言葉までの経緯
港町の町長ブードルは、
ついに、堪忍袋の緒が切れてしまいます。
自分の宝を、さながら宝を虐げられ、そして更に破壊されようとしている現状を嘆きます。
無事ならば命があれば、町は再建できる、一から始めた40年前の過去のように、と気持ちに蓋をしやり過ごそうと、町民の自身の無事を優先させようとしたこともありました。
しかし、主人を想い店を思う犬、シュシュの戦いや、小童ことルフィの戦いを目の辺りにして。
自分の宝が、町を潰されるのを見ていることに黙っていられなくなります。
そして、海賊”道化のバギー”の前に現れます。
Drinker Pub の屋根の上に巣食うバギー一味。
船長との勝負を言い出したブードルを笑い飛ばします。
バギーは何の為に自身に挑むのかと、問いただします。
名を上げたいのか?と、それに対して
宝を守るため
と言い切るブードル。
宝は、金銀財宝であり、威厳を示す輝きがある物であるという主張をするバギー。
町は宝ではないと、ザレ言をぬかすなと、声を荒げてブードルを侮辱します。
その言葉に対して
ブードルが言った言葉が
ほざけ小童っ!!!
貴様なんぞに わしの町への想いを わかって貰おうなど
ハナから思っておらんわ!!!
漫画 ONE PIECE 第2巻第15話 〝GONG!〟 より引用
でした。
心に響いたこと
相手に自分の想いを伝えることは無理であることを、理解している者の発言。
ハナから、理解されたところで、今までの傍若無人の態度、街に対して宝に対して行った無法が消える訳が無い。
どんなに言葉を並べ、気持ちを訴えようとも意識を伝えようとも、今までの言葉、今までの行動、その全てから、ものに対する気持ち、生き方への向き合い方、人に対する考え方が違う、違いすぎて分かり合えることは、ありえない。
分かり合おうとしたのではなく、戦いにきた。町を壊す者へ制裁を加え、暴挙を止める、戦いによって物理的に相手の行動を不能にしようとしている。
もうすでに、話し合うという次元はすぎた、思いの丈をつのる気はない、不法者を排除するために、そのための戦いであるという気持ち。
そしてなにより、想いを伝えようともわかって貰おうという意識が全く無いという、心意気に心を打たれます。
もしかしたら伝わるのでは、少しは分かり合えるのでは、同じ気持ちになってくれるのでは、自分の気持ちを汲んでくれるのでは、寄り添ってくれるのでは、そんな甘い希望が、どれほど難しくありえないことだと、いつも分かり合えないと気づいてから理解する。そして傷つく。
人と自分は違う、違う気持ちを持って、違う意思を持って、違う思考によって動いている、完全に同じなどありえない。
いつだって、気がつくのは後になってから、結果が出てから初めて気がついたかのような痛みに襲われる。
それぞれの想いがあり、それぞれの価値観があるだからこそ、無数の思いが無限の気持ちがあるのでしょう。
それならば、わかって貰おうとするのではなく、
違う存在であり、違う人格なのだと、区別して
他者へ依存するのではなく、そのような考えもあるけれども、自分とは違うただそれだけのこと、
と良くも悪くもないと、
違うことに対して目くじらを立てず、違うということを理解する。
それだけで、気持ちが楽に気持ちよく生きられるハズだとおもいながらも、
自分のことを分かって欲しい、
という気持ちが抜けない、
そんな甘い気持ちを一蹴してくれるような、
叱りつけてくれるかのような、
町長の言葉でした。
清々しいほど自分と他人との気持ちを分けて考えられる、
ハナから理不尽な行動からの怒りは、怒りを作った者にぶつけるのみ、
それ以外はない、そんな気持ちが伝わってきた言葉でした。
皆様には今回の言葉はどのように感じられたのでしょうか。
少しでも新しい発見があれば幸いです。
今回の言葉を、
直接読んでみたい場合は
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第2巻 第15話 〝GONG〟
を、是非読んでみて下さい。
皆様には、
どの様な新しい響きがあるのか、
楽しみです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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