【藤原不比等】とは?
生涯・功績・名言から学ぶ「権力を動かす力」
日本の歴史を動かした偉人たちの中で、「裏方の天才」ともいえる人物がいます。
その名は、藤原不比等(ふじわらのふひと)。
政治家としての手腕だけでなく、日本の国家体制を作り上げ、さらに歴史すら自らの手で動かしてしまったかもしれない…。
そんな伝説的な存在、藤原不比等の生涯と功績を、わかりやすく、そして深くご紹介します!
本記事で紹介する内容
藤原不比等とは?・生涯と主な功績
名言・思想から学べること・まとめ・筆者の考察
関連リンク・おすすめ書籍紹介
記事を読むメリット
藤原不比等の生涯から「権力を動かす力」の本質が学べます
日本の始まりと、政治の裏側について深く知ることができます
藤原不比等とは?
藤原不比等の基本プロフィール
生没年:659年(斉明天皇5年)〜720年(養老5年)
出身地:不明
時代背景:飛鳥時代末期から奈良時代初期
藤原不比等は、大化の改新(※大化の改新とは、645年に行われた政治改革で、中央集権国家を目指したものです)を推進した中臣鎌足(なかとみのかまたり)の息子です。
しかし、父・鎌足の死後、一族は壬申の乱(※壬申の乱とは、672年に起きた天皇の後継者争いです)で天武天皇側と敵対してしまい、家の力を一時的に失っていました。
そんな逆境から、藤原不比等は自らの才覚でのし上がっていきます。
特に、「法令」の知識に優れていたことが彼の強みでした。

🖋 藤原不比等が語る「法令の知識を武器にした出世術」
私は、血筋に頼れぬ中、
「法と制度を知る者こそ、国を動かす」と信じて歩みました。
唐の律令制度を学び、誰よりも日本に合った仕組みを考え抜きました。
朝廷が法整備に悩むとき、
私は確かな理(ことわり)を示し、
静かに、着実に、信頼を積み重ねたのです。
朝廷では「律令を作れる者がいない」という声が上がり始めたのです。
そのとき私は、
静かに、しかし確信を持って進み出ました。
「私ならば、この国にふさわしい律令を整えられます」
誰もが驚きました。
無名に近い若造が、そう言い切ったのですから。
しかし私は、
どんな重臣たちよりも律令に通じ、実務に強かった。
朝廷は、試しに私に一部の法整備を任せました。
私は即座に、抜け漏れなく、かつ美しい制度を作り上げてみせたのです。
そうして、律令制度を作り上げた功績によって、
私は国家の中枢へと進み、藤原氏の繁栄への道を拓くことができました。
生涯と主な功績
下級役人からのスタート
もともとは下級役人からのスタートでした。
※下級役人とは、役所内の比較的地位の低い役人を指します。
ですが、藤原不比等は、粘り強く政治の知識を身に着け、出世していきました。
日本の国家体制を作った男
藤原不比等の代表的な功績は、大宝律令(※大宝律令とは、701年に制定された日本初の本格的な成文法の体系)と、さらにそれを整えた養老律令(※養老律令とは、757年に施行された法律)を作り上げたことです。
これらの律令により、日本は初めて本格的な中央集権国家の形を整えました。
つまり、不比等がいなければ、今の「日本国」という形はできていなかったかもしれないのです。

藤原家の繁栄の礎
また、不比等は娘たちを文武天皇(もんむてんのう)や聖武天皇(しょうむてんのう)の妃(きさき、つまり天皇の奥さん)に嫁がせました。
さらに息子たちも高い地位につけ、朝廷内で絶大な権力を握ったのです。
※朝廷とは、古代日本における天皇を中心とした政治の場を指します。
これが後の藤原氏の長い繁栄へとつながったのです。
名言・思想から学べること
歴史は勝者によって書かれる?
藤原不比等にまつわる驚きの説があります。
それは、「日本書紀(※日本書紀とは、720年に完成した日本最古の公式歴史書)」を、不比等が自分たちに都合よく編集したかもしれないというものです。
本来、飛鳥時代の発展は蘇我氏(※蘇我氏とは、古代日本の有力豪族の一つ)によるものだったかもしれないのですが、不比等は蘇我氏を悪者に仕立て、かわりに聖徳太子(※聖徳太子とは、飛鳥時代に活躍したとされる政治家・文化人。ただし実在を疑う説もあります)という存在を前面に押し出した、という説があります。
もちろんこれは確定した事実ではなく、あくまで「一つの説」とされています。

現代への教訓
この逸話から私たちが学べるのは、
「事実ですら権力の前では形を変えてしまう可能性がある」
ということです。
現代社会でも、情報を見極める目を持つことの大切さを、不比等は教えてくれているのかもしれませんね。
まとめ・筆者の考察
藤原不比等の魅力を一言で
「国家を作った天才であり、権力を操る達人」
まとめポイント
藤原不比等は法制度の整備に大きく貢献した
日本書紀の編纂にも深く関与した可能性がある
権力の本質と怖さを現代にも教えてくれる存在
読者への問いかけ
あなたなら、もし歴史を書き換えるほどの力を持ったら、どう使いますか?

関連リンク・おすすめ書籍紹介
『藤原氏 〜権力中枢の一族〜』武光誠 著
『日本古代国家の成立』直木孝次郎 著
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藤原不比等が活躍した時代背景を、より深く、リアルに捉えることができるので、藤原不比等の「すごさ」や「怖さ」の理解が一段と深まります。
📖 『古代史の謎を解く』大和岩雄 著
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不比等がどのように歴史を操った可能性があるかを、さまざまな視点から読み解くことができ、非常にスリリングな内容です!
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どの本も、日本史にあまり詳しくない方にも比較的わかりやすくまとめられていますが、
特に「直木孝次郎」先生の本は、大学の講義でも推薦されることが多く、学術的信頼度が非常に高いです!
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藤原不比等を深く知りたい人
古代日本の国家形成に興味がある人
歴史の裏側にある人間ドラマを知りたい人

最後に
今回の記事は、筆者ができる限り信頼できる情報源をもとに調査したものですが、
歴史にはさまざまな説が存在します。
また、今後新たな研究により、解釈が変わる可能性もあります。

どうかその点をふまえ、
柔軟な視点で楽しんでいただけたら嬉しいです!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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