ビッグファイブは、たった一人の心理学者が作った理論ではありません。性格特性論の始まりから現代のビッグファイブへとつながるまでには、多くの研究者たちが研究を積み重ねてきました。本記事では、性格研究の歴史を築いた5人の心理学者と、それぞれの功績をやさしく解説します。

一人の天才ではなく、5人の研究者がつないだ「性格研究」の物語
- 代表例
- 10秒でわかる結論
- 小学生にもわかるように言うと…
- 1. 今回の現象とは?
- 2. 疑問が生まれた物語
- 3. すぐにわかる結論
- 4. 『性格の特性論』とは?
- 5. 『特性論』を築いた心理学者5人
- 6. 『ゴードン・オールポート』 ― 現代の性格特性論の土台を築いた心理学者
- 7. 『レイモンド・キャッテル』 特性論を統計学で発展させた心理学者
- 8. 『ハンス・アイゼンク』 性格を少数の大きな因子で説明しようとした心理学者
- 9. 『ルイス・ゴールドバーグ』「ビッグファイブ」という名前を広めた心理学者
- 10. ポール・コスタ&ロバート・マクレー
- 11. 5人の研究はどのようにつながったのか?
- 12. 性格の特性論が現代心理学に与えた影響
- 13. おまけコラム
- 14. まとめ・考察
- 15. 疑問が解決した物語
- 16. 文章の締めとして
代表例
心理学について調べていると、
「性格の特性論を築いた人物」として紹介される心理学者が、本や記事によって違うことがあります。
ある本ではゴードン・オールポートが紹介され、
別の本ではレイモンド・キャッテルやルイス・ゴールドバーグ、
あるいはポール・コスタとロバート・マクレーの名前が挙げられることもあります。
同じ「性格」を研究しているのに、どうして心理学者ごとに考え方や功績の紹介が違うのでしょうか。

実は、現在の「性格の特性論」や「ビッグファイブ」は、一人の心理学者が完成させた理論ではありません。
それぞれの心理学者が前の研究を受け継ぎ、新しい発見を積み重ねながら発展してきた、長い研究の歴史があります。
だからこそ、紹介される人物が一人ではなく、複数になるのです。
この記事では、性格の特性論を築いた5人の重要な心理学者に焦点を当て、それぞれがどのような役割を果たし、どのように現在のビッグファイブへとつながっていったのかを、歴史の流れに沿ってわかりやすく解説します。
読み終えるころには、「なぜこの5人が重要なのか」が自然と理解でき、性格心理学の歴史をより深く楽しめるようになるでしょう。
10秒でわかる結論
現在の「性格の特性論」は、一人の心理学者が完成させたものではありません。
オールポートが土台を築き、キャッテル、アイゼンク、ゴールドバーグ、コスタ&マクレーなど、多くの心理学者が少しずつ研究を積み重ねた結果、現在のビッグファイブへと発展しました。
つまり、
心理学の歴史は、一人の天才が作った物語ではなく、多くの研究者がバトンをつないできた物語なのです。

小学生にもわかるように言うと…
学校でみんなが一つの大きな作品を作るとき、
最初にアイデアを考える人。
設計図を作る人。
色をぬる人。
最後に仕上げる人。
それぞれ役割がありますよね。
心理学も同じです。
今の「ビッグファイブ」は、一人だけが考えたものではありません。
たくさんの心理学者が何十年もかけて少しずつ完成させた「みんなで作った研究」なのです。
- 代表例
- 10秒でわかる結論
- 小学生にもわかるように言うと…
- 1. 今回の現象とは?
- 2. 疑問が生まれた物語
- 3. すぐにわかる結論
- 4. 『性格の特性論』とは?
- 5. 『特性論』を築いた心理学者5人
- 6. 『ゴードン・オールポート』 ― 現代の性格特性論の土台を築いた心理学者
- 7. 『レイモンド・キャッテル』 特性論を統計学で発展させた心理学者
- 8. 『ハンス・アイゼンク』 性格を少数の大きな因子で説明しようとした心理学者
- 9. 『ルイス・ゴールドバーグ』「ビッグファイブ」という名前を広めた心理学者
- 10. ポール・コスタ&ロバート・マクレー
- 11. 5人の研究はどのようにつながったのか?
- 12. 性格の特性論が現代心理学に与えた影響
- 13. おまけコラム
- 14. まとめ・考察
- 15. 疑問が解決した物語
- 16. 文章の締めとして
1. 今回の現象とは?
こんな経験はありませんか?
学校で心理学を調べていると、
「ビッグファイブを作った人は誰?」
という答えが、本によって違う。
ある本には
「ゴールドバーグ」
と書いてある。
別の本には
「コスタとマクレー」
さらに違う本では
「オールポート」
や
「キャッテル」
という名前まで出てきます。
「結局、誰が一番すごい人なんだろう?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。
実は、この疑問には理由があります。
現在の性格の特性論は、一人の心理学者が突然思いついた理論ではないからです。
何十年もの研究が少しずつ積み重なり、
まるで駅伝のように研究が受け継がれながら、現在のビッグファイブへ発展してきました。
キャッチフレーズ
「ビッグファイブを作った人は誰?──実は、一人ではありません。」
この記事を読むメリット
- 性格の特性論を築いた5人の心理学者がわかります。
- それぞれが何を研究した人物なのか理解できます。
- ビッグファイブが完成するまでの歴史の流れがわかります。
- 心理学が「積み重ねの学問」である理由がわかります。
- 性格研究をより深く理解できるようになります。
- 心理学者同士がどのように研究を発展させたのかを物語として楽しめます。
2. 疑問が生まれた物語
図書館。
ケンタくんは心理学の本を何冊も読んでいました。
ある本には、
「ビッグファイブはゴールドバーグ。」
と書かれています。
別の本には、
「コスタとマクレー。」
さらに別の本では、
「特性論はオールポート。」
そして、
「キャッテル」
「アイゼンク」
という名前も出てきました。
ケンタくんは思わず首をかしげます。
「え?」
「同じ心理学なのに、どうしてこんなに名前が違うんだろう。」
「本によって紹介される人が違うって、どういうことなんだろう。」
ますます気になってきました。

「もしかして、一人が全部作ったわけじゃないのかな。」
「研究って、バトンをつなぐみたいに続いてきたのかな。」
そんな疑問が頭から離れなくなったケンタくんは、
心理学の歴史そのものを調べてみることにしました。
すると、そこには想像以上に面白い”研究者たちの物語”が待っていたのです。
3. すぐにわかる結論
お答えします。
現在の特性論やビッグファイブは、
一人の心理学者が完成させた理論ではありません。
最初に
「人には特性がある」
という考え方を体系化した人。
その特性を統計学で整理した人。
さらに研究を重ね、
五つの特性へまとめた人。
世界中へ広めた人。
こうして何人もの心理学者が少しずつ研究を積み重ね、
現在のビッグファイブへ発展していきました。
つまり、
今回紹介する5人は、
ライバルではありません。
それぞれが前の研究を受け継ぎ、
さらに発展させた「リレーの走者」のような存在なのです。

