しばらくの あいだ ふたりの ろうじんは わらいころげていたが

絵本

ーーー二人の碁打ち 

言葉までのあらすじ

ある男が蜜柑の山を持っていましたが、その中の1つは実がなりません。男は不思議に思い見に行くと1つの蜜柑を見つけます。その蜜柑は日々成長し巨大化します。その中では二人の老人が碁を打っていることがわかります。男は一方の老人に石の置き場所を教え、彼が勝利します。しかし、教えていたことがもう一人の老人にバレてしまいます。

心に響いたこと 考えたこと

巨大化した蜜柑の中には人がおり、さらにそこで囲碁を打っているという驚くべき出来事が描かれています。

私は、不思議なことや新しい経験に直面すると、避けたり後回しにしたり、恐れてしまう傾向があります。しかし、この物語からは、新たな体験や楽しみを追求し、行動することの重要性を感じました。同じ日々の繰り返しを避けるためにも、年齢を重ねるにつれてさらに楽しむことへの意欲を持つ必要があると感じています。

物語の主人公のように、不思議な出来事に臆せずに、興味津々で蜜柑を覗き込む行動力と好奇心を手本にしたいと思います。

そして、蜜柑の中にいた二人の老人は、楽しそうに囲碁を打っていましたが、一人はずっと負け続けているようでした。それでも彼らは囲碁を続ける理由は、おそらく二人の関係が素晴らしく、囲碁そのものが楽しいからなのでしょう。

私もそんな友情や趣味を見つけてみたいと思います。さらに、片方の老人がインチキをしていたことが発覚した時も、もう一方の老人は怒ったり責めたりせず、笑い転げる姿が印象的でした。

彼らは心に余裕とゆとりを持ち、お互いの存在を楽しんでいるのだと感じられました。長い年月を共に過ごしてきた二人なら、時を超えた絆と深い友情で結ばれ、囲碁に限らず日常のあらゆる瞬間を楽しむことができ、日々を謳歌出来るのではないでしょうか。

彼らの明るい笑顔からは、経験と知恵が溢れ出ており、時の流れに抗いながらも輝き続けることができるのだと、心に響いた、感銘を受けた場面でした。

話の流れ

ある男性は、多くの蜜柑山を所有していましたが、その中には一つだけ実をつけていない山がありました。

男性がその山を訪れると、茂みの奥に一つだけ大きな蜜柑の実がありました。その実は日々成長し、次第に大きくなっていきます。

その蜜柑は抱えるほどの大きさになり、男性が叩くと中から音が鳴ります。興味津々の男性は、蜜柑に耳を近づけると、中から会話の声が聞こえました。不思議に魅了された男性は、蜜柑に穴を開けて中を覗き込むことにします。

すると中には二人の老人がおり、囲碁を打っているのです。うむうむと唸っている老人と目が合った男性は、石の置き場所を教えます。

その教えられた老人は囲碁の勝負を有利に進めていきますが、これまで負けたことのなかったもう一人の老人は不思議に思います。

急に強くなったことに疑問を抱いた老人は振り向き、男性を見つけます。バレてしまっては仕方がないともう一人の老人は言います。

そして二人は あっはっは と笑い

しばらくの あいだ ふたりの ろうじんは わらいころげていたが、

せんにんみかん 伊豆の昔話 より引用

すっと立ち上がり、二人で男に碁石を投げ始めます。

不満もなく、不服もなく楽しそうに碁石を投げ合う二人、二人の老人が喜びに満ちた光景が場面が描かれています、このような状況や出来事に思いを馳せることができれば、多くの感動と喜びを思い起こせるのではないでしょうか。

その後二人の老人と男がどうなったのかを知りたい場合や、物語を直接読みたい場合は

せんにんみかん 伊豆の昔話  再話・絵 福地信夫 福音館書店

こどものとも 2019年1月号 通巻754号

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。 

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