止まった景色が逆向きに動く“脳の勘違い”を、結論→物語→脳の仕組みまで一気に解説
電車が止まったのに景色が動く…“脳のバグ”みたいな錯『運動残効(うんどうざんこう)』とは
代表例リード
信号待ちで車を止めたとき、
自分の車が「スーッ」と後ろに下がった気がしたことはありませんか?
実際には止まっているのに、体が一瞬だけ「動いた」と感じる。
これ、けっこう多くの人が体験します。

「え、私だけじゃないの?」と思った方ほど、次の“10秒結論”でスッキリします。
10秒で分かる結論
止まった景色(静止したもの)が逆向きに動いて見えるのは、
『運動残効』という錯視です。
動くものを見続けて脳がその動きに慣れる(順応)ことで起きる錯視です。
止まった瞬間、脳の「動きセンサー」のバランスがずれて、静止した景色が逆向きに動いて見えます。
次の段落へ(ブリッジ)
ここからは、小学生でも「なるほど!」となる言い方で説明します。
小学生にもスッキリ(噛み砕き版)
『運動残効(うんどうざんこう)』を、いちばん簡単に言うとこうです。
ずっと動いているものを見ていると、目と脳がその動きに慣れます。
そのあと急に止まったものを見ると、脳が「さっきの動きのつづき」を勘違いして、
止まってるのに、反対向きに動いているように見せちゃうんです。
(※この「慣れ」のことを 順応(じゅんのう) といいます。運動残効は“運動への順応に伴う残像”として説明されています。 )

「じゃあ、どんな場面で起きるの?」を“あるある”で一気に集めていきます。
1. 今回の現象とは?
「どうしてこんなことが?」と思う瞬間
運動残効は、特別な人だけが起こす現象ではありません。
むしろ、日常の中に“こっそり”潜んでいます。
このようなことはありませんか?(あるある例)
- 電車の窓から流れる景色を見続けたあと、止まったホームが逆に動いた気がする
- エスカレーターや動く歩道を見たあと、床が逆向きに流れた気がする
- スマホでずっとスクロールして、止めた瞬間に文字が戻るように見える
- 滝や噴水を見続けて、目をそらしたら周りがゆっくり動くように感じる
- ドライブで停止したのに、自分が後ろに下がった気がする

よくある疑問(キャッチフレーズ風)
- 「止まったのに動くのはどうして?“運動残効”とは?」
- 「見たあとに世界がズレる…これって脳のバグ?」
- 「滝を見たあと岩が上に流れるのはなぜ?」
この記事を読むメリット
- 「目がおかしいのかな…?」という不安がやわらぎます(多くは“正常な錯視”です)
- “脳がどう勘違いするのか”がわかり、日常の違和感を整理できます
- 似た錯覚(誘導運動など)との違いもわかり、混乱しにくくなります
ここからは、いちばん有名で想像しやすい「滝の体験」を物語で追いかけます。
2. 疑問が浮かんだ物語
滝の水を見たあと周囲が動く
休日、少しだけ遠出して、川沿いの滝を見に行きました。
水がザーッと落ちていく音が、胸の奥のざわざわまで流してくれるみたいで、気持ちがゆるんでいきます。
「……ずっと見ていられるなあ」
そう思って、滝の白い流れだけを、しばらく黙って見つめました。
目の前で起きているのは、ただの水の動きのはずなのに、なぜか心が落ち着くんです。
ところが、ふと視線を横の岩肌に移した瞬間――
岩が、ゆっくり“上に流れて”見えました。
「え? 岩って……動くわけないよね?」
そう頭では分かっているのに、目ははっきりと“動いている”と訴えてきます。
一瞬、現実がふにゃっと歪む感じがして、背中がぞくっとしました。
「今、私だけ違う世界を見てる?」
「目がおかしいのかな。疲れてるだけ?」
「でも、こんなにはっきり動いて見えるのに?」
不思議で、ちょっと面白い。
だけど、それ以上に気になるのは――自分の感覚を、信じきれなくなる感じでした。

「もし運転中だったら?」
「もし階段やホームで同じことが起きたら?」
そんな想像が頭をよぎって、楽しさの裏側に小さな不安が混ざります。
それでも視線を戻すと、滝は変わらず落ちている。
岩も、本当は動いていない。
なのに、“動いて見える”という事実だけが残る。
「私の脳は、いま何をしてるんだろう」
「どうして、止まっているものを動かしてしまうんだろう」
「この感覚には、理由があるはずだ」
ただ怖がるより、ちゃんと仕組みを知りたい。
“謎の正体”が分かれば、安心できる。
そしてきっと、次に同じことが起きても、落ち着いて受け止められる。
そんな気持ちが、じわじわと強くなっていきました。
目が嘘をついたのではなく、脳がまじめに働いた結果だとしたら――?
次は、この不思議に「名前」と「理由」をはっきりつけます。
3. すぐに分かる結論
お答えします。
その「滝を見たあと、周りが逆向きに動く」現象は、
『運動残効(うんどうざんこう)』です。
運動残効は、同じ方向の動きを見続けたあとに、
止まったものが“反対方向に動いて見える”錯視です。
前段階として大事なのは、これだけ覚えればOKです。
- 脳は「動き」を感じるしくみを持っている
- ずっと同じ動きを見ていると、そのしくみが**順応(じゅんのう:慣れ)**する
- 止まった瞬間、脳がバランスを取り直す途中で逆向きの動きを作ってしまう

