ーーーつばめのひこうき
カエルの親子を乗せた飛行機が飛び立ちます。行き先は南の島。飛行の時間は長いので、ご飯を食べて、夜になり飛行機は海の上を飛行中です。
飛行場を出発し、町並みを飛び、喧騒を離れたその先は、海の上。
静かな海と、綺麗なお月様、おやすみなさいのアナウンスが響き渡るかのような、イラストが印象深く、心に響いた言葉でした。
人は登場しない、両生類や鳥類や昆虫のみの世界。
その様な世界でも、空港があれば、飛行機もあり、車や船やお店やホテルや高層ビルまであります。
人はいなくとも、生き物が密集していれば混雑や騒音もあるのではないのかと、なんとなくイメージしてしまいそうになります。
その様喧騒感のある街並みのイラストから離れた、静かで穏やかな夜の海と、夜の月と、飛行するツバメ飛行機のイラストに清涼感がありました。
一枚絵がこんなにも落ち着かせてくれるのは、それまでのイラストの中に、色々と楽しませてくれる表現のイラストが満載だったからでしょうか?それぞれのページでユニークな発想のイラストが散りばめられており、それらを見落とすまいと探そうと楽しみを見つけ出そうと躍起になっていたからでしょうか?
それとも私自身が日常生活を忙しいと感じているのでしょうか、はたまた実際に旅行に行くときの混雑が思い出されてしまったことで、静かな海の上を飛行する飛行機の一枚絵に癒やされたのでしょうか?
どちらにしても、一息つけたイラストに感銘を受けた場面でした。
そのような世界線の旅行の始まりは。
空港の駐機場にはツバメの飛行機が沢山集まっています。
周囲の看板も、カブトバスやハッパタクシー、SALの看板など人間世界とは違う雰囲気です、車はカブトムシ形や触覚の形がついた車です。
空港内の案内は、南の島への案内板が多くなっていますし、チェックイン場所はまるで空き缶をリサクルして作られたかのような形です。
もしやこの世界は、人間世界からの部品を利用して作られたのでしょうか?
ツバメの飛行機が見える保安検査場を通り、出国審査場でパスポートをみせる様々な生き物の家族、ツバメも優しそうに見守っています。
ロビーには様々なお店がずらりと並んでいます、免税店もあり人間世界と変わらずここでも目移りしそうですね。
搭乗開始のアナウンスとともに飛行機に乗り込むカエルの家族、ゲートはストローの形で、飛行機のツバメもエネルギー補給はストローで飲んでいるところがユニークです。
ツアーコンダクターの虫は、なかなかツアーのお客さん昆虫が集合時刻に集まらなかったのか、焦った様子も描かれています、最後に乗り込もうとしているのがカタツムリの様子です、これではまだまだ時間がかかってしまうかも知れませんね。
離陸する、ツバメの飛行機を見守るのは、蟻の整備士でしょうか?ハトの飛行機やスズメの飛行機も描かれています。水上の車?もパトロール中で安全確認はバッチリですね。
ものすごい速さで飛んでいくツバメの飛行機、遊園地やこがものフェリーも眼下に見えます、ピンク色の花と建物が同じ字大きさに描かれているのは、実際の生き物の大きさと合わせるためでしょうか?この世界の生き物は擬人化されているわけではないのでしょうか?不思議で細かく描かれているイラストに目が移ります。
ツバメの飛行機の背中に乗車した、お客様はご飯の時間です、キャビンアテンダントさんの案内でハンバーガーやアイスを食べています。パイロットも安定した飛行中なのでリラックスしておりますが、双眼鏡を覗いており周囲の確認は怠らない様子です。この世界観ではコックピットに操縦機はないのかも知れませんね、ツバメによる自動運転なのかも知れませんね。
夜になって通過するのは、高層ビルが立ち並ぶ賑やかな場所、アイスクリームの形のビルやら牛乳を模した看板やら、牛乳形のビルやら、巨大な招き猫やら、コウモリの飛行機も描かれています。見るたびに新しい発見のあるページです。
その喧騒の漂いそうなページをすぎると一転し静かで落ち着く海の上ツバメの飛行機の乗客にも
おやすみなさい
つばめこうくう より引用
の言葉がかけられます。
月と星と海の中を飛び続けるツバメ飛行機、涼し気な夜を演出しています。
夜が明け、乗客も起き始め機内では蟻のキャビンアテンダントさんによる飲み物が配られます、コーヒー片手に優雅なひと時をおくるカエルの父さん、到着先の案内を読むカエルの母さん、日の入り景色を眺めるカエルの坊や、このページでは他にも様々な行動をしている乗客達がいますし、どの様な昆虫がいるのかを探すのも楽しめます。
私はトイレの前で仁王立ちのキリギリスがお気に入りです。
その後無事に島を飛行を続けたツバメ飛行機、南の島を発見します。
その後の物語が気になる方や、直接読みたい方は
つばめこうくう もとやすけいじ 佼成出版社
をぜひ読んでみてください。
皆様にはどの様な新しい響きがあるのか楽しみです。
最後のページでは、くつろいでいるツバメが見られるイラストも見られて楽しませてくれました。
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