ーーー草野雫 新米キャンパー
言葉までのあらすじ
自分のテントが欲しくなった草野雫は、樹乃倉厳がキャンプギアを買い物に行くことを知り、その店に行きます。嫌悪感を表しながらも、キャンプ用品について教えてくれる厳。買い物は別々に行いながらも、ギアの話となると饒舌になる厳に感化された雫がキャンプギアにに嵌っていく時の言葉です。
心に響いたこと
物欲により、物はあっという間に増えてしまいますよね。キャンプギアに限らず、簡単に手に入る状況や目に触れる機会が増えると、気になるものに意識が向いてしまいます。高価なものは無理でも、簡単に購入できる状況下では、それまで知らなかったアイテムや新しい使い方が見つかり、その事が自分自身を押し進め購入にいたる要因となることもあります。
しかし、購入した後は使わずに満足感だけを得ることも多いです。
気づけば、物が山積みになっているなんてこともあります。
それでも、時間があるとつい見てしまうのは、物を探すことで時間を有意義に過ごしている気になるからかもしれません。物を集めることは、自己投資の一環として考えられるかもしれません。自分の時間を充実させるために、お金や時間、スペースを使うことは、楽しむことに直結していることもあるのでしょう、まさに厳や雫のように、趣味のための道具を厳選し、充実させるために物が増えるのは、自己投資として成り立つのかもしれません。そのような二人の姿を見ると、羨ましさを感じます。
その様な状態を見ると私は、物を増やすことで虚無感を埋めようとしている自分に気づかされます。私には厳や雫のように夢中になる趣味がないため、物を買うことで時間や物欲を埋めようとしているのかもしれません。
物欲と時間の使い方、趣味と自己投資の境界について考えなければと思えた、心に響いた、感銘を受けた言葉でした。
考えたこと
物欲があっという間に増えてしまう現代の状況において、物を買うことで時間を有意義に過ごすことや趣味を充実させることは、一種の自己投資と捉えることもできます。
厳や雫のように、趣味のための道具を楽しんで集めることで、生活に楽しみや充実感をもたらすことができているのも事実でしょう。
しかし、物を増やすことで虚無感を埋めようとしている場合もあります。このような状況に向き合うには、自身の物欲と時間の使い方について考えなくてはいけないと感じられました。
物欲を満たすことで得られる満足感は一時的なものであり、本当の充足感とは異なるのかもしれないのに、それでも私が物を買い続けてしまうのはなぜなのだろう?
物欲と時間の使い方のバランスを取るためには、どのようなアプローチが必要なのだろうか?
自己投資として物を増やすことと、物欲を埋めることは、どのように区別すべきなのだろう?
これらの問いかけを通じて、物欲と時間の使い方について深く考えることができれば、厳や雫のように心から楽しめる趣味に対しての買い物ができるのかもしせれません。それとも心から楽しめる趣味を見つけられれば、物欲を埋めるためだけの買い物をしなくなるのでしょうか?
没頭できるほどの趣味や生き方のためにも、考えたくなる言葉でした。
物語の流れ
草野雫は、近況報告を友だちに話しながらも、自分のテントが欲しいと話します、その時に友達が提案したのは、キャンプギアは沼だと自覚している樹乃倉厳が、新しいギアを求めて買い物に来ている店に、雫が会いに行くということでした。
厳が買い物に行く場所を知っていた雫は、不安を感じながらもその提案にのり厳に会いに行きます。
雫の挨拶と同時に、嫌悪感をにじませた表情をする厳、その表情に威圧され、たじろぐ雫でしたが、諦めたのか、考えを改めたのか厳は一息つくと、素っ気なくも雫に話しかけます。
そのまま、なんだかんだとテント用品の説明を始める厳、先程の表情とは打って変わって非常に豊かな表情で説明を続けます、買い物は別々になりますが。
お互いの買い物の後も、キャンプギアの説明をして分かれた厳は、なんとも言えない表情をしており、ギアの話をするのは楽しかった様子です。
テントも買え、ご機嫌の雫が、自分の家で言った言葉が
欲しいもん ばっかりばい…
ふたりソロキャンプ第7話 より引用
でした。
好きなことになると、話も饒舌になるし、欲しい物も増えていきますね。
この話や、厳と雫の会話や説明を、直接読みたい場合は
ふたりソロキャンプ 出端祐大 イブニングKC 講談社
第2巻 第7話 雫のテント
を是非読んでみて下さい。
皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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