ここから先は、運動残効をもっと面白くするために、
「どんな神経のしくみで起きるの?」
「誘導運動やベクションと何が違うの?」
「日常でどう活かせる?」
を、順番に深掘りしていきます。
次は「運動残効とは何か」を、正式な定義とたとえで“ガチでわかる”形にします。
4. 『運動残効』とは?
定義と概要
『運動残効(うんどうざんこう)』とは、
「ある方向の動きを見続けたあと、止まったものが反対方向に動いて見える」「錯視(さくし)」です。
錯視とは、外の世界に“実際の見た目の材料(視覚刺激)”があるのに、目〜脳の情報処理(補正・推定・順応[じゅんのう]=慣れなど)の結果として、物理的な現実とはズレた見え方が起きる現象です。
なお、錯視は「刺激があるのに見え方がズレる」もので、**刺激がないのに本物のように感じる幻覚(げんかく)**とは別です。
そして運動残効の場合は、動きを見続けたことで脳の“動きセンサー”(方向に反応する仕組み)が順応し、止まった瞬間にバランスが崩れて、静止しているのに逆向きの動きが生まれたように感じる──という形で説明されます。

『運動残効(うんどうざんこう)』
英語では モーション・アフターエフェクト(Motion Aftereffect:MAE) と呼ばれ、
滝の例が有名なので ウォーターフォール・イリュージョン(Waterfall illusion) とも言われます。
まずは体験で「なるほど」を作る(安全に)
NTTの「錯覚を体験」デモでも、
10秒ほど見つめたあとに止まると、縞模様が逆向きに動くように見えます。

※気分が悪くなったら、すぐ休憩してください(強い動きの映像は酔うことがあります)。
用語ミニ辞典(ここだけ押さえればOK)
- 順応(じゅんのう):同じ刺激を見続けて、脳の反応が“慣れる”こと
- 方向選択性(ほうこうせんたくせい):ある方向の動きにだけ強く反応する性質(神経細胞にあります)
では、その「慣れ(順応)」が、脳の中でどんなズレを起こすのか。ここから一段深く潜ります。
4.5不安解消FAQ
FAQ
Q1. 運動残効って、病気や異常のサインですか?
A. 多くの場合は病気ではなく、誰にでも起こりうる“錯視”です。
ただし、見え方の異常が長く続く/頭痛や吐き気が強い/片目だけで極端に起きるなど、日常生活に支障がある場合は別の原因もあり得るので、無理せず専門家に相談してください。
Q2. どれくらいの時間「動いて見える」んですか?
A. ふつうは数秒〜数十秒で弱まります。
見続けた時間が長いほど強く出やすいですが、同じ条件でも体調や集中度で変わります。
Q3. ぼんやり見ていても起きますか?
A. 起きます。運動残効は“意識の力”というより、脳の順応で起きる現象だからです。
ただし、集中して見ている方が強く感じたり、気づきやすくなったりすることがあります。
Q4. どうして「反対向き」に動いて見えるんですか?
A. 脳の“動きセンサー”が、片側だけ疲れてバランスが崩れるイメージです。
ずっと下向きの動きを見ていると「下向き担当」が弱まり、止まった瞬間に反対側が相対的に強く感じられて、逆向きの動きが生まれたように感じます。
Q5. どんなときに起こりやすいですか?(鉄板パターン)
A. 「一方向の動き」をじっと見た直後が起こりやすいです。
例:滝/電車の車窓/動く歩道/エスカレーター/スマホの連続スクロール/流れる字幕や映像。
Q6. スマホのスクロールで文字が戻る感じも運動残効?
A. かなり近い体験です。
“連続した動き”に順応したあと、止まった画面で逆向きの動きが混ざって見えることがあります。
※ただし、画面のちらつきや目の疲れなど別要因が重なる場合もあります。
Q7. 運転中に「後ろに下がった気がする」のも運動残効?
A. 似た体験ですが、別の要素(ベクション等)が混ざりやすいです。
運動残効は「見たあとに止まったものが動く」タイプ。
運転中の“自分が動いた感じ”は、周囲の景色に引っぱられる自己運動感(ベクション)が絡むことも多いです。
Q8. 誘導運動(周りにつられる)とは何が違う?
A. いちばんの違いは「いつ起きるか」です。
- 運動残効:動きを見た“あと”
- 誘導運動:周りが動いている“最中”に同時進行で起きやすい
混ざりやすいので、ここだけ覚えるとスッキリします。
Q9. 「残像(ざんぞう)」とは同じですか?
A. 似ているけれど別物です。
残像は色や明るさが残る現象。
運動残効は“動き”の順応で、止まったものが動いて見える現象です。
Q10. 子どもでも起こりますか?
A. 起こります。
ただし、強い動きの映像は酔いやすいこともあるので、遊び半分で長時間試すのは避け、安全第一で。
Q11. 気持ち悪くなるのはなぜ?対策は?
A. 強い動き刺激は「映像酔い」に近い反応を起こすことがあります。
対策はシンプルで、
- 短時間でやめる
- 視線を遠くへ逃がす
- 深呼吸して休憩する
これだけでも楽になります。
Q12. 自分で安全に試す方法はありますか?
A. ありますが、必ず安全な場所で短時間だけにしましょう。
階段・ホーム・運転中など危険な状況では絶対に試さないでください。
(記事内で紹介しているオンラインデモのように、止まった状態で見られるものが安全です。)
Q13. MT野(V5)って、運動残効と関係があるの?
A. 「動きを処理する脳領域」として研究でよく登場します。
運動残効の見え方と脳活動が対応する可能性が示され、仕組みを探る重要な手がかりになっています。
Q14. “音でも起きるかも”って本当?
A. 研究では「音の動き」が、その後の知覚に影響する可能性が探られています。
視覚ほど日常で強く自覚しやすいわけではありませんが、「順応」という共通テーマで面白い分野です。
Q15. 結局、運動残効を知ると何が得?
A. 不安が減って、日常の違和感を整理できるようになります。
「目がおかしい?」が「脳の順応だ」に変わるだけで、体験の質が変わります。
さらに興味が出たら、書籍や一次資料で深掘りすると理解が一段上がります。
FAQで“気になるところ”が解決したら、次は本題の深掘りです。
ここからは、運動残効が「脳のどこで・どう計算されるのか」を、やさしく順番に見ていきましょう。
5. なぜ注目されるのか?
背景・重要性=脳のしくみ
運動残効が面白いのは、ただの“変な錯覚”ではなく、
脳が「動き」をどう計算しているかを、かなり正直に暴いてくれるからです。
しくみを一言でいうと「天秤(てんびん)のズレ」
脳の中には、動きを感じる“センサー役”がたくさんあります。
そのセンサーは、方向ごとに分担しています(右向き係、左向き係…のようなイメージです)。
同じ方向の動きを見続けると、
その方向担当の反応が弱まります(=順応)。
止まった瞬間、
天秤が「片側だけ弱い」状態になり、
結果として反対方向が勝ったように見えてしまう。
これが運動残効の大枠です。

