ロロノア・ゾロの言葉です。
言葉までの経緯
ゾロ VS カバチ 両者の戦い。
ゾロは自身の志に対しての、現状に不甲斐なさを感じて自身の腹の傷を、自身の手により傷つけます。
世界一を目指している自分がこれくらいで負けるわけにはいかないという思いを込めて。
そんなゾロに対して、驚愕を受けつつも、自分に対してハンディをつけるなんてナメられていると感じるカバチ。
剣士にはこの先一度も負けないと言いながら、三刀流の構えをするゾロに対して、最高の曲技で迎え撃つカバチ。大量のコマをゾレにめがけて投げ込みつつ、建物の垂直の壁を一輪車で上り、頭上から攻撃を企てます。
ゾロは二人の戦いに邪魔が入りそうになったことで、気がそれたのか、カバチの頭上からの攻撃を躱しますが、間一髪でした。
カバチの攻撃をスレスレで避けつつも、腹の傷は重症で、血が止まりません。
満身創痍とも言えるような状況下で、
ソロが言った言葉が
もういい…
疲れた…
漫画 ONE PIECE 第2巻 第17話 〝格〟 より引用
でした。
重症で、相手からの攻撃を辛くも避けている状況の人物が、もういい、疲れた、と口にしたのならば、それは敗北宣言とも聴こえかねません。
カバチもそのように感じ取ったのか、勝負を諦めたな、当然、とあたかも、その言葉と状況で、勝負あったかのように、勝者かのように笑みを浮かべます。
ゾロが全く違う意味で、先程の言葉を言ったのにもかかわらずに。
ゾロはカバチに対して、蹴りをいれ軽々とカバチを地に這わせます。
そして、先程の言葉の真意を語ります。
ゾロはカバチに対して
お前の くだらねえ曲技につきあうのが
疲れたって 言ったんだ!!
漫画 ONE PIECE 第2巻 第17話 〝格〟 より引用
と言い放ちます。
勿論言葉の通り、疲れた疲れ切っていたゾロは、向かってきたカバチを、鬼斬りにより一蹴します。
心に響いたこと
疲れた、もういい、などと言う言葉を聞けば、
聞き手側としては、
言った本人は疲れたから投げ出したい、
もういいかんげんに止めたい、終わりにしたい。
と言っているのだと感じてしまうことが多いのではないでしょうか。
それも聞き手側にとっての都合の良いことを想像して。
今回のカバチもまさにそのような感覚になってしまったのでしょう。
無理もありませんよね、相手は腹に傷をつけられており、その上にハンディと言い放ちさらにその傷を広げるという暴挙。
そして動くだけで、攻撃を受け止めるだけでも声を荒げるほど痛みがある。
そして、自分の多彩な攻撃によってさらに、追い込んでいる、と思い込むような、そんな状況下で勘違いするなというのは、難しいことなのかもしれません。
だからこそ、
『もういい』
その言葉に込められた本当の意味は、ゾロが剣士としての戦いに対する真摯さを、真剣さをものがっているように感じられます。
また、剣士として曲技に対しているということへの不快感、疲れが重なり、この戦いを終わらせる、剣士としての戦いかたで。
そのような、決意を持った言葉なのではと、感じられました。
言葉の捉え方や、発する真意によって、ここまで意味に対する考え方が違ってしまうのだと、言葉の受け取り方にあらためて気をつけなくてはいけないとも考えさせられます。
一方は、相手が負けを認め勝負を終わらせる
一方は、このような戦いは相手を倒して終わらせる
どちらも、戦いを終わらせるという意味は同じなのですが、相手から見るか自身から見るかで、180度意味合いが変わってしまいます。
自分の都合の良い感じ方に身を委ねてしまうと危険ですね。
そして、もういい、と言い放ち、言葉通りに相手につきあわず瞬殺してしまうソロ、剣技と言葉とが相まって心に響きました。
皆様には今回の言葉はどのように感じられたのでしょうか。
少しでも新しい発見があれば幸いです。
今回の言葉を、直接読んでみたい場合は
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第2巻 第17話 〝格〟
を、是非読んでみて下さい。
皆様には、
どの様な新しい響きがあるのか、
楽しみです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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