もちもち まるもち ちからもち。おもちを ついたら ちからも つくぞ。

絵本

ーーーおすもうさんたち 

言葉までの流れ

空腹のさとのいもを助けた、おなべさんと、おたまちゃん。話を聴くと、さとのいもの相撲部屋の力士達は成績が良くない上に、部屋にドロボウが入り食べ物がない状態でした。そのことを聴いた商店街の皆は食べ物を持ち寄ってくれます。その材料で料理を始め、力士たちも元気にお餅をつきました。

心に響いたこと 考えたこと

もちもち力強く餅をつくおすもうさんの掛け声は心地良く響きます。こんなにも愉快で楽しそうな言葉が生まれるなんて、予想だにしませんでした。

先ほどまでは空腹と相撲部屋の状況の悪さから、彼の顔はうつむき加減で表情も暗かったのです。

しかし、彼らに気を配ってくれる存在がいてくれること、助けてくれる存在がいることを感じた瞬間、料理の材料が運ばれてきた瞬間、私は安堵感を覚えました。私たちは一人ではなく、助けを借りることができるのだという安心感を感じたのかもしれません。

「貧すれば鈍す」という言葉の通り、空腹の状態では笑顔にもなれず、こんな楽しくリズミカルな言葉も生まれないですね。

驚くべきことに、彼はまだ食べ物を口にしていませんが、先ほどまでの状況とは打って変わって、素敵な笑顔で餅つきをしています。もちもちまるもち、この言葉からも、彼の笑顔からも喜びが溢れています。

たとえ物理的な行為としての食事がなくても、この先には楽しいことが待っていると感じられるなら、美味しいものが食べられると感じられるなら、未来に希望や喜びがあると感じられたなら、困難に立ち向かったり克服できるのではないかと思いました。

お餅をつくことで力もつく、このような何気ない言葉が楽しく感じられる状況は居心地がいいですよね。お餅をつくことで力がつくなんて、理屈はわからないかもしれませんが、威勢のよい言葉を口に出しても憚られない場所があること、その場に居場所があることがとても幸せなことなのでしょう。

実際に、お餅をつくことは重労働であり、筋肉を使うので力がつくのは正しいかもしれませんが。

周りを気にして発言や行動を制限してしまったり、周りに合わせた発言や行動をするよりも、自分の感じたことを自由に発言できることは、自分自身が生きていると実感し、気持ちを高揚させることができる、胸が躍る生活ができるのでしょうね。

お相撲さんたちの楽しそうな表情や面白い言葉は心に響く言葉であり、感銘を受ける言葉でした。

物語の流れ

おなべさんおたまちゃんは、旅の途中で町に立ち寄った時に、フラフラとしたお相撲さんを見かけます。そのお相撲さんが川に落ちそうになったところを、おなべさんの頭(鍋の蓋)をなげて助けます。

助けたお相撲さんは、さとのいもと名乗ります。さとのいもを相撲部屋まで送り話を聴くと。ここの相撲部屋はまだまだ弱い部屋で、なかなか勝てないうえに、この部屋にドロボウが入り、食べ物まで盗まれてしまい、おなかがペコペコだと言うことでした。

その話していると、部屋の窓から商店街の人々が顔を出し、放ってはおけない、任せておきなと、それぞれの店の材料を持ち寄ってくれます。様々な材料が集まった相撲部屋で、おなべさんおたまちゃんは料理を始めます。そして、いい匂いも漂います。

そのほかの料理の材料で、お相撲さんたちも料理の手伝いを始めます、まずはペッタンペッタンとお餅つきです。そのときの掛け声が

もちもち まるもち ちからもち。

おもちをついたら ちからも つくぞ

おなべさんとおたまちゃん より引用

でした。

愉快な掛け声での餅つきの次は、四股踏みで、コシのあるうどんをうちます。

その次は、張り手で餃子の皮を伸ばします。他のお相撲さんは、その皮で具を丁寧に包んでいきます。

沢山の料理を作った皆の前に、更におなべさんがとっておきの鍋料理を披露します。皆で豪華で美味しい料理を食べて幸せな気持ちになります。

ちゃんこで力を取り戻した、お相撲さん達の部屋がどのようになっていったのかを、知りたい場合や、この物語を直接読みたい場合は

おなべさんとおたまちゃん 作 宮本えつよし 絵 国松エリカ 教育画劇

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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