どこの脳が関係するの?(できるだけ正確に)
運動の処理に深く関わる領域として、よく登場するのが
MT野(エムティーや)/V5(ブイファイブ) です。
※補足:MT野(エムティーや)/V5(ブイファイブ)ってどこ?何をする場所?
位置(どこにある?)
MT野/V5は、目から入った情報を処理する「視覚の大脳皮質(だいのうひしつ)」の中でも、動き(モーション)に強い領域です。
人では、脳の外側(横側)にある 後頭葉(こうとうよう)と側頭葉(そくとうよう)の境目あたりにあり、外側後頭溝(がいそくこうとうこう)と下側頭溝(かそくとうこう)の交差付近が目印になりやすい、と報告されています(※溝=脳表面の“くぼみ”)。
また別の整理では、MT/V5は外側・前方・下方の後頭溝に囲まれる領域にある、とされています。
形(どんな形?)
サルの研究では、MTは小さく、だ円形(elliptically shaped)の皮質領域として記載されています。
一方、人では「MT単体」というより、周辺を含めた hMT+(エイチエムティープラス:ヒトのMT周辺を含む“動きの複合領域”)として扱われることが多く、厳密な境界はfMRIなどで“動きに反応する場所”として同定されます。
機能(何をする?)
MT/V5は一言でいうと、「視覚の動き」を読み取る中枢です。
とくに、動く刺激に対して強く反応し、動きの方向やスピードの知覚に重要だとされます。
運動残効(うんどうざんこう)への関わり(今回の現象で何をしてる?)
運動残効(モーション・アフターエフェクト)は、動き刺激を見続けた“あと”に止まったものが動いて見える錯視ですが、fMRI研究で、実際には止まった刺激を見ているのに「動いて見える」間、MT(V5)の活動がはっきり上がること、さらに錯視が続く時間と脳活動の時間変化がよく対応することが示されています。
つまりMT/V5は、運動残効を「目の気のせい」ではなく、脳内の“動きの計算”として起こる現象として支える重要な候補、という位置づけです。
この領域には、方向選択性をもつ神経細胞が多いことが知られています。
さらに、fMRI研究では、運動残効を見ているときに
人のMT(V5)で活動が上がること、
そして錯視の時間変化と脳活動の時間変化が対応することが報告されています。

