飲む人にもそれを心がけて扱ってもらいたいのです

漫画

ーーークレメント夫人 酒造業社長 

デパートで行われるベルギーフェア。その企画の目玉商品であるガドーと契約を結ぶ為に、酒造元の社長であるクレメント夫人に契約書にサインを求めます。しかし、ガトーと同じタイプのビールを用意し、ビールをグラスに空けると途端にクレメント夫人の表情がこわばります。そして契約はできないと言い出します。その本音はビールを注いだグラスに問題がありました。

心血を注いで作った品を、丁寧に扱ってほしい。その品が最大限に生かされるように扱ってほしい。

今回のケースで言えば、ベルギービールには専門のグラスが欠かせないとのことです。クレメント夫人もグラスの形に拘るのバカバカしいと思われるかもしれませんと前置きした上で、心を込めて作ったビールであり、手頃なグラスに無造作に注ぐという無神経さを避難していたのでした。

しかしそれならば、今回の言葉は飲む人に扱ってもらいたい、ではなく、飲んもらおうとする側が扱うビールを取り扱っている側(藤田側)が、ではないのでしょうか?

今回のケースでも、あくまでもグラスに注いだのは飲む側ではなく、飲ませる、飲んでもらおうとする側で飲む人が扱ったわけではないのでは?揚げ足をとるようになってしまうのですが…。

飲む人に、ビールにとって最適な状況を提供できるようにするための、努力を怠らないようにする事を促しているのか

それともクレメント夫人は本当に、ビールを飲むのならば、そのビールを飲むに相応しいだけの必要な知識を深め、そのビールが最大限に活かせる味わえる状態にまで知識を仕上げ、最適な環境を作り上げなければ飲む権利はないと言っていたのでしょうか?

確かに、どんな物であろうともその物が完成する、人の手や目に届くまでには様々な労力や努力を必要であり決して無造作に扱って良いというわけではありませんが、全ての事を生産者の意図をくんで扱わなければいというそこまでの考えには賛同しかねてしまいます。

本当に現在も実在するのかは分かりませんが。頑固なラーメン店主が、自分の味に自身を持っており。注文したお客さんがそのラーメンを食べる際に塩やコショウを入れると怒り出すケースや、食事中は私語厳禁で話すのではなく、味に集中しろといって、お客さんの食べ方を強制することと同じように自分の考えを食べる側にも強制しているように感じられてしまいた。

生産者は作り上げた品が一番に発揮できる方法を一番分かっている、生産者が考えた方法に合うように作られたのがその品なのかもしれませんが、その品を扱う最終的な人は購入者であり、購入者にはその品を使い最大限に楽しむ権利があるのではないのでしょうか?

購入者の楽しみ方を一番知っているのは購入者のはずなのせすから。

どんなに美味しいラーメンでも好きなように食べられなくては、本人が感じられる美味しさはさがってしまうのではないのでしょうか?

たとえ、それがそのラーメンを一番良く知っている生産者が考えた方法だとしても。味の感覚も千差万別ですし、何を好むか何を愉快と感じるかまではそれぞれの方法だと容認してほしいと感じます。

その上で一つの方法として、生産者の意見を伝える事で、選択肢が増えるのは喜ばしいことですが。

勿論、品物を無駄にしたり、明らかに不愉快な使い方や、迷惑のかかる使い方は論外ですが。

今回は、あくまでも契約時のことで契約しようとしている側がその商品の取り扱いを知らないことに不信感がうまれたことなのかも知れません。ならば尚更、飲む人ではなく、用意する人がだったのではないでしょうかと考えてしまいます。

飲む人にビールを愛着をもって取り扱ってもらえるようにするには、ビール購入時により美味しいく味わえるグラスの紹介をする等の事をすることを、望むの事が良かったのではないでしょうか?その方法を知った上でどの様な飲み方をするかは個人の判断でよいとは思いますが。

購入した側が、品物をどのように扱っても良いといっている訳ではないのですし、その品物を作った人達に対する敬意を払うのは最低限のマナーだとは思いますが、度が過ぎると困惑してしまうの事実ではないでしょうか。

と本人の思惑とは違うかも知れない事が気になってしまった、心に響いた言葉でした。

そんなクレメント夫人がクインシーホテルに来た経緯は、

デパートでベルギーフェアが行われることとなり、その企画に合わせて付近のホテルでもベルギービールを味わってもらえるように取り扱っていたのが、コンシェルジュ最上拝の知り合いである藤田です。