だからこそ、
「誰が一番すごい。」
というより、
「誰がどの役割を担ったのか。」
を知ることが、このテーマを理解する一番の近道になります。
では、
その最初のバトンを受け取った心理学者は誰だったのでしょうか。
ここからは、現代の特性論の土台を築いた人物から順番に、その研究の歴史をたどっていきましょう。
4. 『性格の特性論』とは?
ここから心理学者たちの紹介に入る前に、まず「性格の特性論」とは何かを整理しておきましょう。
性格の特性論とは、人の性格を「○○タイプ」と一つに分類するのではなく、さまざまな性格の特性(Traitトレイト)の強さや組み合わせによって理解しようとする心理学の考え方です。
この考え方をもとに、現在では質問紙などを使って特性の程度を測定し、数値として表す研究も広く行われています。
その代表的な理論が、ビッグファイブ(五因子モデル)です。
心理学でいう「特性」とは、その人に比較的安定して見られる考え方、感じ方、行動の傾向を指します。

たとえば、
人と話すことが好き
新しいことに興味を持ちやすい
約束を守ろうとする
不安を感じやすい
慎重に考えてから行動する
このような特徴は、一日だけ偶然に現れるものではなく、その人らしさとして長い期間にわたって見られることがあります。
特性論では、こうした特徴を一つひとつ見ながら、その人の性格をより丁寧に理解しようとします。
たとえば、ある人は人と話すことが好きだけれど、同時に慎重な面もあるかもしれません。
別の人は静かに過ごすことが好きでも、責任感が強く、約束をきちんと守る人かもしれません。
つまり、性格は「明るい人」「真面目な人」「心配性な人」といった一つの言葉だけでは説明しきれないのです。
性格の特性論は、人を一つの箱に入れる考え方ではありません。
むしろ、その人が持っているさまざまな特徴を、いくつものメーターのように見ていく考え方です。
「人と関わる力は高め」
「慎重さもある」
「新しいことへの興味も強い」
「不安を感じやすい面もある」
このように、いくつもの特性が組み合わさることで、その人らしい性格が形づくられると考えます。
たとえば同じ「真面目な人」でも、人と協力しながら計画的に進める人もいれば、一人で静かに集中して努力する人もいます。特性論では、このような違いを「真面目」という一言で終わらせず、複数の特性の組み合わせとして見ていくのです。
この考え方が重要なのは、人の性格を決めつけずに理解できるからです。
「内向的だから人付き合いが苦手」
「心配しやすいから弱い人」
「外向的だから必ずリーダー向き」
このように単純に判断するのではなく、
「その人には、どのような特徴があり、どのような場面で力を発揮しやすいのか」
を考えるための手がかりになります。
そして、この特性論という考え方は、一人の心理学者によって突然完成したものではありません。
「人の個性をどのように理解するのか。」
「性格を科学的に調べることはできるのか。」
「たくさんある性格を表す言葉を、もっと整理できないのか。」
「性格を測定する方法は作れるのか。」
こうした問いに、多くの心理学者たちが向き合ってきました。
その積み重ねの中で、特性論は少しずつ発展し、やがて現在広く知られているビッグファイブへとつながっていきます。
つまり、これから紹介する心理学者たちは、ただ有名だから名前が残っているわけではありません。
それぞれが、性格研究の歴史の中で違った役割を担っていました。
ある人は、「特性」という考え方を体系的に整理しました。
ある人は、統計学を使って性格を科学的に分類しようとしました。
ある人は、性格をより少ない基本的な因子で説明しようとしました。
またある人は、現在のビッグファイブを広めたり、測定しやすい形に整えたりしました。
ここからは、その研究のバトンをつないできた心理学者たちを、順番に見ていきましょう。
5. 『特性論』を築いた心理学者5人
性格の特性論を理解するうえで大切なのは、「誰が一番偉いのか」を決めることではありません。
本当に大切なのは、
「それぞれの心理学者が、どの役割を担ったのか」
を知ることです。
現在のビッグファイブは、一人の天才が突然思いついた理論ではありません。
まるで大きな建物を建てるように、
最初に設計図を描いた人。
土台を作った人。
柱を立てた人。
建物全体を整理した人。
最後に多くの人が使いやすい形へ完成させた人。
そんなふうに、多くの心理学者が何十年にもわたって研究を積み重ね、現在の特性論とビッグファイブが生まれました。
今回紹介する5人も、それぞれ果たした役割が異なります。
『ゴードン・オールポート』
「性格は特性の組み合わせで理解できる」という考え方を体系的にまとめ、現代の特性論の土台を築いた人物です。
『レイモンド・キャッテル』
統計学の「因子分析」を活用し、数多くある性格の特徴を科学的に整理しようとした人物です。
『ハンス・アイゼンク』
性格を少数の大きな特性で説明できるのではないかと考え、三因子理論を提唱しました。この考え方は、その後の特性研究にも大きな影響を与えました。
『ルイス・ゴールドバーグ』
多くの研究結果を整理し、「ビッグファイブ」という名称を広く普及させた人物として知られています。
『ポール・コスタ&ロバート・マクレー』
ビッグファイブを理論としてさらに発展させ、現在世界中で利用されている代表的な性格検査や研究モデルとして確立した人物です。

このように見ていくと、
5人は互いに競い合ったライバルというよりも、
前の研究を受け継ぎながら、次の時代へ研究をつないでいった「リレーの走者」だったことが分かります。
だからこそ、現在の心理学では誰か一人だけを「ビッグファイブを作った人物」と紹介することはほとんどありません。
それぞれが異なる重要な役割を果たし、その積み重ねによって現在の特性論が築かれてきたからです。
では、その長い研究の歴史はどこから始まったのでしょうか。
次の章では、現代の特性論の「出発点」ともいえる人物、ゴードン・オールポートについて詳しく見ていきましょう。
6. 『ゴードン・オールポート』 ― 現代の性格特性論の土台を築いた心理学者
ゴードン・ウィラード・オールポート(Gordon Willard Allport)は、1897年11月11日~1967年10月9日に活躍したアメリカの心理学者です。
現在では、現代パーソナリティ心理学(人格心理学)の先駆者の一人として知られ、性格の特性論(Trait Theory)を体系的にまとめた人物として高く評価されています。
性格を科学的に研究する方法がまだ十分に確立されていなかった時代に、
「人の性格は、いくつもの特性(Trait〈トレイト〉)の組み合わせとして理解できるのではないか」
という考え方を、心理学の理論として整理したことが、オールポート最大の功績です。