一方で「MTだけが全部」ではなく、
複数の皮質部位が関わる可能性もレビューで整理されています。
“注意(ちゅうい)”でも錯視は変わる
運動残効は「見ているつもり」でも、
**注意や覚醒(しゃきっとしてるか)**の影響を受けうる、という指摘もあります。
つまり――
運動残効は「目だけの現象」ではなく、
脳の情報処理そのものが関係している、と考えられているわけです。
「注意や覚醒の影響を受けうる」というのは、運動残効が 起きる/起きない という話というより、
“どれくらい強く出るか・どれくらい続くか・どれくらい気づけるか”が、集中度や眠気で変わることがある
──という意味です。
“注意(ちゅうい)”でも錯視は変わるとは?
注意(ちゅうい)が影響する、とは
注意は「意識のスポットライト」みたいなものです。
動くものを見ていても、
その動きにスポットライトが当たっている(=ちゃんと注意を向けている)と、順応が強く出やすく、結果として運動残効も強く感じられやすい。
逆に、別の課題で注意をそらすと、運動残効が弱まる(または出にくくなる)ことが報告されています。
ただし研究は一枚岩ではなく、「注意の効果がはっきり出る条件/出にくい条件」があり、そこを整理したレビュー&メタ分析も出ています。
覚醒(かくせい)が影響する、とは
覚醒は「眠い/だるい/シャキッとしている」といった 脳全体の起動レベルです。
運動残効の脳研究では、見えている錯視そのものだけでなく、
実験中の 注意や覚醒の揺れが脳活動の測定を“混ぜてしまう(見え方や反応を変えてしまう)”可能性が指摘されています。
要するに、眠気や集中の波があると、
「錯視の強さ」や「脳の反応」を読み違えやすいので、研究ではそこを丁寧に切り分ける必要がある、ということです。
まとめ(誤解しやすい点を一文で)
運動残効は ぼんやり見ていても自動で起きうる一方で、
注意や覚醒しだいで“強さ・気づきやすさ”が上下することがある――これが「影響を受けうる」のニュアンスです。

ここまでで“理屈”は見えてきました。次は「じゃあ日常でどう役立つ?」に落としていきます。
6. 実生活への応用例
使い方・ヒント・メリット/デメリット
運動残効は、研究室の中だけの話ではありません。
実は、日常の「疲れた」「酔った」「違和感が残る」にもつながります。
応用例1:自分のコンディションのサインにする
スマホをずっとスクロールしたあとに文字が戻る感じ。
あれが出たら、脳がかなり動きに順応しています。
休憩の合図として使えます。
- 目を遠くに向ける
- 画面から離れる
- 深呼吸する
この3つだけでも、体感は変わりやすいです(個人差はあります)。
応用例2:研究の「道具」として使われる
運動残効は、運動の仕組みを調べるための定番ツールです。
実際に、デモとEEG(脳波)を組み合わせて運動システムを分析する目的で使う、という紹介もあります。
応用例3:VRや映像体験の設計(良くも悪くも)
強い動き刺激のあとに静止画を見せると、
“動いて見える”が起きやすい。
これは錯視アートとしては魅力ですが、
体調や安全に関わる場面では注意が必要です。
効果的に使うポイント(安全第一)
- 体験するなら短時間で
- 気分が悪くなったら即中止
- 階段・ホームなど危ない場所では“わざと試さない”
メリット
- 不安が減る(「目が壊れた?」ではなく錯視だと分かる)
- 脳の仕組みを、体験を通して理解できる
デメリット
- 人によっては酔い・気分不良が出る
- 「動いて見える」を現実と混同すると危ない(特に移動中)
便利さがある一方で、誤解もとても多い現象です。次は「間違えやすいポイント」を先に潰します。
7. 注意点や誤解されがちな点
限界も正直に
誤解1:「脳の故障」ではなく、むしろ正常な働き
運動残効は、レビューでも「順応による反応変化」が中核として説明されています。
つまり、脳がサボったのではなく、
効率よく処理するために“慣れる”性質が出ただけ、という見方が基本です。
誤解2:「いま動いている」ではなく「さっき見た動きの後味」
運動残効は“あと”に出る現象です。
いま目の前の岩が動いているわけではありません。
誤解3:似た錯覚と混ざりやすい(ここが一番ややこしい)
- 誘導運動(ゆうどううんどう):周りの動きにつられて、別のものが動いたように感じる(“同時進行”で起きやすい)
- ベクション(vection):景色が動くと、自分が動いている感じがする(自己運動感)
運動残効は「見たあとに、止まっているものが逆に動く」が芯です。
注意:場所依存が強い(“目のどこで見たか”が大事)
運動残効は、同じ網膜位置で起きやすい(網膜座標に依存しやすい)という性質が実験的に示されています。
なので「見方」次第で強さが変わり、
それがまた混乱の原因になります。
誤解しないための対策
- “あとに出る”現象だと覚える
- 気分が悪いときは試さない
- 安全な場所で、短時間だけにする
ここまでで「基本の地図」は完成です。次は、運動残効がもっと面白くなる“歴史の裏話”に寄り道します。
8. おまけコラム
歴史と、ちょっと意外な視点
0) 最古級の記録:アリストテレス(紀元前4世紀)の“気づき”
運動残効(モーション・アフターエフェクト/MAE)は、近代になって実験で整理された現象ですが、**「文章として残っている最古級の報告」**は古代ギリシャまでさかのぼります。
その人物が、哲学者であり“観察の人”でもあった **アリストテレス(Aristotle/紀元前384〜322年)**です。
アリストテレスは、理屈だけでなく「実際に見て確かめる」態度を重視し、動物の観察から政治まで幅広い分野に足跡を残しました(マケドニアの王子アレクサンドロスの教育に関わったことでも知られます)。
では、運動残効について何を残したのか。
彼の短編論集『パルウァ・ナトゥラリア(Parva Naturalia)』の一つ **『夢について(De Insomniis / On Dreams)』**に、次のような趣旨の記述が出てきます。
速い川など“動くもの”を見たあと、本当は止まっている物が動いて見えることがある。
これ、やっていること自体はシンプルで、ほぼ“観察実験”です。
- ① **流れのあるもの(川の流れなど)**をしばらく見続ける
- ② すぐ近くの 止まっている物へ視線を移す
- ③ 止まっているはずの物が、動いて見える
この「動いた刺激 → 止まった刺激で確認」という形は、後の“滝の錯視”の型と同じです。
研究史のレビューでも、MAEはアリストテレスが紀元前4世紀(便宜的に“約330BC”と書かれることが多い)に最初に報告したと整理されています。
※大事な注意:アリストテレスの文章は「現象が起きる」ことを語っており、向き(どちらに動いて見えるか)まで厳密に書いたかは議論があります(そこを史料として検討した論文もあります)。

