ーーーアーニャ・フォージャー 超能力者
西国組織WISE(ワイズ)の敏腕スパイである、黄昏ことロイド・フォージャーは東西平和を脅かす東国の危険人物、政治家ドノバン・デズモンドと接触し不穏な動きを探るという任務が任せられた。
用心深いデズモンドに接触する事、そのためには彼の息子が通う名門校での懇親会が唯一彼が現われる場所であると知らされる、そのために結婚そして子供をこさえろとの任務が下された。
冷静なロイドも7日で子供を作るという無茶振りには、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまう。
冷静に思考すれば、結婚から子作りまでをそのような短期間で行うことは、物理的には不可能だと思われるので、さすがのフォージャーでも吹き出すのは致し方がないと思いつつも、表情は変えずに淡々と吹き出す様が流石と言わざるを得ない、その上すぐに、子持ちの父を演じると決意する、人々の何気ない日常のため、自分の思いのため。
まずは、東国で部屋探し、盗聴器の有無、逃走経路の確保の確認を抜かり無く行い、契約。
職業・精神科医、ロイド・フォージャーとしての東国での生活が新たに始まろうとしていた。
なお、愛する家族、幸せな家庭はこれから決定する模様。スパイにとってはお荷物だそうですが…
そのためにまずは、孤児院にて里親制度を利用するつもりで訪れる、言い訳のための設定も完璧にしていった様子のロイドだったが、扉から出てきた男は、酒によっている様子、そして設定を聴く気もなく、あっけなく認められてしまう。
孤児院の中は、劣悪な環境であったが、そこまで子供達に悲壮感は無いようにも見られる状況、少なくともロイドに、いたずらをしようとするくらいの活発さは見て取れた。そしてこのような非公認のような施設ほど素性があやふやな子供が多く、経歴改ざんにはもってこいだとも、ロイドは冷静に分析をする。
ロイドの条件で、読み書きの出来る子をと聞いた男性は、家で一番賢いと一人の少女を紹介する。
心のなかでは不気味なガキだと考えていたので、本当に賢いと思っていたのかは疑問ではあるが。
ここで出会った少女が、アーニャ、ロイドの推定では4,5歳との見立てではあったが、アーニャは6つと答え、身長も背伸びをし高く見せ、更には新聞のクロスワードパズルを解いて見せる。
これにはロイドも恐るべし知力と驚嘆する。
実はこの少女アーニャは超能力者で相手の思考を読んで、その考えにあった事を叶え、更にはクロスワードもロイドの思考から答えを読み取っただけであった、したたかな少女ではあるが、とある施設の実験に生み出され施設を逃亡したという、悲壮感からの行動であり、何よりスパイミッションをワクワク感じられる好奇心が旺盛でありそのことからロイドの養子になろうと必死であった。
しかし、よく考えれば4,5歳ならば、スパイに非日常に好奇心が芽生えても不思議では無いのかもしれませんね。
所々で、天然な発想と発言をするアーニャこれも人の心を読めるが上の行動なのかは不明ではあるが、初対面のロイドに物怖じせずに接しているのは、ページの都合か、性格か、超能力ゆえか?
アーニャぴーなっつがすき、との名言?(勝手に自分が名言と思っているだけですが)もここで発せられました。
アーニャの行動を観察すると、知力に疑問を感じるロイドであったが、それすらも心の声を読み力技で乗り切るアーニャに、ロイドは子供(アーニャに?)を理解できないと、悲壮感が漂うもそこは一流のエージェント、ありったけの本を買い求め、解読しようとします。
あまりの複雑さと、任務が終われば解消する仲であることを理由に途中で思うところがある様子のロイドではありましたが、分からないことがあれば考ようとし、そのために即学習しようとする姿勢を是非自分も見習いたいです。速読もできれば習得してみたいです。
アーニャの学力を高めるため勉強を強いますが、アーニャは勉強が嫌だと逃げ回ります、更にはロイドが任務で出かけようとすると、ついて行こうとする始末。
そんなロイドが向かった先は、諜報員仲間のフランキー、名門校を合格させるための工作とアーニャの素性を調べだしていたのでした。
そんな中、部屋に閉じ込められた?アーニャ勉強をするはずもなく、暇を持て余して行った事は、ロイドのスパイ道具を使かっての、秘密通信のいたずら(本人にとっては)でした。鍵をかけたとはいえ、アーニャにとっは、鍵の暗号番号など心の声で読み取れ無いも同然でした、暗号型ではなく物理鍵のタイプならばこのような自体には…進行上の都合でしょうが…
しかしその悪戯は、東国に怪しい通信として傍受されてしまいます、そして発信源を特定に力を注ぎます。