現在では当たり前となっている
「人には外向性や誠実性など、さまざまな特性があり、その組み合わせによって一人ひとりの個性が形づくられる」
という考え方は、オールポートの研究によって大きく発展しました。
そのため、彼は現代の特性論の出発点を築いた人物として位置づけられています。
『Personality: A Psychological Interpretation』で特性論を体系化
1937年(昭和12年)、オールポートは代表的な著書
『Personality: A Psychological Interpretation(人格 ― 心理学的解釈)』
を出版しました。
この本は、現在でもパーソナリティ心理学の古典的名著として高く評価されています。
当時は、
「性格とは何なのか。」
について統一された考え方がまだありませんでした。
そこでオールポートは、性格を単純な「タイプ」に分類するのではなく、
比較的安定して現れる行動・考え方・感情の傾向(特性)によって理解するという、新しい考え方を体系的に示しました。
この考え方が、後に発展していく性格の特性論の土台となりました。
オールポートが考えた「3つの特性」
オールポートは、人の性格特性には重要さの違いがあると考え、特性を次の3種類に分類しました。
基本特性(Cardinal Traitsカーディナル・トレイツ)
人生全体に大きな影響を与えるほど非常に強い特性です。
この特性を持つ人は多くありませんが、その人を象徴する特徴となることがあります。
例えば、生涯を通して平和活動に尽くした人物が「平和を愛する人」として知られるような場合です。
中心特性(Central Traitsセントラル・トレイツ)
その人らしさを表す中心的な特性です。
例えば、
- 社交的
- 誠実
- 優しい
- 慎重
- 好奇心が強い
など、普段私たちが人柄を説明するときによく使う特徴がこれにあたります。
現在のパーソナリティ心理学でも、最も重視される特性です。
副次特性(Secondary Traitsセカンダリー・トレイツ)
特定の状況だけで表れやすい特性です。
例えば、
- 人前では緊張する
- 辛い食べ物が好き
- 初対面では静かになる
など、場面によって変化しやすい特徴を指します。
オールポートは、このように性格には重要度の異なる複数の特性が存在すると考えました。
「一人ひとりの個性」を大切にした心理学者
オールポートの考え方で特に重要なのは、人を平均や数値だけで判断しようとしなかったことです。
当時の心理学では、多くの人の共通点を調べる研究が中心でした。
しかしオールポートは、
「一人ひとりには、その人だけの個性がある。」
と考え、統計だけでは説明できない個人の違いを理解することも心理学には欠かせないと主張しました。
つまり、
「人を分類すること」ではなく、
「その人らしさを理解すること」
こそが、性格研究の本当の目的だと考えていたのです。
この考え方は、現在のパーソナリティ心理学にも受け継がれています。
約18,000語の「性格を表す言葉」を集めた研究
オールポートは、1936年(昭和11年)に、アメリカの心理学者ヘンリー・セバスチャン・オドバート(Henry Sebastian Odbert)と共同で、有名な研究を発表しました。
二人は英語辞典を詳しく調べ、
約17,953語(約18,000語)もの性格や人格を表す言葉を集めました。
この研究は、
「人にとって重要な性格の特徴ほど、日常の言葉の中に表現されている」
という語彙仮説(Lexical Hypothesis)にもとづいて行われたものです。
つまり、
「もし人の性格にとって本当に大切な特徴であれば、人々は昔からそれを言葉として使っているはずだ。」
という発想でした。
この膨大な語彙の整理は、その後の性格研究にとって非常に重要な資料となります。
キャッテル、ゴールドバーグ、ビッグファイブへ受け継がれた研究
オールポートとオドバートが集めた約18,000語は、その後、多くの心理学者によって研究が引き継がれました。
まず、レイモンド・キャッテルが統計学の因子分析を用いて膨大な性格語を整理し、性格を少数の基本的な因子へまとめようとしました。
因子分析とは、多くの性格の特徴の中から、「いつも一緒に現れやすい特徴」を統計学によって見つけ出し、共通する性格特性としてまとめる分析方法です。キャッテルはこの手法を用いることで、膨大な性格を表す言葉を科学的に整理しようとしました。
さらに、ルイス・ゴールドバーグは多くの研究結果を整理し、「ビッグファイブ」という名称を広く普及させます。
そして、ポール・コスタとロバート・マクレーが、ビッグファイブを現在世界中で広く使われる理論・測定法へと発展させました。
つまり、オールポートの研究は、一人で完成したものではありません。
しかし、
「性格を特性として理解する」という出発点を築き、その後の研究の土台を用意した人物だったのです。
なぜ『オールポート』は「性格特性論の出発点」と呼ばれるのか
現在のビッグファイブは、多くの心理学者が何十年にもわたって研究を積み重ねた成果です。
その長い歴史の最初に立っていた人物こそ、ゴードン・オールポートでした。
彼は、
- 性格を**「特性」の組み合わせ**として理解する考え方を体系化したこと
- 一人ひとりの個性を尊重する視点を示したこと
- 約18,000語もの性格語を整理する研究の土台を築いたこと
によって、現代の特性論、そしてビッグファイブ研究の出発点を築きました。
だからこそオールポートは、「現代の性格特性論の土台を築いた心理学者」として、現在でも世界中の心理学で高く評価され続けているのです。
7. 『レイモンド・キャッテル』 特性論を統計学で発展させた心理学者
レイモンド・バーナード・キャッテル(Raymond Bernard Cattell)は、1905年(明治38年)3月20日にイギリスで生まれ、1998年(平成10年)2月2日に亡くなった心理学者です。
キャッテルは、性格の特性論を語るうえで、とても重要な人物です。
なぜなら、オールポートが示した「人の性格は特性から理解できる」という考え方を、統計学を使ってより科学的に整理しようとした心理学者だからです。
オールポートが特性論の土台を築いた人物だとすれば、キャッテルはその土台の上に、「データで性格を調べる方法」を本格的に取り入れた人物だと言えるでしょう。
キャッテルが特に重視したのが、因子分析という統計学の方法です。
因子分析とは、たくさんのデータの中から、互いに関係し合っている特徴を見つけ出し、その背後にある共通したまとまりを探す方法です。