古代の“気づき”は、約2000年後に「滝」で再点火します。
次は、運動残効が **“waterfall illusion(滝の錯視)”**として研究の流れに乗っていく話です。
1) 1834年、滝が「研究の火種」になった
運動残効は古くから知られていましたが、
1834年にロバート・アダムズ(Robert Addams)が、
スコットランドの滝(フォイヤーズの滝)での体験を文章で報告し、
その後の研究の流れを強く刺激した、と整理されています。
また、この現象が “waterfall illusion” と呼ばれるようになった経緯として、
**Thompson(1880)**が名付けた、という歴史的説明もあります。
※「滝が止められないから、隣の岩でテストした」
という“実験の都合”が、名称に残った…という指摘は、とても人間味があります。
なぜ「滝の錯視」と呼ばれるの?(1834年の“現地実験”)
運動残効は古くから知られていましたが、
**「滝を見たあと、岩が逆向きに動いて見える」**という有名な形で広まるきっかけの一つが、1834年のロバート・アダムズの報告です。
アダムズが滝でやったこと(実験というより“観察”)
やったことは、とてもシンプルでした。
- まず、スコットランドの **フォイヤーズの滝(Falls of Foyers)**の流れを、しばらくじっと見ます
- 次に、視線をすぐ横の 動かない岩肌に移します
- すると、岩が 上向きに流れるように見えた――これが運動残効です
「滝が止められないから、隣の岩でテストした」の意味
運動残効は「動きを見たあと」に出る錯視です。
本当は、動いていたものを止めて“同じ画面”で確かめられると分かりやすい。
でも滝は止められません。
だからアダムズは、滝の横にある 止まった岩を“テスト用”に使いました。
- 滝=順応(じゅんのう)させるための動く刺激
- 岩=錯視が出るか確認するための止まった刺激
この「順応」と「テスト」の2段階が分かると、
なぜ“滝の錯視”なのに岩が動くのか、納得できます。
名前はいつ付いた?
この現象が “waterfall illusion” と呼ばれるようになった経緯について、
**Thompson(1880)が名称として用いた(名付けた)**という歴史的整理があります。