その企画の一端として、ベルギービールのPRとクインシーホテルのPRを兼ねた動画を物産展で流れるようにクインシーホテル内で撮影します。

撮影に協力しているホテル側のスタッフは、クインシーホテルで取り扱っているベルギービールの紹介をする役の川口涼子と、そのビールと美味しそうに飲み干す役の笠井信男支配人。

その撮影は何回も何回も取り直しを繰り返され、その度にベルギービールを飲まされる笠井信男支配人、その事が後々の火種になってしまうとは…

撮影も終わり、コンシェルジュの持ち場に戻った涼子ですが、そこに現れたのが今回の企画発案者の藤田と、今企画の目玉商品のベルギービールのガドーを醸造する会社の社長であるクレメント夫人、契約を兼ねてクインシーホテルにやってきました。

そして藤田の契約も踏まえて乾杯をしたいとの要望があり、涼子ですが最初はバーラウンジへ案内する予定でしたが、そこで目にしたのはPR動画のためにベルギービールを大量に飲んでしまったことで酔っ払ってしまい、バーラウンジで暴れる笠井信男の姿でした。

とても契約を結べるような場所とは言い難かったので、涼子は一同をレストランへと案内します。

レストランでは今回の契約に漕ぎ着けるまでの困難さを藤田が述べると、クレメント夫人はガドーを深く愛している方でなければ預けられないと、ガドーを大切にしてもらいたいという思いを述べます。

そしていざ乾杯という時にレストランから持ち込まれたビールは、クレメント夫人が大切に思っているガドーと同じタイプのビールでした。

そしてレストランのスタッフがビールをグラスに注ぐと、クレメント夫人の顔色は曇りその場を立ち去ってしまいます、そして今回の契約はできないと言い出します。

これに困惑した藤田、コンシェルジュの最上に相談します。

レストランに戻りその時の状況を説明すると、最上とバーラウンジのスタッフはある事に気が付きます。

それは、ビールを注ぐグラスでした。

ベルギービールを語るには専用のグラスが欠かせないと、バーラウンジのスタッフは説明してくれます、それぞれのビールに合ったグラスが存在しているとのこと、実際にはグラスの差は殆ど無いようですが、それでも専用のグラスを使用して欲しいという願いは少しでもビールの味を高めるためであり、ビールに愛着があることへの現れなのでしょう。

バースタッフがそのような知識を持ち合わせている事は納得ですが、コンシェルジュの最上も知っているとは流石といえますね、レストランスタッフにも説明はされていた様子ですが、そこまで求められるのも酷な事なのかもしれませんよね、仕事なので文句を言われても反論はできないのかも知れませんが…

返す返すもバーラウンジに一同を案内できていれば…漫画の都合上やお約束な部分もあるのでしょうが…。

兎にも角にもグラスのことを謝罪に行った一同に、

グラスの形ひとつにとこだわるなんて、と思われるかもませんが、と前置きした上でクレメント夫人

すが私どもは 一本一本のビールに心を込めて作っているんです

ランビックタイプのビールは生きているんです

飲む人にもそれを心がけて扱ってもらいたいのです

コンシェルジュ 第2巻より引用

と醸造しているビールに対する愛情を語ります。

そのような気持ちを伝えられた藤田は勉強不足だったと謝罪します。

お互いに歩み寄った結果、クレメント夫人の出した条件を果たせれば契約を結べるとなり、ここで活躍したのは、やはりコンシェルジュの最上でした。

無事に条件を達成出来たことで、ガドー扱うことを許された藤田、ガドーを安心して預けられたクレメント夫人でした。

クラフトビールを巡る物語を、直接読みたい場合は

コンシェルジュ Concierge 原作 いしぜきひでゆき 漫画 藤栄道彦

BUNCHCOMICS 新潮社

第2巻 第10話 思い出の味

を是非読んでみてください。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのかたのしみです。

今回のように、こちら側が熱望して相手の品物を手にしたいと有望したのならば、その品物の取り扱いまでも、相手が望んでいる方法で行えるように取り計らい事までが、筋なのかもしれませんね。

こちら側が願ったことなのですから。

深く望んだ品物なのだとしたら無責任な取り扱いをしたのでは、相手に本当にその品物を熱望しているのかを疑問に感じられてしまうかも知れないですね。

今回受け入れられなかった注ぎ方をしたのは、企画側の人物ではなく、契約しようとした場所を提供したホテル側のスタッフであり、企画側の藤田に非を求めるのも違う気もしますが。注ぎ方に難のあるホテルを指定したことも藤田の非になってしまうのですかね、仕事とはそこまで責任を求められてしまうことも覚悟しなければいけないのでしょうか…

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