たとえば、
「社交的」
「話し好き」
「人と一緒にいると元気になる」
という特徴は、別々の言葉です。
しかし、多くの人を調べると、これらの特徴は同じ人に一緒に見られやすいことがあります。
その場合、背後には「人と関わることを好む傾向」のような共通した性格特性があるのではないか、と考えることができます。
キャッテルは、このような分析方法を使い、数多くある性格を表す言葉を整理しようとしました。
ここで注意したいのは、キャッテルがオールポートとオドバートの集めた約18,000語をそのまますべて分析したわけではないという点です。
実際には、膨大な性格語を整理し、重複や似た意味の言葉を減らしながら、分析しやすい形へまとめていきました。
そして、代表的な性格語をもとに因子分析を行い、人の性格をより少数の基本的な特性で説明しようとしたのです。
この研究の流れの中で、キャッテルは人の性格を16の主要な因子でとらえる「16因子論」を提唱しました。
代表的な研究として、1943年(昭和18年)の論文「The Description of Personality」などが知られています。
そして、この考え方をもとに発展した性格検査が、1949年(昭和24年)に初版が公開された16PF、つまり「16 Personality Factor Questionnaireシックスティーン・パーソナリティ・ファクター・クエスチョネア)」です。
日本語では「16因子性格質問票(16PF)」と呼ばれることが多く、レイモンド・キャッテルが開発した代表的な性格検査の一つです。
16PFは、人を16種類のタイプに分ける検査ではありません。
その人が、16の基本的な性格特性をそれぞれどの程度持っているのかを測定しようとする性格検査です。
つまり、キャッテルの考え方でも重要なのは、
「あなたはこのタイプです」
と決めることではなく、
「この人には、どのような特性がどのくらい見られるのか」
を調べることでした。
ここは、特性論を理解するうえでとても大切なポイントです。
キャッテルの大きな功績は、性格という目に見えないものを、印象や直感だけで語るのではなく、データと統計によって研究しようとしたことにあります。
「明るい」
「慎重」
「責任感がある」
「不安を感じやすい」
このような性格の特徴を、ただ言葉として並べるだけではなく、どの特徴が互いに関係しているのかを調べ、性格の構造を明らかにしようとしました。
この姿勢は、その後のパーソナリティ心理学に大きな影響を与えました。
また、キャッテルは性格研究だけでなく、知能研究でも知られています。
特に、流動性知能と結晶性知能という考え方に関わった人物としても有名です。
流動性知能とは、新しい問題をその場で考えて解く力に関わる知能です。
結晶性知能とは、学習や経験によって蓄積された知識や言語能力に関わる知能です。
ただし、今回の記事で特に重要なのは、キャッテルが「人の違いを科学的に調べる」ことを重視した心理学者だったという点です。
彼は、性格や知能といった人間の特徴を、できるだけ客観的なデータから理解しようとしました。
では、キャッテルの研究はビッグファイブにどのようにつながったのでしょうか。
キャッテル自身が、現在一般的に知られているビッグファイブを完成させたわけではありません。
しかし、因子分析を使って性格特性を整理しようとした彼の研究は、その後のビッグファイブ研究に大きな道を開きました。
オールポートが、
「性格は特性で理解できる」
という考え方を示したとすれば、
キャッテルは、
「その特性を、データと統計で整理できるのではないか」
と考えた人物です。
この流れがあったからこそ、後の研究者たちは、性格をさらに大きなまとまりとして整理し、ビッグファイブへと発展させていくことができました。
つまりキャッテルは、特性論を「考え方」から「測定できる研究」へ近づけた心理学者です。
オールポートが性格研究の設計図を描いた人物なら、キャッテルはそこに統計学という道具を持ち込み、性格研究をより科学的な方向へ前進させた人物だと言えるでしょう。
次の章では、キャッテルとはまた違った視点から、性格をより少ない大きな因子で説明しようとした心理学者、ハンス・アイゼンクについて見ていきましょう。
8. 『ハンス・アイゼンク』 性格を少数の大きな因子で説明しようとした心理学者
ハンス・ユルゲン・アイゼンク(Hans Jürgen Eysenck)は、1916年(大正5年)3月4日にドイツ・ベルリンで生まれ、1997年(平成9年)9月4日に亡くなった心理学者です。
ドイツで生まれたアイゼンクは、その後イギリスへ移り、ロンドン大学精神医学研究所などで長年研究を行いました。
アイゼンクは、20世紀のパーソナリティ心理学に大きな影響を与えた人物の一人です。
ただし、人物としては非常に影響力が大きい一方で、心理学史上、研究や主張をめぐって議論を呼んだ人物でもあります。
この記事では、その中でも特に「性格の特性論」に関わる功績に焦点を当てて見ていきます。

アイゼンクは何を考えたのでしょうか?
オールポートは、人の性格を「特性」の組み合わせとして理解する道を開きました。
キャッテルは、その特性を因子分析によって整理し、16因子論へと発展させました。
しかしアイゼンクは、さらに別の問いを投げかけます。
「人の性格は、もっと少ない基本的な特性で説明できるのではないか。」
この問いが、アイゼンクの研究を理解するうえで大切な出発点です。
つまりアイゼンクは、性格を細かくたくさんに分けるよりも、もっと大きな軸で整理しようとした心理学者でした。
三因子理論 PENモデルとは?
アイゼンクは、人の性格を主に3つの大きな特性で説明しようとしました。
この理論は、3つの英語の頭文字を取って、PENモデルと呼ばれます。
Pは、Psychoticism。
Eは、Extraversion。
Nは、Neuroticism。
日本語では、それぞれ次のように説明されます。
精神病質傾向
外向性
神経症傾向
この3つを中心に、人の性格を大きな次元として理解しようとしたのがアイゼンクの三因子理論です。
外向性とは?
外向性とは、人との関わりや活動的な行動をどのくらい好むかに関わる特性です。
外向性が高い人は、人と交流することを楽しみやすく、にぎやかな場面で元気になりやすい傾向があります。
一方で、外向性が低い人は、一人で静かに過ごす時間や、落ち着いた環境を好みやすい傾向があります。
ここで大切なのは、外向性が低いことは「人付き合いが苦手」という意味ではないことです。
一人で考える時間を大切にする人や、少人数で深い関係を築く人もいます。
神経症傾向とは?
神経症傾向とは、不安や緊張、ストレスをどのくらい感じやすいかに関わる特性です。
神経症傾向が高い人は、感情が揺れ動きやすかったり、心配事を感じやすかったりする傾向があります。
一方で、神経症傾向が低い人は、比較的落ち着いて物事を受け止めやすい傾向があります。
ただし、ここでいう神経症傾向は、病気そのものを意味する言葉ではありません。
心理学では、感情の安定性や不安の感じやすさに関わる性格特性として使われています。
精神病質傾向とは?
精神病質傾向という言葉は、初めて聞くと少し怖く感じるかもしれません。
しかし、ここでいう精神病質傾向は、「精神病である」という意味ではありません。
アイゼンクの理論では、他人に流されにくいこと、社会的な規範にとらわれにくいこと、衝動性、冷淡さ、独創性などに関係する特性として考えられました。
ただし、この特性は名称も内容も誤解されやすく、現在では扱いに注意が必要な概念です。
つまり、ここでいう精神病質傾向は、「精神病である」という意味ではありません。アイゼンクが、人の性格を説明するために考えた一つの性格特性として捉えると分かりやすいでしょう。
アイゼンクは生物学的な違いにも注目した
アイゼンクの研究で特徴的なのは、性格を心の中だけで説明しようとしなかったことです。
彼は、性格には脳や神経の働き方、生物学的な違いも関係しているのではないかと考えました。
たとえば、外向性と内向性の違いについて、アイゼンクは脳の覚醒水準の違いが関係している可能性を考えました。
ここでいう覚醒水準とは、頭や神経がどれくらい刺激に反応しやすい状態にあるか、というイメージです。
アイゼンクは、内向的な人はもともと刺激に反応しやすいため、静かな環境を好みやすいのではないかと考えました。
一方で、外向的な人は刺激を求めやすく、人との交流やにぎやかな環境を好みやすいのではないかと説明しました。
もちろん、現在の研究では、性格は脳だけで決まるものではなく、遺伝、環境、経験、文化など多くの要因が関わると考えられています。
それでも、性格を脳や生物学と結びつけて考えようとしたアイゼンクの視点は、後のパーソナリティ研究に大きな影響を与えました。
キャッテルとの違い
ここで、キャッテルとの違いを整理しておきましょう。
キャッテルは、性格を詳しく測定するために、16の基本的な因子を提唱しました。
つまり、性格を細かく整理しようとした人物です。
一方でアイゼンクは、性格をもっと少ない基本的な次元で説明しようとしました。
つまり、性格を大きな軸で整理しようとした人物です。
同じ因子分析を用いた研究でも、
キャッテルは「詳しく見る」方向へ。
アイゼンクは「大きくまとめる」方向へ。
それぞれ違った視点から、性格研究を発展させたのです。
ビッグファイブとの関係
アイゼンクの三因子理論は、現在のビッグファイブと同じ理論ではありません。
しかし、ビッグファイブに含まれる外向性と神経症傾向は、アイゼンクの理論でも中心的な特性として扱われていました。
この点からも、アイゼンクの研究がその後の性格研究に与えた影響の大きさが分かります。
一方で、ビッグファイブでは、外向性と神経症傾向に加えて、
開放性
誠実性
協調性
も重要な特性として扱われます。
つまり、後の研究では、アイゼンクの3つの次元だけでは人の性格を十分に説明しきれない部分があると考えられ、より広い5つの特性へと整理されていったのです。
アイゼンクは、なぜ重要なのか?
アイゼンクは、性格の特性論に対して大きく二つの重要な視点を残しました。
一つは、
「性格は、少数の基本的な次元で整理できるのではないか」
という視点です。
もう一つは、
「性格には、脳や生物学的な違いも関係しているのではないか」
という視点です。
この二つの視点は、現在のパーソナリティ心理学にもつながる大切な考え方です。
もちろん、アイゼンクの研究や主張には、後の時代に多くの議論や批判もあります。
しかし、性格を大きな構造として捉え、生物学的な基盤まで考えようとした点で、彼が特性論の歴史に与えた影響は非常に大きいものがあります。
オールポートが「特性」という考え方を整理し、
キャッテルがそれを統計学で測定しようとし、
アイゼンクはさらに、
「性格を少数の大きな次元で説明できないか」
と問い直しました。
この流れによって、性格研究は少しずつ現在のビッグファイブへ近づいていきます。
次の章では、いよいよ「ビッグファイブ」という名前を広く知られるものにした心理学者、ルイス・ゴールドバーグについて見ていきましょう。
9. 『ルイス・ゴールドバーグ』「ビッグファイブ」という名前を広めた心理学者
ここまで見てきたように、オールポートは「特性」という考え方を体系化し、キャッテルは因子分析によって性格を科学的に整理し、アイゼンクは少数の大きな特性で性格を説明しようとしました。
では、現在では世界中で知られている「ビッグファイブ」という名前は、どのように広まっていったのでしょうか。
その流れを理解するうえで欠かせない人物の一人が、ルイス・R・ゴールドバーグです。
ルイス・リチャード・ゴールドバーグ(Lewis Richard Goldberg)は、1932年(昭和7年)12月30日に生まれたアメリカの心理学者です。
パーソナリティ心理学や心理測定の研究で知られ、特にビッグファイブ研究の発展に大きく貢献しました。
ゴールドバーグが重要なのは、「ビッグファイブを一人で作ったから」ではありません。
むしろ大切なのは、彼がそれまで積み重ねられてきた語彙研究や因子分析の流れを受け継ぎ、性格を五つの大きな特性で説明する考え方を強く支持し、「Big Five」という名称の普及に大きく貢献したことです。