悪戯をし終えてご満悦なアーニャでしたが、自分が使った部屋の散らかり状態に唖然、スパイ道具を使ったこと、そのためにロイドがスパイだとアーニャに知られてしまったからにはアーニャを消すかもしれないと頭によぎるアーニャ、急いで部屋を片付けますが、その時に別の思い出も浮かんでしまいます。
被検体007としての悲しい記憶が…
自分がエスパーだとバレたら、また、出ていかなくては行かなくなってしまうのか、という思い。
とある施設でのエスパーとしての勉強と称した訓練のような様子、遊びたくても許されない、泣いている暇も許されない環境。世界平和のためと理不尽に突きつけられた、大人からの勝手な要求のつらい日々。悲しい記憶でした。
平和のためならば、犠牲は必要かもしれませんが、その事を考えている本人や周囲の人達は、その犠牲とやらを支払っているのでしょうか?子供に犠牲を無理に強いても恥ずかしくない程の代償を払う覚悟ができた上での、そのような発言なのか?とも考えてしまいます。自分も子供のため、将来のためと、子供に言い聞かせていることが本当に、その子にとっての為だけにいっているのか、自分の自尊心の為、周囲の目に対しての行為ではないのか、世間の風潮のために言ってはいないか、自分の都合ではないか考えながらの、行為発言をしなければ、とも考えられるシーンでした。
そんなこんなで、部屋に帰ってきたロイド、一流であるがゆえに部屋の微妙な不信な状況に気が付きます。
案の定部屋に入ると、不穏な空気から武器を手にした悪役が攻撃してきますが、気配を察していたロイドは苦もなく倒します、しかしアーニャの姿は見つけられません、拐われた様子です。
すぐに捜そうと考えますが、スパイとしての行動としては今すぐに身を隠すことが先決であり、アーニャはロイド本人もそうであるように、任務の為、平和の為に使われるコマであるのではないかという考えもよぎります、そんな思考を巡らせていると背後から敵の姿が…
案の定アーニャは東国の諜報員に捕まっていました、そしてそこに到着したのが顔に袋を被せられ手を縛られたロイド風の男性と先程ロイドを襲った男の顔でした。
捕まった男がロイドだと思い込んだ、東国の諜報員たちは、実はロイドを襲った男に変装していたロイド(書き出すとややこしいですね)にまんまとアーニャを奪還されてしまいます。
アーニャを無事に助け出したロイド、今回のことで自分が何故諜報員になったのかを思い出します、それは子供が泣かない世界のためでした、その思いのために行動しているのに、子供(アーニャ)を危険な目に合わせては意味がないと、アーニャを今回の任務から外し安全な施設へと誘導する手筈をし、残った東国の諜報員を成敗に行きます、勿論ロイド一人でもその場にいた諜報員達は一網打尽!でした。
そして、とっとと家へ帰れ、と東国の諜報員に言い聞かせアジトを後にする強く格好良いスパイ、ロイド。
すると、別れたはずのアーニャが待っています、ちちぃ〜〜‼と抱きついてきます。
どうして、どうして(いるんだではなく)家を出たんだと言い直すロイド、自分はここまで買い物に来たと嘘を付き、アーニャはおじさんたちと鬼ごっこと嘘を付き、家に帰りたいと言います。
そんなアーニャを見たロイドは全てを飲み込み、帰ろうと言います。
そして帰り道にロイドは、家は毒蛇がでたから引っ越そうと言い
心を読めるアーニャは
ちち ものすごいうそつき でも…
かっこいいうそつき!
漫画 SPY×FAMILY 第1巻より引用
と心のなかでつぶやきます、笑顔でちちを見つめながら。
お互いに隠し事をしており、お互いに嘘を言っているが、お互いにお互いを考えての嘘、真実ではなくても本音ではなかったとしても、笑顔で分かり合える、自分のためではなく相手の為になるそのような嘘もあるのだと必要なのだと改めて考えさせられた心に響いた感銘を受けた言葉でした。
真実を言えば、それで解決、それで満足、相手も自分も喜ぶとまではいかなくても納得する、と考えてしまうことこそ、自分側の勝手なエゴ、思い込み、思い込もうとしているだけなのかもしれませんね。反省しなくてはいけない、機会が沢山ありそうですし、あったはずです、自重しなければと考えさせられました。
皆様も格好いい、ちち役ロイドとその養子になったアーニャのやり取りを直接読みたい場合は
SPY×FAMILY スパイファミリー 遠藤達哉 少年ジャンプ+ 集英社
第1巻 MISSION:1
を是非読んでみたください。
皆様にはどのような新しい響きがあるのか楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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