🍚『めし』の語源と歴史 — 敬語から口語へ、言葉の意外な旅

考える

「めし」の本当の意味と歴史|ごはんとの違いと上品な語源の秘密

昔は上品な敬語だった『めし』が、なぜ今ではくだけた響きになったのか? 実はただの「ごはん」じゃない、その奥にある歴史をやさしくひもときます。

📖 目次

  1. 🍵 日常シーンから始まる小さな疑問
  2. 💡 すぐにわかる結論
  3. 🗝 「めし」のルーツと他の呼び方
  4. 📜 時代背景と使い分け
  5. 🛠 実生活での応用
  6. ⚠ 注意点と誤解
  7. 🍙 おまけコラム:干し飯の歴史
  8. 📚 さらに学びたい人へ(書籍紹介)
  9. 🎯 締めのメッセージ

🍵 日常シーンから始まる小さな疑問

カナ:お母さーん、めしできた?

母:カナ、その言い方ちょっと乱暴じゃない?

テレビや漫画でもよく聞く「めし」。でもなぜ、くだけた響きになったのでしょうか? そもそも昔は、もっと上品な言葉だったのです。

💡 すぐにわかる結論

  • めし」= 尊敬動詞「召す」→ 名詞形「召し」→「召し上がるもの」= 食事。
  • 室町時代から使用。もとは上品な語感、のちに口語化。
  • ごはん」= 漢語「飯(はん)」+「御(お)」→「おばん」→ 江戸末期に「ごはん」。
  • 古くは「いい」、保存食は「干し飯(ほしいい)」。

🗝 「めし」のルーツと他の呼び方

「めし」は尊敬動詞「召す」(食べる・着るなど)から派生した名詞形「召し」に由来。室町時代には「召し上がるもの」=食事全般を指す言葉として使われ始めました。

「ごはん」は全く別ルート。中国語由来の「飯(はん)」に丁寧の「御(お)」をつけた女房言葉「おばん」が音変化して江戸末に「ごはん」へ。

📜 時代背景と使い分け

室町期:いいに代わりめしが台頭。
江戸末期:ごはんが広く普及。
現代:めしはくだけた口語、ごはんは丁寧寄り。

使い分けのコツ

  • 家族・友人:めし/ごはん
  • 公的・改まった場:食事/お食事
  • 目上の相手:召し上がりますか

🍙 おまけコラム:干し飯(ほしいい)の歴史

干し飯は炊いた米を乾燥させた保存食。平安期の『延喜式』にもとして記録され、神饌や供御として制度的に備蓄されていました。

大阪・藤井寺市の道明寺ゆかりの道明寺糒は、やがて挽き割って道明寺粉となり、関西風桜餅や蒸し料理に利用されます。

📚 さらに学びたい人へ

日本語源広辞典

増井 金典(東京堂出版/2010年)
体系的に語源を収録。今回の「めし/ごはん」のルーツをさらに掘り下げられます。

〈目からウロコの〉日本語「語源」辞典

学研辞典編集部(学研/2004年)
日常語の語源をやさしく解説。家族で読んでも楽しい一冊。

米の日本史

佐藤 洋一郎(中公新書/2020年)
稲作と米文化の全体像。干し飯や食文化史の背景理解にも役立ちます。

🎯 締めのメッセージ

言葉は時代と共に姿を変えます。かつて敬語だった「めし」も、今では日常の口語に。背景には日本人の暮らしと文化が息づいています。

この「めし」の話に興味がわいたら、ぜひ文献に“召し”進んで、もっと深い味わいを探してみてください。
それではまた次の言葉でお会いしましょう――ごちそうさま「めし」た

最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました。

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