ここを間違えないことが、とても大切です。
ビッグファイブは、誰か一人が突然発明した理論ではありません。
多くの研究者が長い時間をかけて積み重ねてきた研究の中から、少しずつ形づくられてきたモデルです。
ゴールドバーグは、その流れの中で、五因子構造をより分かりやすく、多くの研究者が共有できる形で示した人物だといえます。
ゴールドバーグの研究を理解するうえで欠かせないのが、語彙仮説です。
語彙仮説とは、
「人にとって重要な性格の違いほど、日常の言葉の中に表れているはずだ」
という考え方です。
たとえば、
親切
誠実
社交的
慎重
心配性
といった言葉は、私たちが人の性格を説明するときによく使います。
こうした言葉が長く使われ続けてきたのは、人間関係の中でその違いが大切だと考えられてきたからかもしれません。
この考え方の流れは、1936年(昭和11年)にオールポートとオドバートが行った、約18,000語の性格語を集めた研究にもつながっています。
ゴールドバーグは、こうした語彙研究の伝統を受け継ぎ、性格を表す言葉を分析することで、人の性格には五つの大きなまとまりが見られるという考え方を発展させていきました。
特に重要な研究として、1990年(平成2年)の論文
『An Alternative “Description of Personality”: The Big-Five Factor Structure』アン・オルタナティブ・ディスクリプション・オブ・パーソナリティ:ザ・ビッグ・ファイブ・ファクター・ストラクチャー
意味:「人格についての別の記述―ビッグファイブ因子構造」
があります。
この論文では、性格を五つの大きな因子で説明する「Big-Five Factor Structure」(ビッグ・ファイブ・ファクター・ストラクチャー)
日本語では「ビッグファイブ因子構造」と訳され、人の性格は5つの大きな性格因子によって説明できるという考え方を指します。について論じられました。
また、1993年(平成5年)の論文
『The Structure of Phenotypic Personality Traits』ザ・ストラクチャー・オブ・フェノティピック・パーソナリティ・トレイツ
意味:「表現型における性格特性の構造」
も、ゴールドバーグの代表的な研究として知られています。
この論文では、性格特性の構造について、これまでの研究の流れを踏まえながら、五因子構造の重要性が論じられました。
ここでいう「Phenotypic Personality Traits」とは、簡単に言えば、実際に観察されたり、質問紙で測定されたりする性格の表れ方を指します。
つまりゴールドバーグは、人の性格を抽象的なイメージだけで考えたのではなく、実際に使われる言葉や測定データから、性格の構造を探ろうとしたのです。
また、ゴールドバーグの大きな貢献として、IPIPがあります。
IPIPとは、International Personality Item Pool(インターナショナル・パーソナリティ・アイテム・プール)の略です。
性格を測定するための質問項目を、多くの研究者が自由に利用・研究しやすい形で公開している国際的な取り組みです。
これは、ビッグファイブ研究や性格測定の発展にとって非常に重要でした。
なぜなら、研究者が同じような性格特性を測定し、比較しやすくなることで、世界中でパーソナリティ研究が進めやすくなったからです。
ゴールドバーグは、ビッグファイブという考え方を広めただけでなく、研究者が実際に性格を調べるための土台づくりにも大きく関わったのです。
ここで、よく混同されやすいポイントを整理しておきましょう。
ゴールドバーグと、次に紹介するポール・コスタ、ロバート・マクレーは、どちらもビッグファイブ研究にとって非常に重要な人物です。
しかし、役割は少し違います。
ゴールドバーグは、語彙研究の流れを受け継ぎ、五因子構造を支持し、「Big Five」という名称の普及や、公開された測定項目の整備に大きく貢献しました。
一方で、コスタとマクレーは、五因子モデルを理論としてさらに体系化し、NEO人格検査などを通して、研究や実践で利用しやすい測定法へと発展させました。
つまり、
ゴールドバーグは、ビッグファイブを研究者たちが共有しやすい「名前」と「土台」として広めた人物。
コスタとマクレーは、それを理論や検査としてより使いやすい形へ整えた人物。
このように考えると分かりやすいでしょう。
ゴールドバーグは、ビッグファイブを一人で作った人物ではありません。
しかし、五因子構造がパーソナリティ心理学の中で広く認識されるうえで、非常に大きな役割を果たしました。
オールポートが性格を表す言葉に注目し、
キャッテルが統計学で性格特性を整理し、
アイゼンクが少数の大きな因子で性格を考え、
そしてゴールドバーグが、五因子構造を「Big Five」という分かりやすい名前とともに広く知られるものにしていきました。
だからこそ、ルイス・ゴールドバーグは、ビッグファイブ研究の歴史を語るうえで欠かせない心理学者なのです。
次の章では、そのビッグファイブをさらに理論として整理し、世界中で使われる性格検査へと発展させた、ポール・コスタとロバート・マクレーについて見ていきましょう。
10. ポール・コスタ&ロバート・マクレー
ビッグファイブを「世界で使われる理論」へ発展させた心理学者
ここまで紹介してきた心理学者たちによって、性格を「特性」の組み合わせで理解するという考え方は少しずつ形になってきました。
では、その研究はどのようにして、現在私たちが知るビッグファイブ(五因子モデル)へと発展していったのでしょうか。
その重要な役割を担ったのが、
ポール・T・コスタ・ジュニア(Paul T. Costa Jr.)
(1942年4月28日生まれ)
と、
ロバート・R・マクレー(Robert R. McCrae)
(1949年5月28日生まれ)
です。
二人は、アメリカのNational Institute on Aging(アメリカ国立老化研究所)を中心に長年共同研究を行い、ビッグファイブを理論と測定法の両面から発展・体系化した心理学者として世界的に知られています。
「ビッグファイブ」を実際に測れる理論へ
オールポートは「人には特性がある」という考え方を体系的に示しました。
キャッテルは因子分析を用いて性格を科学的に整理しようとしました。
アイゼンクは、少ない基本的な因子で性格を説明できる可能性を示しました。
ゴールドバーグは、多くの研究成果を整理し、「ビッグファイブ」という名称を広く普及させました。
そしてコスタとマクレーは、それまで積み重ねられてきた研究成果をもとに、
「五因子モデル(Five-Factor Model:ファイブ・ファクター・モデル)」
として理論をさらに整理し、実際の研究や臨床、教育などで利用しやすい形へ発展させました。
つまり、
ビッグファイブは、この二人によって「名前のある理論」から、「世界中で共通して測定・比較できる理論」へと大きく前進したのです。

