よし それじゃあ、ほいくえんを プールにしちゃえ

絵本

ーーーけいた 保育園児 

言葉へのあらすじ

朝から暑い日ですが、保育園のプールは修理中です。あはよう、あつーい!と挨拶し、さらにプールに入りたいとけいたは言います。すると他の園児たちも、プールがいいと、言い出します。プールにはいりたい、けれども、プールは修理中で使えない。それならばと、けいたが取った行動は。

心に響いた言葉 感じたこと

保育園児のけいたは、暑い日はプールに入りたいと考えます。

けれどもプールは修理中、保育園の皆も一緒になってプールプールと連呼しますが、当然故障中のプールを使うことは出来ません。

ここで、どうしようもないから、といって諦めたり、どうしようもないけれども感情が抑えきれずに騒ぎ続けてしまう、そんな状況は子供なら起きるのかも知れません。一部の大人も起こしますが…。

欲求に対して、我慢することや忘れること、他のことを意識することで気を紛らわす、または何かしらの代替案を実行し欲求をそちらにシフトしていく事で、気持ちを落ち着かせる。

私はそのようなことしか出来ませんし、その様な行動が一般的、常識的な判断なのかなと考えます。

幼稚園児だとしたら今回のようにプール自体が修理中というような、物理的に出来ないことに直面したら、一旦騒いだとしても、たしなめられれば落ち着く、それだけでも十分に優秀な行動だと感じます。

しかしなんと、けいたは画期的な行動を行えます。

暴れるでも、他の人に頼むでも、願望するだけでもなく、自ら行動するという事、そのフットワークの軽さも含めて見習いたい部分です。

プールに入る!ということに対する思いを諦めない、諦めなくてはいけない、という思考すらないのかも知れませんね。

好きなことをしたい、好きなことを諦める意味が分からない、と考えているのかもしれませんね。

勿論、無茶な要求や、他者に迷惑をかけるような行動、自分だけが楽しむだけの欲求の押し付け行為などは、迷惑なだけですが。

私はいつしか、自分の喜ぶ事を、その事を叶えようとする行動さえも、困難だから、無理な状態なのだから、と諦めてしまうことが早くなっているのかもしれません。

または、どうせ無理なんだからと、諦めることを前提にすることで、楽しむための行動さえも行わないという、それ自体の言い訳をしていたのかも知れません。

その様な考え方では、新しいことへの挑戦も、新しい発想も、ワクワクするような時間の過ごし方も、しずらくなって当然ですよね。

たとえ出来ないこと、現実的に無理なことがあったとしても、試行錯誤して、自分の望みを叶えること、叶えようとする思考自体でも、自分の気持ちを救えるのかもしれませんよね。

プールが修理中ならば、プールを使用することを諦めるではなく、この場所をプールにしちゃえ!といえるような、柔軟かつ突飛もない発想力を持っている、けいたの言葉がとても心に響いた、感銘を受けた言葉になりました。

プールはプールがある場所でしか出来ない、故障中ならば使用できないというような、現実的かつ短絡的な発想では、いつまでも枠に囚われてしまい、枠にハマった楽しみ方しかできないかもしれませんよね。

誰に迷惑をかけるわけでもないのに、想像すらも豊かにできなくなってしまっていた、のではないかと、楽しそうに行動し続けるけいたやその友達から気付かされました。

自分を楽しませる行動を、楽しく行っている、そんなけいた達の笑顔が眩しく見えます。

物語の流れ

今日は朝からとても暑い日です。

けいたは元気に登園しますが、なんと保育園のプールは修理中です。

おはよう。と一緒にあつーい!と挨拶しさらには、プールに入りたいと言うけいた

すると、他の園児も次々に

プールがいい、プールしたい プール プールと言い出します。

けれどもプールは使えません、そこでけいたが言った言葉が

よし それじゃあ、ほいくえんを ぷーるにしちゃえ

プールほいくえん より引用

でした。

けいたは、その言葉とともに蛇口に飛びつき、蛇口をひねります

プール保育園を作ろうというのです。

保育園の窓を急いで締めて、保育園中の蛇口を全部ひねります。

ドドドドドと、水は一斉に流れ出します。

あっという間に、部屋は水で一杯になり、椅子やオモチャはプカプカと浮かんでいます。

気持ち良い 魚みたい 人魚だよ と皆楽しそうです。

跳び箱を使ったり、椅子や机を使って楽しそうに遊んでいます。

さらに皆は、2階を見に行きます。

そこには赤ちゃんたちが、ゆらゆら浮かんで楽しんでいます。

その後も、飛び込みをしたり、ご飯を食べたり、お昼寝したりと、夢中になって遊びます。

お昼寝時の、涼し気なイラストが、気持ちよく感じられます。

こんなにも自由に楽しく行動している、けいたのその後を知りたい場合や、直接読みたい場合は

ぷーるほいくえん 文 岩井真木 絵 三宅信太郎 福音館書店

こどものとも年中向き 2019年9月号 通巻402号

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。

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