2) ぐるぐる渦巻き版もある(渦巻残効)
※年代は前後しますが、ここからは「滝以外でも起きる代表例」として、渦巻き版を紹介します。
運動残効は、滝のような“自然の動き”だけでなく、ぐるぐる回る渦巻き(スパイラル)でも、とても分かりやすく体験できます。
ここで言う「教材デモでも紹介される通り」とは、
授業や理科・心理学の教材で、運動残効の代表的なデモとして“回転する渦巻き”が定番になっているという意味です。
たとえば教育用の資料では、渦巻きを回転させて中心を10秒以上見つめ、次に手の甲などの静止した面を見ると、皮膚が“うねうね動く”ように見える、と手順つきで説明されています。
またNTTの錯視デモでも、運動残効は上下左右だけでなく、回転するものを見つめても起きることが明記されています。
そして「Plateau(プラトー)1849」とは、
ベルギーの物理学者 ジョゼフ・プラトー(Joseph Plateau)が、渦巻き(スパイラル)を使った運動残効を1849年に報告した、という歴史的な整理のことです。
(Michael Bachの錯視解説では、渦巻残効がPlateauにより1849年に最初に記述されたこと、さらにPlateauの文献情報まで示されています。)
ざっくり体験の流れはこうです。
渦巻きが回る映像(または回転する渦巻き)を見つめて順応(じゅんのう=慣れ)したあと、壁や手の甲などの“止まった面”を見ると、今度はその面が逆向きに回ったり、うずを巻いたりするように見えます。

3) 実は「音」でも起きるかもしれない
運動残効は「目の錯覚」の代表選手ですが、研究では
音の“動き”でも似た現象が起きる可能性が探られています。
ただし一口に「音でも起きる」といっても、主に次の3タイプがあります。
1. まずは王道:耳にも「運動残効」がある(聴覚運動残効)
これは、いちばんストレートに分かりやすいタイプです。
ある方向に動く音をしばらく聞いたあと、
止まっている(または曖昧な)音が、反対方向へ動いたように感じられることがあります。
実際、古い研究では「視覚の滝の錯視(waterfall effect)の音版」として議論されており、
聴覚にも“方向ごとの解析器(センサー)”があるかもしれない、という考えにつながりました。
さらに、より条件を整えた研究では、
ロボットアームに取り付けたスピーカーで “実際に移動する音” を使い、
聴覚運動残効(aMAE:オーディトリー・モーション・アフターエフェクト)が調べられています。
この研究では、適応(順応)刺激とテスト刺激が
- **同じ場所(方向)**に近い
- **同じ周波数帯(音の高さの帯)**に近い
ほど残効が強く、たとえば 位置を約20°ずらすと効果が約半分に落ちる、
周波数が1オクターブ違うと効果が弱くなるといった“チューニング(選り好み)”が報告されています。
つまり、耳にも「動きに慣れる(順応)」しくみがありそうだ、というわけです。
2. さらに面白い:動く音を聞いたあと、目の「動き判断」がズレる
ここからが“最前線っぽい話”です。
研究の中には、動く音を聞いたあとに、視覚の運動知覚そのものが偏る(=視覚の運動残効に似た変化が出る)と報告するものがあります。
たとえば2016年の研究では、
左右に移動して聞こえる 440Hzの音(シンプルな音) を、バイノーラル(両耳)で作り、
それを“順応刺激”として提示しました。
その直後に、点が動く映像(ランダムドット・キネマトグラム)を見せて、
「左に動いた?右に動いた?」を答えてもらうと、
どちらに動いたと感じやすいか(判断のバランス)が変わることが示されています。
この論文自体も「聴覚刺激で視覚MAEが出るかは、過去研究で結果が割れていた」と整理したうえで、
“水平方向の音の動き”のように 運動手がかりが強い条件で効果を確認しようとした、という位置づけです。
3. 別ルート:音と動きを「結びつけた」あと、音が視覚を引っぱる
もう1つ、少しタイプが違う報告もあります。
こちらは「音そのものが動く」より、
音(高い・低いなど)と、視覚の動き(右・左など)を一緒に見せ続けることで、
あとから音が視覚の動き判断を“誘導”するようになる、というものです。
BMC Neuroscienceの研究では、
事前テストでは音だけで視覚は変わらないのに、
ペア提示(音+視覚運動)をした後だと、
音の条件で視覚の動き判断がずれることが示され、
しかも効果が 少なくとも2日続いた、同じ視野で起きやすい、といった点も報告されています。

ここまでのミニまとめ(混ざらないように一言で)
- 耳にも:動く音のあと、音が逆に動いたように感じる(聴覚運動残効)
- 目にも影響:動く音のあと、視覚の動き判断が偏る可能性(研究で検討)
- 学習型:音と動きを結びつけると、あとで音が視覚を引っぱる
「脳は感覚を別々に処理してるようで、実はけっこう混ざる」
――そんな視点が見えてきます。
次の段落へ(ブリッジ)
寄り道で“奥行き”が出ました。最後に、この記事全体をギュッとまとめて、あなたの生活に戻します。
9. まとめ・考察
高尚+ユニークに
まとめ(3行)
- 運動残効は「動きを見続けた順応」のあとに起きる錯視
- 脳の“動きセンサー”のバランスが崩れて、逆向きが見える
- 研究ではMT/V5など運動視の領域が関わる証拠もある
高尚な考察:脳は「節電」しながら世界を見ている
同じ動きを見続けると慣れる。
これは手抜きというより、
変化に敏感でいるための最適化に見えます。
変わらないものは省エネで処理し、
変わった瞬間にすぐ気づけるようにする。
だからこそ、順応の“反動”として運動残効が出る。
そう考えると、錯覚は「欠陥」ではなく「設計の副作用」です。
ユニークな考察:脳は真面目すぎて、たまに早とちりする
脳は、見えているものをそのまま写していません。
「たぶんこうだよね」を高速で推理して、世界を組み立てています。
だから、あなたが滝のあとに岩が動いたのは――
脳がサボったからじゃなく、頑張りすぎたからかもしれません。

