ーーーチョビットさん モリダクサン 働き者
荷物を1つずつ運べるチョビットさんと一度に沢山運べるモリダクサン。公園作りで沢山荷物を運べることで活躍していたモリダクサンですが、身体が大きい事が仇となってしまい荷物を運ぶことが困難な状況になってしまいました。そんな時に活躍したのがチョビットさんでした。
地道に1つずつ荷物を運ぶチョビットさんと、大きな荷物も、沢山の荷物も一度に運べるモリダクサン。
大量の荷物を持てる、という面からすればモリダクサンの働き振りが優秀なのかも知れません。公園を作るために沢山の荷物を移動させると必要がある、という一部からしてみればモリダクサンの様な仕事ぶりが優秀とされるのでしょう。
けれども、物を移動させるという面を切り取ってみれば、平らな道や舗装された道だけではなく、あぜ道や曲がりくねった道もありますよね、その時にはチョビットさんのように小回りのきく身体が必要な時もありますよね。
大量な荷物を平坦な道で運ぶ時にはモリダクサン、険しい道で運ばなくては行けない時にはチョビットさんというように使い分けられれば、皆で手分けして事に望めれば、物事は早くより楽に完了するのでしょうね。
どちらが優れているのではなく、どの様な能力をどの様な場面で使い活かせるかが、大切なのではと改めた心に響いた、感銘を受けた言葉でした。
今の場所では、他の人よりも力になれていないと感じたとしても、その事だけで人よりも劣っているのと考えてしまうのではなく、一度落ち着いてその場面での自分の能力の活かし方が違っているのかもしれない、と考える事も必要な事なのかもしれませんね。
他の方法での取り組み方ならば、自分の能力を役立てられるかもしれない、と考えて今までとは違う行動や違う場所での行動をすることによって、自分の能力をもっと活かせることが出来たのならば、自分を卑下する必要もなくなるのかも知れませんよね。
私も今いる場所では、今の状況では輝けなくても、それが直接自分を否定することには繋がらないと考えていきたいともいます。その上で私自身をもっと成長させていければ良いな、と考えて過ごしたいです。
そのような場面が描かれたチョビットさんの働き方は、毎日毎日、岩や木や砂をちょびっとずつ運んでいる所から始まります。
働き者のチョビットさんは雨の日も、風の日も休まずに公園作りのために荷物を運びます。
そんなチョビットさん達の前に現れたのが大きな大きな身体のモリダクサンでした。
モリダクサンはその大きな身体に沢山の岩を乗せて運びました、そうして、あっという間に池が出来上がります。
満足顔、ドヤ顔、のようなイラストのモリダクサンが描かれています。
次は長い長いシーソーの材料を運びます、チョビットさんでは上手に運べずに苦戦しています。
するとモリダクサンは大きな身体にシーソーの材料を乗せて、あっという間に運んでしまいます。
こうしてシーソーもあっという間に出来上がりです。
ここでもモリダクサンの満足顔が描かれています。
次は大量の砂を運ぼうと、モリダクサンの身体に砂を乗せるチョビットさん達、協力し合う事でそれぞれの能力が活かされる事がここでも描かれているのが、いい感じでした。
自分を称える歌を歌い、意気揚々と大量の砂を運ぶモリダクサン、その後ろをついていくチョビットさん達でしたが、なんとモリダクサンは、でこぼこ道にハマってしまったのでした。
身動きの取れなくなってしまったモリダクサン、そこでチョビッさん達は少しずつモリダクサンの身体から砂を運び出しモリダクサンを助け出します。小さな声でですがモリダクサンはキチンとお礼を伝えいる事が微笑ましかったです。
動けるようになったモリダクサンの身体に改めて砂を積み込むチョビットさん達。
改めて荷物を載せて出発しながら歌った歌が
カタコト カタコト チョビットさん
ガタゴト ガタゴト モリダクサン
こんどは みんなで てわけして
カタコト ガタゴト カタコトゴト
チョビットさんとモリダクサン より引用
でした。
今までは自分だけを賛辞する歌を歌っていたモリダクサンが、今度はチョビットさん達の事も歌詞に入れ歌っている、皆で協力する事、それぞれの能力を使い分ける事の大切さを感じさせられる歌になっているところが嬉しくなります。
その後、砂を運んで出来上がった公園を見ているチョビットさんとモリダクサンの絵は、モリダクサンの目が和やかになっていて、今までの目ではないのが良い感じでした。
今までは自分の能力が優れていると感じていたモリダクサンですが、能力に優劣はなく使い方次第だと感じられた場面なのではないでしょうか。
まったく同じ作業をするならば優劣はあるのかも知れませんが、その能力を活躍できる場所を見つければ優劣は存在しないのかもしれませんよね。
モリダクサンは自信を持ちすぎていたので、物語中にチョビットさん達を直接見下す場面があるのではないかとヒヤヒヤしていましたが、その様な場面はなくて安心しました。
自分の能力にご満悦なだけの、モリダクサンならば微笑ましいですよね。
そのような公園づくりをしている様子やチョビットさんとモリダクサンのその後を直接読みたい場合は
チョビットさんとモリダクサン さとうゆみか 福音館書店
こどものとも年中 2019年5月号 通巻398号
をぜひ読んでみて下さい。
皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。
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