すべりだいは ぜったいに うごいては だめだ。くしゃみを じっと がまんだぞ

絵本

ーーーゾウタロウ 

ぞうさんこうえんの滑り台は子供達に大人気、昼間は沢山の子供が遊んでいます。日も暮れて夜になると、もぞもぞと滑り台が動き出します。なんと、大きなくしゃみをしたのです「ぞーーっくしょん」と。滑り台の正体はゾウタロウで一家お父さんでした。奥さんのゾウコさん、長女のハナコ、長男のチビゾウの家族。仕事から帰ると一家団欒し、寝る前にはハナコとチビゾウ相手に滑り台になる練習をします。

楽しく遊んでいた滑り台も、ゾウタロウさんの努力と陰ながらの支えがあって楽しめていたのですね。

何気なく使っている道具や、当たり前だと思いこんでいる事も全ては誰かの努力、誰か達の支えがあって使えている、楽しめていているのですね。

日本では蛇口をひねれば水が出るのも当たり前ですが、その不自由のない当たり前が、行き届くように不自由に不便にならないように支えていくれている、誰か達がいるはずですよね。

今現在の当たり前も、時を遡れば当たり前ではなかった時もあったのでしょう、無かった事を有ることにしてくれた誰か、その事をつなぎ続けてくれた誰か達、その存在を忘れないように出来れば、今の全ての状態に感謝していけるのかもしれませんね。

当たり前を、当たり前にしてくれた、当たり前を当たり前にし続けてくれている誰か達がいることを、想像したくなる心に響く感銘を受けた言葉でした。

そんなゾウタロウが滑り台になっている、ぞうさんこうえんは、昼間は沢山の子供達が遊んでいます。

夜になり誰もいなくなるとゾウの滑り台は、もぞもぞと動き出し大きなくしゃみをするとともに、ゾウタロウに戻ります。

帽子をかぶり、今日の仕事は終わりと言いながら家路につきます。

自分が全く動かずに滑り台の役をこなしていても、子供達が上に登るための階段にはなれなかったようで、ハシゴを持ち歩いています。象がハシゴを持ち歩いているのはシュールな絵柄です。

なんと滑り台は、仕事で請け負っていたのですね。

他にも公園の遊具は、それぞれ何かしらの生き物が仕事として担っているのでしょうか?どの様な生き物がどの遊具の仕事を担っているのか考えるのも楽しいですよね。

家についたゾウタロウ、奥さんのゾウコ、娘のハナコ、息子のチビゾウが迎えてくれます、一家四頭家族ですね。

家に戻り子供達と一緒にお風呂に入ると、ゾウタロウは子供達に昼間の仕事の話をします。仕事の話だとしても公園の滑り台で楽しんでいる子供達の話を聴くのは二頭とも大好きな様子です。

公園の子供達は滑り台を、滑る楽しみ方だけではなく、沢山の方法を使い工夫し楽しんでいます。

単純に滑るという行為だけではなく、目の前に存在する物に対してどの様なアプローチができるのかと、滑ることのみに囚われないで考えられるような自由な発想力ができると、どんな対象であってもどの様な状況でも楽しめるのかもしれませんよね。

楽しみ方や楽しむ方法は無限大であるはずですから。

ゾウタロウは寝る前には子供達に滑り台になるための練習をします。

鼻をくすぐりながら、ゾウタロウ

すべりだいは ぜったいに うごいては だめだ。

くしゃみを じっと がまんだそ

絵本 ぞーっくしょん!より引用

と言います。

チビゾウはくしゃみをしてしまいますが、ハナコは上手にくしゃみを我慢しています。

その後ゾウタロウは滑り台の滑る部分になる象の鼻に、滑りがよくなるように、すべりだいクリームを塗ります。

そんなゾウタロウ一家ですが、ある朝なんとゾウタロウは風邪をひいてしまいました、くしゃみが止まりません。

困ったゾウタロウとゾウコ、ここで意気揚々とハナコが今日は私がお父さんの替わりになると言います。

ゾウコは心配しながらも、すべりだいクリームを鼻に塗ったハナコを送り出します。

はたして、ハナコは上手にゾウタロウの代わりを務めることができたのでしょうか?

楽しい雰囲気のゾウタロウ家族やハナコの公園での様子を直接読みたい場合は

ぞーっくしょん! 作 とみながまい

こどものとも年中向き 2019年2月号 通巻395号 福音館書店

を是非読んでみたください。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか楽しみです。

ゾウタロウの滑り台とは違った楽しみ方を子供達に提供できたハナコ。

裏表紙では弟のチビゾウに滑り台になるための練習をしているハナコが描かれていて温まります。

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