いいんですか?何か知りたいことがあったから また図書館に来たのでは?

漫画

ーーー白井 図書館職員

言葉までのあらすじ

石平は小学校の頃に借りて亡くしてしまった本の弁償を求められます。時効だと訴える石平に対して、早瀬丸白井は弁償してもらうべき理由を伝え説得します。現金で弁償しようとしますが、認められずに不貞腐れ二度と来ないと言い帰ろうとします。その時に思いとどまるように投げかけた言葉です。

心に響いたこと 考えたこと

図書館で借りた本をなくしてしまった場合、弁償と謝罪が必要なのは当然のことです。図書館職員である早瀬丸と白井は、利用者にこのような行動を促しています。客観的に見れば、簡単に判断できる状況ですが、私自身が石平のような状況になった場合、感情が揺れ動くことは十分に理解できます。

石平が古い本であり、また過去のことであると考えるのは自然な心境ではないでしょうか。「小学生の頃のことを言われても、これまで本がない状態でも問題なかったのに大丈夫ではないのか?」と思ったのかもしれません。

しかし、石平は他の本が経年劣化や利用者によって傷つけられているのを見て、悲しみと悩みを抱えています。その結果、石平は現金で弁償しようとしましたが、規則により受け付けられず、代わりに本を買って持ってくるように求められました。この対応に若干の理不尽さを感じ、自分の行為が理解されなかったと感じたことで、石平は二度と図書館に来ないと言い出し、帰ろうとします。

自分の過失を認めようとし、自分なりに妥協しようとしたにも関わらず、それさえも許容されなかったと感じたのかもしれません。そして、彼は「もう嫌だ」「もういいや」と諦め、不貞腐れるように振る舞ってしまったのかもしれません。

そのような石平に対して白井は図書館職員の立場から、石平の状況や感情を読み取り、彼を引き留める言葉をかけました。図書館職員として、利用者の本の取り扱いや職員に対しての対応について悪い経験もしていることから、白井は不当な対応をする利用者に対して嫌悪感を抱いているはずですが、それでもなお、図書館を利用したいという石平を見捨てることはできないと考えたのかもしれません。

白井の行動は図書館の本を弁償しない利用者という、自分の最も憎むが人物が去ったことによる開放感や爽快感を味わうのではなく、石平の感情に寄り添いながら、意固地になってしまっている石平が受け入れることができる言葉を見つけ出し、伝えるというものでした。その対応には感嘆せざるを得ません。

不貞腐れたり、意固地になったりする人々は、時に本来の意思とは反対の行動をとってしまうこともあります。どうでもいいと感じたり、諦めてしまうことで、その後に不利益を被ることも理性的には分かっていても、感情に支配されてしまうこともあるのです。

私もそのような経験があり後悔したりしますし、そのような人々に対して話しかけたこともありますが、自分の感情や、意固地な人に対して適切な言葉を選び出すことは容易ではありません。

しかし、白井は石平が図書館を訪れた意味や、なぜそこにいるのかという本来の気持ちを思い出させる言葉を述べることができます、その言葉は心に響く、感銘を受けた場面でした。

彼の対応は称賛に値し、見習うべきものだと感じられました。

物語の流れ

図書館職員の早瀬丸に、カードを作りたい方がいると伝えられます。その人物に会いにいくと其処には、若干態度の悪い高校生の石平がいました。

図書館のカードを作ろうとすると、石平には長期延滞の記録が残っており、10年前に貸した本を返さないと貸し出し停止だと早瀬丸は伝えます。

すると石平は、本は無いと言います、その場合は弁償だと言う早瀬丸、昔のことで時効だと声を荒げる石平の前に、我慢しきれなくなった白井が現れます。

白井は、弁償を拒む利用者こそが最も憎む利用者だと考えており、経年劣化や利用者によって汚され廃棄本となった本を見せながら悲しさを伝えつつ、石平に対しても弁償を求めます。

廃棄本となってしまった本を見て悲しくも寂しそうな表情を見せた石平は、思うところがあったのか、無くしてしまった本の弁償をしようとして現金を早瀬丸に渡そうとしますが、現金の受け渡しは出来ないと拒否され、現物の購入を求められてしまいます。

そのことで、面倒くさくなったのか、バカにされたと感じたのか、諦めてしまったのか、二度と来ないと言い二人の前から去ろうとします。

そんな不貞腐れてしまった石平に対して、白井が言った言葉が

いいんですか? 何か 知りたいことがあったから また図書館に来たのでは?

だれかに教えられるのではなく知りたいから本を開く 一番 純粋なほんとうの「学び」です

あなたがこの本を借りた時も なにか知りたかったのでは?

税金で買った本 1冊目 より引用

でした。

その言葉で、幼い頃の気持ちを思い出した石平でしたが、その場では素直になることが出来ずに、去って行っしまいます。しかし、やはり白井の言葉が響いたのか、石平はその後本屋に行き弁償するために本を手に入れます。

その後どのようにして本を返すのかが気になる場合や、直接物語を読みたい場合は

税金で買った本 原作 ずいの 漫画 系山冏 ヤンマガKCスペシャル 講談社

第1巻 1冊目 わくわく☆しりたい どうぶつのなぞ

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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