知識を使いこなす知恵を身につけることだと思います

漫画

ーーー最上拝 コンシェルジュ 

言葉までのあらすじ

業務を優秀にこなし、マニュアル通りに仕事をこなす、鬼塚小姫。知識も豊富で優秀な人材として仕事をこなしています。管轄外の対応や、部署の範囲を逸脱した業務は間違っていると考えます。痴漢行為をした客にも厳正な処罰を自身で行います。会社的にどの様な対応が正しいのか悩んでしまいます。

心に響いこと 考えたこと

仕事中の仲間同士の会話は、円滑さを促す効果もある一方で、業務中に話すべき姿勢としては正しいのでしょうか。鬼塚小姫の言う通り、会話は休憩時間に行い、仕事の効率を下げる話や、他の社員が働いている最中に話し続けることは避けるべきですよね。しかしその一方で、全く私語ができない職場だと息が詰まるかもしれません。

駐車場に停めた車が他の車に邪魔されて動かせないという苦情が寄せられた場合、管轄が違うからと他の部署に仕事を丸投げするのは適切なのでしょうか?お客さんが相談に来た場合、部署の区別など関係ありません。部署の決まりは会社の都合です。そのような場合には、相談を受けた側と担当の部署が連携し、柔軟に対応する必要があるのではとも考えられます。良いアイデアがあれば、部署に関わらず対応することも重要です。ただし、他の部署への介入は、その部署の人々の仕事や成長の機会を奪う行為とも言えます。簡単に対応できる人がすべての仕事をこなせば効率は上がるかもしれませんが、その結果、他の人はいつまでも対応することができなくなり、苦手なことを克服できなくなる可能性もあります。この点については鬼塚の言葉に納得できます。

レストランで席の予約を受けた場合、お客さんが『いい席をお願い』と言った場合、鬼塚は窓際の席を予約すると述べています。しかし、最上拝が考えるには、そのお客さんにとっての『いい席』は、料理人としてレストランの厨房で働くお客さんの息子さんが見える席のことだと思います。そして、最上の対応にお客さんは喜んでいるようです。『いい席』とは、マニュアルだけで用意できないのかもしれません。

良いところも悪いところも、両方の面が見られてしまう、マニュアルどの様に使いこなすべきなのでしょうか?なければ指針がなく不安であるし、守らなければ厳罰であるならば身動きが取れなくなってしまいます。よね。

その様な状態でも無難に業務をこなす鬼塚が、ある男性のお客に臀部を撫でられるという行為が起きます。鬼塚は相手男性の頬を平手で叩きます。

会社としては、困惑し、鬼塚に苦言を呈し、このような場合は報告し、会社からお客さんに注意をすると説明しますが、鬼塚は犯罪行為から身を守っただけであり、業務とは関係のないことだと主張し、なぜ抵抗してはいけないのかを問います。そこまで自身の行った行動に対して非を見つけることがないという、行動できる鬼塚を見習いたいです。

それでも、鬼塚も周囲の対応や自分の対応の違いが気になり、上司である最上にその考え方の違いを尋ねます。

最上は、マニュアルは知識であり、知恵を身につける必要があると諭してくれます。

難しいです、たしかにお客にも、会社にも損害を与えないような知識と知恵があれば、良いのかも知れませんが、理不尽であると感じた行為に対してまでも、自身の身を削ってまで対応すべきなのでしょうか?身を削らずとも抱きるものなのでしょうか?

私も、客からの理不尽な苦情に対して、会社側からこのような対応をされ、何度も辛い経験をしました。会社はお客から文句を言われてはいけないとし、文句を言われないように対応しろと求め、穏便に済ませられるスキルを向上させろと言わんばかりに、私の言い分を聞くふりをして、私に非があるように対応させようとします。その結果、怒りと失望だけが残ります。

私も、鬼塚のように、正しいことをしたと胸を張って言える知識、行動、業績、態度を身につけたいと思います。

全てのお客様が満足するような、理不尽と思われるような対応にも対処できる知恵を持てれば、お客様の立場を最優先に考える会社の対応に諦めを感じることもなく、過ごせるのかもしれません。会社もお客も自分も、三方良しとなる知恵を身に着ける事は出来るのだろうかと、考えさせられた、心に響き、感銘を受けた言葉でした。

マニュアルも大切ですが、厳格すぎると身動きが取れなくなってしまいます。ただし、マニュアルを守れない人が増えてしまっては、迷惑を被る人も増えることは確かです。

会社や社会は、自己防衛さえも行うことを、許さないのか、どこまでも周囲のことを慮らなくてはいけないのか、空気を読まないということは悪、という社会の仕組みのなってしまっているのではないかと、寒気がします。

正しいとは何か、それは私たちがずっと悩み続けることかもしれませんね。

物語の流れ

中途採用としてコンシェルジュに配属された、鬼塚小姫。

仕事ぶりは完璧で、非の打ち所がありません。

ところが、仕事中の私語を厳格に禁じたり、他部署の仕事にまで立ち入ることに苦言を呈したり、と正論とマニュアルを大切にします。

男性客にバーラウンジの案内を願われた際に、案内を始めようとするといきなり臀部を撫でられた時には、相手の頬を平手で叩きます。

流石に看過できなかったのか、社長の松岡は鬼塚を呼び出し注意します。けれども鬼塚は痴漢行為に対して身を守っただけであると、抵抗してはいけないのか?忠実に業務をこなしていると言います。

責められる理由もない、間違っていることも言っていないと言い切ります。

私には、このような事の何処までの行為が正当性が有り、何処までの行為が過剰防衛かは私には区別しかねますが、言いたいことも言えないのは精神的にも厳しいく辛いですよね。

鬼塚は、お客さんのためにレストランの席を予約します、そしてお客さんが言った、『いい席』をお願いという言葉に対して、窓際『いい席』を用意します。そしてそのお客さんを、席に案内したのですが、最上が席を変更していました。その席は奥まった場所であり、鬼塚は最低の席だと考えていましたが、お客さんにとっては、自身の息子が働いているところを眺められる、『いい席』であり、とても喜んでいました。

この様な出来事が起こると、鬼塚も自身の仕事ぶりに対して、思うところがあり、上司である最上に相談をします、自身の仕事にミスがあったのか?と

最上は仕事は的確であったが、自分ならばより喜ばれると考えて行動したと、間違える可能性もあったのだと、そのことを天秤にかけ、より良い仕事が出来る可能性を選んだと話してくれます。

そのことに対して鬼塚は、マニュアルを無視するのかと問います、その時に答えてくれた最上の言葉が

マニュアルというのは要するに知識の集大成です 言い換えればただの知識に過ぎません

大切なのは

知識を使いこなす 知恵を 身につけることだと思います

でした。

ミスをしても、その都度修正していけばいい。とも話してくれます。

知識や、マニュアルを大切にすることも必要ですが、その知識をどの様に使うのかを、考えられる知恵が必要なのですね。

しかし、その知恵も、いかにしてお客に喜んでもらえるかではなく、如何にして迷惑をかけないか、以下にして会社にとって不都合にならないか、ということに対して使うことが出来る、使えた者こそが優秀とされるような、社会になっていると感じられるのは、私が知恵を使い切れていないからなのでしょうか?

鬼塚のように、強気で自己防衛を主張できるようになりたいです。

鬼塚の仕事ぶりと、最上の諭し方を、直接読みたい場合は

コンシェルジュ 原作 いしぜきひでゆき 漫画 藤栄道彦 新潮社 BUNCHCOMICS

第3巻 第12話 ニューフェイスは完璧主義者

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。

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