NEO性格検査の開発
コスタとマクレーは、ビッグファイブを測定するための代表的な質問紙として、
NEO Personality Inventory(NEO-PI:ネオ・パーソナリティ・インベントリー)
を開発しました。
その後、
NEO PI-R(ネオ・ピーアイ・アール)
や、
NEO-PI-3(ネオ・ピーアイ・スリー)
へと改良が重ねられ、現在でも世界中の心理学研究や教育、医療、産業・組織心理学など幅広い分野で利用されています。
これらの検査では、
- 開放性(Openness)
- 誠実性(Conscientiousness)
- 外向性(Extraversion)
- 協調性(Agreeableness)
- 神経症傾向(Neuroticism)
という5つの性格特性だけでなく、それぞれをさらに細かく分析する下位特性(ファセット)も測定できるよう設計されています。
そのため、一人ひとりの性格をより立体的に理解することが可能になりました。
世界中で研究される理由
コスタとマクレーは、
「この5つの特性は、文化や年齢、性別が異なっても比較的共通して見られる基本的な性格特性ではないか」
という考えを、多くの研究によって検証しました。
その後も世界各国で研究が進められ、多くの文化圏でビッグファイブに近い構造が確認されています。
もちろん、文化や環境によって性格の表れ方には違いがあります。
しかし、
「人の性格を5つの大きな特性で理解する」という考え方は、多くの研究で支持され、現代の性格心理学における代表的なモデルとなっています。
なぜコスタ&マクレーは重要なのか
コスタとマクレーは、ビッグファイブを最初に考え出した心理学者ではありません。
しかし、
ビッグファイブを世界中で共通して研究・活用できる理論と測定法へ発展させた中心人物として、心理学史に大きな足跡を残しました。
もし二人の研究がなければ、ビッグファイブは現在のように教育、医療、企業、研究など幅広い分野で利用される理論にはならなかったかもしれません。
まさに、
「ビッグファイブを世界標準の性格モデルへ育て上げた心理学者」
それが、ポール・コスタとロバート・マクレーなのです。
こうして、
オールポートが特性論の土台を築き、
キャッテルが統計学によって性格を整理し、
アイゼンクが少数の基本因子という考え方を示し、
ゴールドバーグが「ビッグファイブ」という名称を広め、
コスタとマクレーが世界中で利用できる理論と測定法へ発展させました。
では、この5人の研究は、どのようにつながり、現在の性格心理学へ受け継がれているのでしょうか。
次の章では、この5人がつないできた研究のバトンを振り返りながら、性格の特性論がどのように現在のビッグファイブへと発展していったのかを見ていきましょう。
11. 5人の研究はどのようにつながったのか?
性格の特性論は「歴史のリレー」で発展した
ここまで、性格の特性論の発展に大きく貢献した5人の心理学者を紹介してきました。
それぞれの人物を見ていると、
「まったく違う研究をしていた人たち」
のように感じたかもしれません。
しかし、実際にはそうではありません。
5人は互いに競い合っていたというよりも、
前の研究を受け継ぎながら、新しい発見を加え、次の世代へと研究のバトンを渡してきた心理学者たちだったのです。
まるで駅伝の選手が一本のたすきをつないでいくように、性格研究も少しずつ発展してきました。