読者への問いかけ
あなたなら、運動残効を
「不安の種」ではなく「脳の取扱説明書」として、どう活かしますか?
――ここからは、興味に合わせて応用編へ。
「運動残効って何?」で終わらせず、似ている現象と“言葉の地図”を増やして、日常の違和感を自分の言葉で説明できるようになりましょう。
次は、間違えやすい現象を“スッキリ仕分け”していきます。
10. 応用編
似ている現象・間違えやすい言葉
運動残効は「見たあと」に出る錯視です
ここを軸にすると、似ている現象が一気に整理できます。
誘導運動(ゆうどううんどう)/モーション・コントラスト
どんな現象?
周りの大きな動きにつられて、真ん中のものが逆向きに動いたように感じるタイプです。
“同時に起きる”ことが多く、運動残効(見たあと)と混ざりやすいポイントです。
見分けのコツ
- 誘導運動:周りが動いている“その瞬間”にズレる
- 運動残効:動きを見た“あと”、止まったものがズレる
次は、あなたの代表例(信号待ちで後ろに下がる感じ)とも関係しやすい現象です。
ベクション(vection)
どんな現象?
目の前の景色が動くと、「景色」ではなく自分が動いた感じがしてくる現象です。
電車で隣の車両が動き出した瞬間に、自分が動いた気がする…あれが代表例です。
見分けのコツ
- ベクション:主役は「自分が動く感覚」
- 運動残効:主役は「止まったものが動いて見える」
「同じ“動きの違和感”でも、どこが動いた気がするか」で仕分けできます。
残像(ざんぞう)/アフターイメージ(afterimage)
どんな現象?
強い光や色を見たあとに、視界に色や形が残る現象です。
これは“動き”というより、明るさや色の順応に近い話で、運動残効とは別枠として整理されます。
見分けのコツ
- 残像:色・明るさ・形が残る
- 運動残効:動きの方向が“逆に見える”
次は、映画や電光掲示板にもつながる「見かけの運動」です。
見かけの運動:フィ現象(phi)とベータ運動(beta)
どんな現象?
本当は動いていないのに、点灯が交互に起きるだけで動いているように見える現象です。
フィ現象は「2つの静止物の間に“動き”が生まれる」錯覚として説明されます。
運動残効との違い
- フィ/ベータ:刺激の出し方(連続提示)で“動きが作られる”
- 運動残効:動きを見た“あと”に、止まったものがズレる
ここまで来ると、「動きの錯覚」と言っても“種類が違う”のが見えてきます。
見えてるのに消える:運動誘発盲(MIB:エムアイビー)
どんな現象?
動く背景(マスク)があると、目立つはずの静止した点が、なぜか消えたり戻ったりする現象です。
運動残効との違い
- MIB:対象が“消える”
- 運動残効:対象が“動いて見える”

