言葉までの経緯
船長同士の戦い
モンキー・D・ルフィ VS バギー
押され気味のバギーですが、どんなにルフィに詰め寄られようとも、自身のシャンクスに対する思いを変えるつもりはありません。
自身の財宝を奪ったという、考えに対する怒りを、シャンクスを許せないという自身の感情を。
自身の財宝というよりも、自身が手にするハズの、手にする計画の、予定の財宝なのですが。
話は、バギーとシャンクスの海賊見習いの頃に遡ります。その頃のバギーは悪魔の実の能力は持っておりません。
当然悪魔の能力と引き換えに、泳げなくなるという事態にも陥っていませんでした。
バギー自身も万年カナヅチにはなりたくないと言っています。海底の財宝も狙っているのですから泳げなくては取りにもいけない。と考えています。
そのような状況でしたが、シャンクスとバギーの乗る海賊船は敵船との戦闘になります。その戦闘時にバギーは、なんと海底に沈む富を記す宝の地図を手に入れます。
更には面白い戦利品が手に入ったと聞き、それが悪魔の実であり、その上その実を売れば、一億ベリーになるとも聞きました。一計を案じ、悪魔の実を食べる演技をして見事に悪魔の実を手中に収めます。万事うまく行ったかに思えたバギー。
宝の地図と悪魔の実を両手に持ち、人知れず大喜びをしていたバギー、でしたが、不意にシャンクスに声をかけられ慌てて、悪魔の実を口に入れてしまい、挙句の果てには驚きで、悪魔の実を飲み込んでしまいます。衝撃的な事実に大声を上げ取り乱し、シャンクスを掴みかかります。その時に手に持っていた宝の地図を手放してしまいます。浮遊しながら海に落ちていく宝の地図、その宝の地図を追いかけ海に飛び込むバギー、でしたが悪魔の実を食べてしまったことで、泳げなくなってしまっていました。間一髪シャンクスに助けられたものの、バギーはこの出来事をシャンクスのせいで、カナヅチになり悪魔の実を売って手に入れるはずの一億ベリーなくなり、海底の富も逃した。と考えています。シャンクスに助けられたと、ルフィは言っていますし実際に助けられたことも真実なのですが、バギー側の真実は、シャンクスのせいで、人生計画が遅れたと感じ、怒りを顕にしています。
人生計画が遅れたと、過去の出来事を話したあとに
バギーが言った言葉が
そしておれはフッ切れた!!
漫画 ONE PIECE 第3巻 第19話 〝悪魔の実〟 より引用
海中がダメなら 海上の全ての財宝を おれのものにしてやるとな!!!
このバラバラの能力で!!
でした。
心に響いたこと
吹っ切る。
確かに過去をいくら悩んでも、過去をいくら悔やんでも、誰かを妬んでも恨んでも、過去のことが変わる訳では無い。
無くなってしまった物や事実に執着しても、回復させる方法がないのならば、考えても仕方がない、時間の無駄なのでしょう。
頭では分かってはいたとしても、どうしても過去を反芻しどうして、何故と考えてしまいます。そして、誰かのせいにして恨み、そして責任を押し付けようと考えてしまいます。
そんなことをしても無駄であり、何も解決しないのにも関わらず、それどころか結局は自分が虚しく感じてしまうにも関わらず。何度も何度でも考えてしまう。ずっと過去に囚われてしまう事になってしまうのではないでしょうか。
特に今回は、一生物の付き合いとして、泳げなくなる、自身の計画が遅れてしまうという現在進行形で不利益を被っていると考えているとしたら、尚更過去に囚われてしまう力が強いのではないでしょうか。
しかしバギーは、フッ切れた。
と言い放ちます。
そして、ダメになったもの(海中の財宝)ではなく、いま出来ることに目を向けています。海中ではなく海上にある財宝ならば手に入れることができる!!と。前向きに、今の自分に焦点を当てて考え直しています。その大胆な発想転換、出来ることに注力する前向きな気持ち。
シャンクスに対しての怒りを忘れていないことから過去を振り返ってはいないとは言えませんが、逆にその怒りがまだ続いているのにもかかわらずに、あらたな人生計画を立て直す生き方。そしてその考えのもと、実際に行っている行動力。
そのような力も考え方も合わせて、心に響いた言葉でした。
考えたこと
海賊の実を食べてしまい、泳げなくなってしまい、確かに海中にあるかも知れない財宝を、直接自分では、手に入れることはできなくなってしまいました。
しかし、海賊の船長ならば人に任せる、命令して取りに行かせるということもできたのでは、とも考えてしまいます。しかし、自分には出来ないからという理由で人に頼るというのは、自分で手に入れたとは感じられないのでしょうか。人の力を借りるという感覚がないのか、全てを自身の手で成し遂げたいのかは分かりませんが。
あくまでも、自分は部下の上位互換であり自分でもできるが、部下に行動させたほうが効率が良いということを命令、指示するということが船長の器を示すことに、しいては船長の力を誇示することなのでしょうか。
出来ないことは出来ないとスッパリと切り捨て、その分野には手を出さない、他の分野を開拓するといった覚悟とも感じとることもできますが。
それに加えて、自身の人生計画をすでに考えていたということ事態も、志を感じさせられる部分でした。自身が泳げなくなったことで、10年の遅れを取ったということをハッキリと言い切って居ることにも驚嘆に値します。
現状の分析力や、客観的に見た今の状態から、人生計画を元の状態に立て直すまでの道筋を計算し考えられる力があるのでしょう。
予期せぬ出来事にも、落胆し続けず、何をするべきで、何を諦めるべきかをきちんと考慮し、今必要なことを今できることを行っている考え方にを見習いたいです。
勿論、自業自得な部分を盗人猛々しいといった部分にも抱えあらずにその矛先を他者への怒りへと転換していること。そして、助けてもらったことへ対する感謝がなかったりといただけないことも多々ありますし、泳げたとしても海底に沈む富を手に入れられたかは別ですし、ましてや海上の財宝を全て手に入れるという目標が10年で出来たのか、そもそも全て手に入れるということ事態妄想的な考えであり、出来ない可能性が大きいということはありますが。
前を見る、夢をもつ、そして実現に行動しているといことが、兎に角素晴らしいと感じられます。勿論泳げないことと引き換えに手に入れた、バラバラの能力による恩恵が気持ちを前向きにできたことも、出来ることへと思考を転換させることが出来たことに繋がったのでしょうが。自身の新しく手に入れた力を十二分に考察することもまた、その人物の力であり強さなのではないかと考えさせられました。
出来ることを見る、そして必要なことを行う。過去を引きずりすぎない。
どれも大切ですが、難しいです。
小さくても、少しずつでも行えるようにします。
皆様にとって、
今回の言葉はどのように感じられたのでしょうか。
少しでも新しい発見があれば幸いです。
今回の言葉を、
直接読んでみたい場合は
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第3巻 第19話 〝悪魔の実〟
を、是非読んでみて下さい。
皆様には、
どの様な新しい響きがあるのか、
楽しみです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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