まず最初に、
ゴードン・オールポートが、
「人の性格は、一つのタイプではなく、多くの特性(Trait/トレイト)の組み合わせで理解できる」
という考え方を体系的にまとめました。
そして、
レイモンド・キャッテルは、その考え方をさらに発展させます。
オールポートが集めた膨大な性格語を統計学の因子分析(Factor Analysis/ファクター・アナリシス)によって整理し、性格を科学的に測定できる可能性を示しました。
さらに、
ハンス・アイゼンクは、
「人の性格は、もっと少ない基本的な因子でも説明できるのではないか」
という新しい視点を提示しました。
三因子理論はビッグファイブとは異なりますが、「性格には基本となる共通の構造がある」という考え方をさらに発展させるきっかけとなり、その後の特性研究にも大きな影響を与えました。
その後、
ルイス・ゴールドバーグは、多くの研究成果を整理し、それまで研究者ごとに異なっていた性格特性の研究を比較しやすくするために、
「ビッグファイブ(Big Five)」
という名称を広く普及させました。
この呼び名が広まったことで、世界中の研究者が共通の言葉で性格研究について議論できるようになりました。
そして最後に、
ポール・コスタとロバート・マクレーは、それまで積み重ねられてきた研究成果を基に、
五因子モデル(Five-Factor Model:ファイブ・ファクター・モデル)
を理論と測定法の両面から体系化しました。
さらに、
NEO Personality Inventory(NEO-PI:ネオ・パーソナリティ・インベントリー)
をはじめとする性格検査を開発・改良し、ビッグファイブを世界中の研究や教育、医療、産業・組織心理学などで活用できる実践的なモデルへと発展させました。
このように振り返ると、
5人は同じことを繰り返し研究していたわけではありません。
それぞれが異なる役割を担いながら、一つの大きな研究を完成へと近づけていったのです。
もし、
オールポートが「特性」という考え方を整理していなければ、
キャッテルの研究は生まれなかったかもしれません。
キャッテルが因子分析を取り入れていなければ、
アイゼンクやゴールドバーグの研究は違った形になっていたかもしれません。
そして、
コスタとマクレーが理論と測定法を整えなければ、
現在のように世界中でビッグファイブが利用されることもなかったでしょう。
つまり、
現在私たちが当たり前のように耳にするビッグファイブは、
一人の天才が突然思いついた理論ではなく、約70年以上にわたって多くの心理学者が研究のバトンをつなぎ続けた結果、生まれた心理学の到達点の一つなのです。
だからこそ、
心理学では、
「誰が一番偉いのか。」
という見方は、あまりしません。
それよりも、
「誰がどの役割を担い、どのように次の研究へつないだのか。」
を知ることが、性格の特性論を理解する一番の近道なのです。
ここまで読むと、
性格の特性論は単なる「性格診断の理論」ではなく、多くの研究者が長い年月をかけて築き上げてきた科学的な研究の積み重ねであることが見えてきたのではないでしょうか。
では、この長い研究の歴史は、現代の心理学や私たちの生活にどのような影響を与えているのでしょうか。
次の章では、性格の特性論が現代心理学に与えた影響について、具体例を交えながらわかりやすく見ていきましょう。
12. 性格の特性論が現代心理学に与えた影響
「性格は測れない」から「科学的に研究できる」へ
ここまで見てきたように、性格の特性論は、多くの心理学者が長い年月をかけて築き上げてきた研究の積み重ねです。
では、その研究は現代の心理学にどのような影響を与えたのでしょうか。
その答えを一言で表すなら、
「性格を科学的に研究できるようになったこと」
です。
かつて、性格は
「明るい人」
「優しい人」
「真面目な人」
など、日常的な言葉で語られることがほとんどでした。
しかし、それだけでは、
「どれくらい真面目なのか。」
「人と比べてどの程度外向的なのか。」
「本当に性格と健康や仕事には関係があるのか。」
といった疑問を客観的に調べることはできません。
そこで特性論では、人の性格を複数の特性として整理し、それぞれの特徴を質問紙などによって測定できるようにしました。
その結果、性格は「なんとなく語るもの」ではなく、統計学を用いて分析し、科学的に検証できる研究対象へと大きく変わっていったのです。
心理学のさまざまな分野へ広がった特性論
現在では、特性論やビッグファイブは、性格心理学だけで使われている理論ではありません。
さまざまな心理学の分野で基礎となる考え方として活用されています。
例えば、
健康心理学では、
誠実性が高い人ほど、健康的な生活習慣を続けやすい傾向があるのか。
神経症傾向が高い人は、ストレスをどのように感じやすいのか。
といった研究が行われています。
教育心理学では、
子どもの性格特性と学習方法との関係について研究が進められています。
産業・組織心理学では、
職場での協力やリーダーシップ、仕事への適応などを理解するための参考として利用されています。
さらに、
発達心理学では、
子どもから高齢者まで、性格が人生の中でどのように変化し、どのような特徴が比較的安定しているのかが研究されています。
このように、特性論は一つの理論にとどまらず、多くの心理学分野をつなぐ「共通言語」のような存在になっているのです。
現在も研究は続いている
もちろん、ビッグファイブですべての性格を完全に説明できるわけではありません。
心理学者たちは今も、
「5つで十分なのか。」
「文化が違えば性格の構造も変わるのではないか。」
「人生経験によって特性はどれくらい変化するのか。」
「遺伝と環境は、それぞれどのように性格へ影響するのか。」
といった新しい疑問に向き合い続けています。
近年では、脳科学や遺伝学、コンピューターによるデータ解析なども取り入れられ、性格研究は今なお発展を続けています。
つまり、特性論は「完成して終わった理論」ではなく、現在も進化し続けている研究分野なのです。
特性論が教えてくれた、本当に大切なこと
ここまで紹介してきた5人の心理学者には、それぞれ異なる研究テーマがありました。
しかし、その根底には共通する思いがあります。
それは、
「人を決めつけるためではなく、人を理解するために性格を研究する」
という姿勢です。
特性論は、
「あなたは○○タイプだから、こういう人だ。」
と決めるための理論ではありません。
一人ひとりが持つさまざまな特性を理解し、
その人らしさをより深く知るための手がかりです。
この考え方は、オールポートが特性論の土台を築いてから約100年が経った今でも、世界中の心理学者に受け継がれています。
だからこそ、特性論は現在でも心理学を代表する考え方の一つとして、多くの研究者に支持され続けているのです。
ここまで、性格の特性論を築いた5人の心理学者と、その研究が現代心理学へ与えた影響について見てきました。
こうして振り返ると、特性論は単なる「性格を分類する理論」ではなく、人をより深く理解するために、多くの研究者が長い年月をかけて育ててきた心理学であることが分かります。
そして、この研究の歴史を知ると、多くの人が次のような疑問を持つのではないでしょうか。
「ビッグファイブで表される性格は、生まれたときから一生変わらないのだろうか。」
実は、この疑問も現在の心理学で盛んに研究されているテーマの一つです。
そこで次は、おまけコラムとして、「性格は一生変わらないのか?」という、多くの人が気になるテーマについて、最新の心理学の考え方を交えながら、わかりやすく見ていきましょう。
13. おまけコラム
ビッグファイブは一生変わらないの?
ここまで読んで、
こんな疑問を持った方もいるかもしれません。
「ビッグファイブは、生まれたときからずっと同じなのでしょうか。」
実は、その答えは
「変わる部分もあれば、変わりにくい部分もある」
です。

心理学では、性格特性(Trait/トレイト)は比較的安定していると考えられています。
つまり、一日や一週間で大きく変わるものではありません。
しかし、それは
「一生まったく変わらない」
という意味ではありません。
世界各国で行われた長期間の研究では、
年齢を重ねたり、人生経験を積んだりすることで、性格特性が少しずつ変化することがあると報告されています。
例えば、
学生から社会人になる。
結婚する。
子どもが生まれる。
新しい仕事に挑戦する。
こうした人生の出来事を経験すると、
責任感(誠実性)が高まったり、
感情が以前より安定したりする人もいます。
もちろん、すべての人が同じように変化するわけではありません。
変化の大きさや方向は、一人ひとり異なります。
つまり、
ビッグファイブは
「あなたを決めつけるラベル」
ではなく、
「今のあなたらしさを知るための地図」
のようなものなのです。
だからこそ、
心理学者たちは、
性格を測定するだけではなく、
「人はどのように成長し、どのように変化していくのか。」
という研究を、現在も世界中で続けています。
もしかすると数年後、
今のあなたをもう一度測ってみると、
少し違う結果になっているかもしれません。
それは、
あなたが成長し、新しい経験を積み重ねてきた証なのです。
ここまで、性格の特性論を築いた5人の心理学者の歩みをたどり、その研究が現代心理学へどのようにつながっているのかを見てきました。
さらに、おまけコラムでは、「性格は一生変わらないのか」という、多くの人が抱く疑問についても考えてきました。
こうして振り返ると、特性論は単に人を「分類するため」の理論ではなく、一人ひとりの個性を科学的に理解し、その人らしさを尊重するために発展してきた心理学であることが見えてきます。
では最後に、今回紹介した5人の心理学者が私たちに残してくれた大切な考え方を振り返りながら、本記事の内容をまとめていきましょう。
14. まとめ・考察
ここまで、性格の特性論を築いた5人の心理学者と、その研究が現代のビッグファイブへとつながるまでの歴史を見てきました。
この記事を通して、私が最も印象に残ったことがあります。
それは、
心理学は、「人を分類する学問」ではなく、「人を理解する学問」であるということです。