これで、あなたの中に「動きの違和感」を説明する語彙が増えました。
次は、もっと深く知りたい人向けに——本・縁の地・体験できる場所をまとめます。
11. 更に学びたい人へ(本・縁の地)
ここからは「読んで終わり」ではなく、
体験 → 理解 → 自分の言葉で説明まで進みたい人向けです。
おすすめ書籍
📘 錯視図鑑: 脳がだまされる錯覚の世界(杉原 厚吉)
特徴
- 錯視を多数紹介しながら、「なぜそう見えるか」を解説するタイプの図鑑です。
おすすめ理由
- 「運動残効」みたいな現象を、**“体験→納得”**で覚えられます。
- 読み物としても進みやすく、最初の1冊に置きやすいです。
📗 世界一美しい錯視アート トリック・アイズプレミアム(北岡 明佳)
特徴
- 錯視研究者として知られる北岡明佳さんの、錯視アート作品中心の本です。
おすすめ理由
- 難しい説明の前に、まず「うわ、動いて見える!」が作れます。
- 家族や友達にも見せやすく、記事の内容を“体験で再現”しやすいです。
📙 知覚心理学: 心の入り口を科学する(北岡 明佳[編著])
特徴
- 「感覚と知覚を研究するのが知覚心理学」という入口から、錯視・錯覚を軸に体系的に学べる構成です(分担執筆)。
おすすめ理由
- 運動残効を“単発ネタ”で終わらせず、知覚の全体像の中で理解できます。
- 「順応」「注意」など、記事に出てきた言葉が“学問の地図”につながります。
📕 錯覚の科学(チャブリス/シモンズ)
特徴
- 注意・記憶・認知のズレを、実験や事例を通して扱う科学読み物です(文春文庫の紹介でも“記憶のウソ、認知の歪み”に触れています)。
おすすめ理由
- 「脳のバグっぽい」が、ただの比喩ではなく、人間の情報処理のクセとして理解できます。
- 運動残効の“外側”にある、注意の話・思い込みの話までつながって面白くなります。
🌍 縁の地
フォイヤーズの滝(Falls of Foyers)/スコットランド
特徴
- ネス湖(Loch Ness)近くのフォイヤーズ村にある滝で、観光案内でも紹介される自然スポットです(落差などの説明あり)。
おすすめ理由
- 運動残効の歴史で語られる「滝の錯視(waterfall illusion)」の文脈に登場する場所として有名です。
- 記事を読み返したとき、知識が“景色”として思い出せるので、理解が定着しやすいです。
ここまで来たら、あなたはもう「運動残効」を“知ってる”だけじゃなく、説明できるところまで来ています。
次は、最初の物語に戻って——「わかった後、世界の見え方がどう変わるか」を結末として描きます。
12. 疑問が解決した物語
帰り道、私はさっきの滝を思い出していました。
岩が“上に流れて”見えたあの瞬間。あれは怖かったけれど、今はもう違います。
「運動残効(うんどうざんこう)か……」
ブログ記事で読んだ言葉を、心の中でそっとなぞりました。
動きを見続けたせいで、脳の“動きセンサー”が順応(じゅんのう=慣れ)して、止まった岩に逆向きの動きが生まれたように感じた――。
そう考えると、あの現象は“異常”ではなく、むしろ脳がまじめに働いた結果だったんだと分かります。
ふたたび滝の前に戻り、私は少しだけ試してみました。
滝を長く見続けないで、途中で視線を木や空にも分けてみる。
それでも岩が動いて見えたら、焦らずに深呼吸して、いったん目を休める。
「見え方がズレても大丈夫。これは“あとに出る錯視”だ」
そう自分に言えるだけで、心のざわざわが落ち着いていくのを感じました。
もしこれが、階段の前やホームの端で起きたら――。
そう想像してしまった不安も、今は行動に変えられます。
- 体調が悪いときは、強い動きの映像を見続けない
- 歩きながらスマホで“流れる画面”を追い続けない
- ふわっと違和感が出たら、立ち止まって視線を遠くへ逃がす
「知らなかったから怖かっただけで、知れば対策できる」
それが、今日のいちばん大きな収穫でした。
滝の音は相変わらずザーッと響いています。
でも今の私は、あの音を“謎の始まり”ではなく、
「脳の仕組みを思い出させてくれる合図」みたいに感じていました。

教訓
不思議な体験は、あなたを不安にするために起きるのではなく、
“脳のクセ”に気づかせてくれるサインかもしれません。
読者への問いかけ
あなたが次に「止まったのに動いた気がする」瞬間に出会ったら、
それを不安として終わらせますか?
それとも、「運動残効かも」と一度立ち止まって、落ち着いて観察してみますか?
13.文章の締めとして
ここまで、電車や信号待ちの「止まったはずなのに動く」違和感から始まり、
滝の前で岩が流れて見える不思議を追いかけて、
その正体が 運動残効という“脳の順応が生む錯視”だと確認してきました。
知識として理解しただけでなく、
「次に同じことが起きても、焦らずに受け止められる」
そんな心の余裕まで、少し手に入ったなら嬉しいです。
世界は同じ景色のままなのに、
あなたの脳の状態ひとつで、見え方はふっと変わります。
その事実は、少し怖いけれど、同時にとても面白い。
もし今日から、窓の外や滝やスクロールの動きを見たときに、
「今、脳が慣れてるんだな」と思えるようになったら。
あなたの毎日は、昨日より少しだけ“観察の目”を持った日常になります。
注意補足
本記事は、信頼できる公開情報をもとに、作者が個人で調べられる範囲でまとめた内容です。
ただし、学術的な解釈には複数の立場があり、これが唯一の正解とは限りません。
研究が進むことで、説明が更新されたり、新しい発見が出てくる可能性もあります。
🧭 本記事のスタンス
この記事は、「これが唯一の正解」ではなく、「読者が自分で興味を持ち、調べるための入り口」として書いています。
さまざまな立場からの視点も、ぜひ大切にしてください。
この記事で「もう少し知りたい」と感じたなら、その気持ちが消える前に、ぜひ文献や資料にも触れてみてください。
運動残効は、見たあとに“逆向きの動き”が残る現象でした。
学びも同じで、読み終えたあとに残る小さな違和感や好奇心こそが、次の理解へ動き出すきっかけになります。
あなたの中に残ったその“知りたい余韻”を、次は一次資料で確かめて、自分の目と頭で深めてみてください。
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
それではまた、あなたの視界にふっと現れる“余韻”——運動残効のように、次回の記事でお会いしましょう。


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