起きていることは確かな事実として受け止め、前に進む勇気を持つことが必要になります。
何かが起こったときは、まず事実を認める。
納得がいかなくても、とりあえず動いてみる。
疑問を深堀りしたいなら、気軽に相談できる仲間や専門家を探す。
そんな姿勢が、私たちの世界を少しだけ進める力になるのではないでしょうか。
まとめ
ジャンゴの「どういう理屈だ⁉」という叫びは、私たちが日常で感じる「なぜなんだろう?」にも重なる問いかけです。答えがなくても進み続けるしかない現実に対し、ときに受容し、ときに疑問を抱えたままでも行動する――そのバランスが大切かもしれません。

気になった方はぜひ
原作
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第4巻 第35話 〝ネオ坂道〟
をチェックしてみてください。
異なるシーンでまた新たな気づきがあるかもしれません。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
再度読みに来たくなるような新しい言葉の力を、
今後もお伝えしていきたいと思います。

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