私たちは普段、
「あの人は明るい人。」
「あの人は内向的な人。」
「あの人は真面目な人。」
というように、一つの言葉だけで人を表してしまうことがあります。
しかし、オールポートからコスタ&マクレーへと受け継がれてきた研究は、そのような単純な見方とは少し違いました。
人は、一つの言葉だけでは表せません。
外向的な面もあれば、慎重な面もある。
好奇心が強い日もあれば、不安になる日もある。
さまざまな特性が重なり合って、その人だけの個性が生まれているのです。
だからこそ、特性論は、
「あなたは○○タイプだから、こういう人です。」
と決めつけるための理論ではありません。
「その人らしさ」を理解するための地図なのです。
そして、この記事を読みながら、私はもう一つ感じたことがあります。
今回紹介した5人の心理学者も、それぞれ違う考え方を持っていました。
それでも互いの研究を否定するのではなく、前の研究を受け継ぎ、新しい発見を積み重ねながら、少しずつ現在の特性論を築いてきました。
つまり、心理学の歴史そのものが、
「違いを認め合いながら発展してきた歴史」
だったとも言えるのではないでしょうか。
私たちの人間関係も、それと少し似ているのかもしれません。
人はみんな違います。
だからこそ、お互いを理解しようとすることで、新しい発見や成長が生まれます。
これは心理学だけでなく、学校や職場、家庭、友人との関係など、私たちの日常にも通じる大切な考え方ではないでしょうか。
このような経験はありませんか?
最初は、
「どうしてこの人は自分と考え方が違うのだろう。」
と思っていた相手でも、
その人の性格や価値観を少し理解できた瞬間に、
「そういう考え方もあるんだ。」
と見方が変わった経験はありませんか。
あるいは、
「自分は内向的だから向いていない。」
と思っていたことが、
実は慎重さや責任感という長所につながっていることに気付いた経験がある人もいるかもしれません。
特性論を知ることは、人をラベルで判断することではなく、
人それぞれの違いを理解するための新しい視点を持つことなのです。
あなたなら、この考え方をどう生かしますか?
もし明日から、
「この人はどんなタイプだろう。」
ではなく、
「この人には、どんな特性があるのだろう。」
という視点で周りの人を見てみたら、
これまで気付かなかった相手の良さや、自分自身の新しい一面が見えてくるかもしれません。
心理学は、答えを決める学問ではありません。
問いを持ち、人を理解し続ける学問です。
そして、性格の特性論は、その第一歩として、私たちに「人を見る新しい視点」を教えてくれています。
さて、この記事の始まりで、ケンタくんは、
「ビッグファイブを作った人は、一体誰なんだろう。」
という疑問を抱いていました。
長い研究の歴史を知った今、その疑問に対して、ケンタくんはどのような答えにたどり着いたのでしょうか。
最後に、物語の主人公と一緒に、その答えを見届けてみましょう。
15. 疑問が解決した物語
数日後。
ケンタくんは、もう一度図書館を訪れました。
最初に読んだ心理学の本を手に取り、静かにページをめくります。
ある本には、
「特性論はオールポート。」
別の本には、
「ビッグファイブはゴールドバーグ。」
さらに、
「コスタとマクレー。」
「キャッテル。」
「アイゼンク。」
以前は、その違いを見るたびに、
「どうして本によって書いてあることが違うんだろう。」
と首をかしげていました。
でも今日は、不思議と迷いません。
ケンタくんは、小さくほほえみながらつぶやきました。
「そうか……。」
「どの本も間違っていたわけじゃなかったんだ。」
「みんな、それぞれ違う役割を果たしていたんだね。」
一人がすべてを作ったのではなく、
前の研究を受け継ぎ、
新しい発見を積み重ね、
また次の人へと受け渡していく。
そんな長い研究の歴史があったからこそ、今の性格の特性論やビッグファイブがあるのだと、ようやく理解できました。
本を閉じたケンタくんは、窓の外へ目を向けます。
青空の向こうには、ゆっくりと雲が流れていました。
その景色を眺めながら、ふとこんなことを思います。
「人の性格も、一つの言葉では表せないんだ。」
「明るさも、慎重さも、優しさも、不安になりやすさも、その人らしさをつくる大切な一部なんだ。」
だから、
「○○タイプだから。」
と決めつけるのではなく、
「その人には、どんな特性があるのだろう。」
そんなふうに考えてみたい。

それが、今回の研究を通してケンタくんが見つけた、一番大きな答えでした。
帰り道。
ケンタくんは心理学の本を大切に抱えながら、ゆっくりと歩き始めます。
景色は何も変わっていません。
でも、人を見る目は少しだけ変わりました。
そして、その小さな変化は、自分自身を見る目も、少しだけ優しくしてくれたような気がしました。
心理学は、人を決めつけるための学問ではありません。
人を理解し、その人らしさを見つけるための学問です。
今回紹介した5人の心理学者は、そのことを長い年月をかけて私たちへ伝えてくれました。
あなたは明日から、誰かを見るときに「この人は○○タイプ」と考えますか。
それとも、
「この人には、どんな特性があり、どんな個性があるのだろう。」
そんな新しい視点で、人を見つめてみますか。
もしかすると、その小さな見方の変化が、自分自身や周りの人を、これまでより少し優しく理解するきっかけになるのかもしれません。
16. 文章の締めとして
性格の特性論やビッグファイブは、単に人を分類したり、診断したりするために生まれたものではありません。
多くの心理学者たちが長い年月をかけて研究を積み重ねてきたのは、一人ひとりの違いを科学的に理解し、その人らしさを大切にしたいという思いがあったからです。
この記事が、心理学の歴史を知るきっかけになるだけでなく、自分自身や周りの人を少し違った視点で見つめるきっかけになれば、とてもうれしく思います。
これからも、心理学の世界には、知れば知るほど「なるほど」と感じられる発見がたくさんあります。
ぜひ、これからも一緒に、心理学の面白さを学び続けていきましょう。
注意補足
本記事は、心理学の研究や文献などをもとに、筆者が個人で調べられる範囲の情報を整理し、できるだけわかりやすくまとめた内容です。
心理学は現在も研究が続いている学問であり、研究の進展によって新しい発見が生まれたり、考え方や解釈が見直されたりすることがあります。また、研究者や学派によって見解や表現が異なる場合もあり、本記事で紹介した内容が唯一の正解というわけではありません。

🧭 本記事のスタンス
この記事は、「これが唯一の正解です」と決めつけるためのものではありません。
心理学の研究や文献をもとに、筆者が調べられる範囲で情報を整理し、性格の特性論やビッグファイブの歴史をできるだけわかりやすく紹介したものです。
心理学は現在も研究が続いている学問であり、研究が進むことで、新しい発見や異なる見方が加わることもあります。
だからこそ、この記事を一つの入り口として、さまざまな立場や考え方にも触れながら、自分なりの理解を深めていただければ幸いです。
この記事が、あなたの中の「知りたい」という特性をそっと開いたなら、次は文献や資料へと研究のバトンをつなぎ、性格の特性論という奥深い世界を、自分の視点で、自分の歩幅で、学び続けてみてください。
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
性格の特性論は、人は一つの言葉では語れないからこそ、お互いの違いを理解し、その人らしさを大切にすることの大切さを教えてくれているのかもしれません。


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