『…お前は… …いいヤツだなァ…』ーー「ONE PIECE」ガイモンの名言が教えてくれたこと

漫画

言葉を発した人物:ガイモン


言葉に至る経緯

航海を続けるルフィ海賊団は、道中で小さな島を発見します。無人島だと断言するナミをよそに、モンキー・D・ルフィロロノア・ゾロは仲間と食料を探すために上陸。しかし、そこは森しかない島で、ゾロは早々に船で昼寝を決め込み、ルフィとナミが探索を進めることになります。

この島は、ルフィが「孤島」と表現するほど周囲に他の陸地がなく、独自の進化を遂げた珍しい動物たちが生息していました。そんな島を探索していると、さらに異質な存在と遭遇します。それが、体が宝箱に挟まったままの男、ガイモンでした。

最初こそ敵意を向けてきたガイモンでしたが、一悶着の末に落ち着きを取り戻し、自身の過去を語り始めます。

ガイモンは20年前、海賊としてこの島に財宝を探しにやってきました。しかし、不運にも崖から転落し、宝箱に挟まったまま抜け出せなくなってしまいます。そのまま島に取り残され、以来20年間、ただ一人で生き続けてきました。そして、彼が島を離れずにいる理由は、島の大岩の上にある5つの宝箱。

20年前に目にしたその宝箱の中には、きっと莫大な財宝が眠っている。そう信じて、彼は自ら取りに行くことも叶わぬまま、誰にも奪われないように守り続けていたのです。

言葉の瞬間

ルフィとナミを信頼できると判断したガイモンは、ついに長年の願いを叶えるべく、大岩の上にある宝箱を取ってもらうことにします。3人で大岩の前まで向かい、20年越しの夢がついに叶う——そう確信した瞬間でした。

ルフィはゴムゴムの能力を使い、大岩の上にある5つの宝箱を確認。そしてガイモンにその存在を伝えた後、突如として「渡したくない」と言い出します。

この言葉に、ナミは激しく怒りを露わに。しかし、それを制したのはガイモンでした。

いいんだ!! もういい!!

渡したくないんなら!!!

麦わら!

前は…  …いいヤツだなァ…

漫画 ONE PIECE 第3巻 第22話 〝あんたが珍獣〟 より引用

でした。

彼のこの言葉は、ただの諦めではなく、深い感謝と理解の気持ちから出たものでした。

心に響いたこと

20年間、ガイモンは孤独に耐え続けてきました。目の前にありながら手の届かない財宝。誰にも奪わせず、ただ見守り続けるしかなかった日々。しかし、ついにその財宝が手に入る日が訪れた。

しかし、その瞬間に「渡したくない」と言われたら——通常なら怒りや絶望が込み上げてもおかしくありません。実際、ナミのように強い怒りを抱くのが普通の反応でしょう。

それでもガイモンは、目の前の少年に対して「いいヤツだなァ」と言いました。

彼は、自分の願いが叶わなかったことに対して怒りをぶつけるのではなく、なぜルフィがそう言ったのか、その心情を考える余裕を持っていたのです。ルフィの行動の意図を汲み取り、相手を思いやる言葉を発することができる。その姿勢に、深い感動を覚えました。

考えたこと

20年間、ガイモンは何度も葛藤したことでしょう。「宝は本当にあるのか?」「すでになくなっているのでは?」「もし取れたら何をしよう?」 そんな思考を巡らせながらも、信じ続け、生き抜いてきました。

そして、実際にその宝が目の前にあると確信できた瞬間、彼が手にしたのは財宝ではなく、**「受け入れる心」**でした。

もしも、ルフィの言葉に対して怒りをぶつけていたら、彼は20年間の執着に飲み込まれたままだったかもしれません。しかし、彼はルフィの行動の裏にある思いやりを感じ取り、ただ「いいヤツだなァ」と微笑みました。

私たちも、期待していたものが手に入らなかった時に、怒りや不満ではなく、別の可能性を考えることができるでしょうか?感情のままに言葉を発するのではなく、一度立ち止まり、相手の思いや行動の意味を考えることができるでしょうか?

ガイモンの言葉は、そんなことを私たちに問いかけているように感じます。

皆さんはどう感じましたか?

この言葉を読んで、どんなことを思いましたか?

もし、

今回のエピソードを直接読んでみたい方は、

漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社

第3巻 第22話 〝あんたが珍獣〟

をぜひ手に取ってみてください。

皆様には、

どの様な新しい響きがあるのか、

楽しみです。

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。

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