ーーー絹守一馬 若頭
かなりの自身の腕前と、道具に自信がなければ発せられないセリフに、その言葉を言えるチャンスがないものかと震えました。
自身の実力を高めつつも、更には使用する道具にも自分に合う物を見つける努力を厭わない、能力と道具を高める時間を惜しまないそのように勝つこと、良い結果を出せることに最善を尽くす、それはそれは素晴らしい事ですよね。腕だけでも、道具だけでも満足しない極みを求める姿勢に更には、勝利を確信しきるその自信、そちらも合わせて見習いたいものだと心に響いた感銘を受けた言葉でした。
弘法筆を選ばず、という言葉が有りますが、弘法大師ほどの優れた技術の持ち主ならば、どのような道具を使ってもその道具の真価を発揮しきれるとい意味があるそうです、決して道具に頼らないというだけの意味ではないみたいです。
弘法は筆を選ばず、という言葉も使ったりし皮肉ったりもしますが、弘法大師(空海)が決して道具にこだわらなかったというわけではなさそうです、詳しく調べたわけではないのでそこまでの知識はありませんが、遺した書からも高級な筆を使っていたのが分かっているそうです。
腕前も道具にもこだわることは決して悪いことではないのですね、自信満々に勝利宣言をできるかどうかはおいておいて、ですが。
今回の言葉が発せられた経緯としては、
ダーツプレイヤーである烏丸徨が受けているタッグマッチでのダーツ勝負。
その勝負の相棒に急遽指名された絹守でした、しかしそこは数々の修羅場を乗り越えたであろう絹守です、困惑しつつも烏丸が冗談を言っているわけではないと分かると、ダーツ勝負の相棒として本腰を入れます。
胴元としての責務なのか、自身のダーツの実力を示したいのかは定かではありませんが。
そんな絹守が意気揚々と手にしたダーツの矢は、本人曰く、芸術品でありまさに自分のために造られたかのような美しさであると、褒めちぎります。
それを聞いた、相棒の烏丸と、さらには対戦相手である山田ロミオ、時盾実までも三者三様にどうでも良いことのように皮肉ります、矢が大切ではなく腕前が大切だと言わんばかりに。
とくに秀逸なのが、道具に拘るという発想はなかったという、大胆な発言をした時盾でした。弘法大師もビックリなくらい腕前のみを磨き、腕前のみで極めたのでしょう、あくまでも本人の中でだけでしょうが…
そう合って欲しいと願うのは羨ましさと嫉妬からきているのでしょうか…
そんな雑音をものともせずに真剣な趣で矢を構え放つ際に言った絹守の言葉が
…まあ いいでしょう 私が言いたいのは
弘法が筆を選んだなら 勝利は約束されるということですよ
漫画 エンバンメイズ 第3巻より引用
とのことでした。
そして放たれた矢は見事に命中
は、しました 6 14 16 の場所へと見事に?
弘法の下りと、道具の説明は見事に回収されました、この先の展開へ向けたムードの上下を際立たせるための温和なは状況を一人で作り出すという離れ業でした。
一般人のレベルと主人公のレベルとの差をまじまじと教えつけられるためにも一石を投じる必要があった場面なのですかね、三人のツッコミは定期的に何回かは読み返してしまいたくなるほどに秀逸ですが。
皆様も絹守とダーツプレイヤー達のやり取りを直接読みたい方、絹守ご自慢のダーツの矢を見たい方も
エンバンメイズ ENBAN MAZE 田中一行 good!AFTERNOON KC 講談社
第3巻 ROUND12 写身〜twins〜〈2〉
を是非読んでみて下さい、皆様にどのような新しい響きがあるのか楽しみです。
エンバンメイズ第3巻は6話収録しており、その内の4話が「写身」の回です。
心理戦を是非楽しんで下さい、そして絹守の活躍も。
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