じゃあ僕と立場は同じですよね

漫画

ーーー久能整(くのうととのう)学生 

秋の空の元外は騒がしくなりながらも、自宅でカレー作りをしていた久能、そこに突然大家さんが訪ねてきます、なんと警察官の藪と一緒に!驚いてしまいそうなシチュエーションですが、久能は淡々と話していきます

朝から騒がしい 事件でもあったんですか? 同じ大学の寒河江 全然親しくない 何も知りません 火を消すので と焦るでも苛立つでもなく冷静に事実を話す久能

近くの公園で遺体が見つかり、その遺体は久能と同じ大学の寒河江とのことで、署まで任意同行を告げられたとき、部屋に戻り火を消してカレーが食べられないことと、改めて刑事を見て思うことがありそうな時に若干思うことがありそうな感情が垣間見られるくらい

警察署に着き取り調べ中も淡々と事実のみを話すしますが、マジックミラー越しには、第三者の後ろ姿が見え「この人です」と証言しています

寒河江と久能の関係は接点もあまりなく、良好とはいえなくお互いに近寄らない関係

それなのになぜか犯行時刻に目撃者の証言で久能と寒河江が言い争っているとの証言が

久能はなおも淡々と 自分が双子かもしれない、暗いのにどうして判断できるのか、警察の皆さんは証言者をよく知っているのか と問い詰めます

警察は 「善意の第三者」との返答がすると久能は

じゃあ僕と立場同じですよね 皆さんがよく知らない人物 それなのにどうしてその人が本当のことを言っていて 僕のほうがウソをついているって思えるんですか

ミステリと言う勿れ 第1巻より

確かに同じような立場で、同じような状況ならば正当性も証言の価値も同じはずなのに、初めの聴いたほう自分の都合の良い方、自分と関係性が良い方を重要視して、他の意見は軽視するどころか嘘や不誠実だと頭ごなしに決めつけ話をまとめようと、終わらせようとする、言い負かそうとする そのようなシチュエーションは悔しいが何度となく理不尽に向かい合わされることも多いのが事実です

そんな時大半は、違うと何度も言い続けるか、その場の空気を察して理不尽を受け入れる、言い争う根気と気力と今後の立場を天秤にかけて口惜しさよりも口を閉ざしたり、謝罪の態度さえとってその場をしのごうとしてしまいます、それが正しい行動なのだと、大人になることなのだと無理矢理に思い込みすごそうとします、たとえそれが心を閉ざして、心を傷つけてしまうとわかっていても…

言い返すとしても、苛立ちや、困惑や、焦りや、不快感、などなどが入り混じり感情がとても冷静に話しあえずに余計に立場を悪くしてしまうことも多々あります

また冷静に対応出来たとしても、今回の久能の反応を見た他の警察官も、なんか語るやつだ、めんどくせえぞ とむしろこちらを悪役に仕立て上げようと、自分側にとって都合の良い状況を作り出そうとされてしまいます

悲しくも悔しいですが、自分も相手も感情のある生き物、どうしても事実や真実を前に思い込み、自分の都合、便利さ楽なほうへと思考が傾いてしまうのでしょう

真実は一つかもしれませんが、見方や感じ方はそれぞれにあるのですから

理不尽に疑いをかけられた側でさえ、真実を語ることに対する対価と楽に終わられる事とに対する労力を天秤にかけて行動してしまうことがあるのではないでしょうか?

自分もこれまでに何度もそのような経験をしては、うまくこの場を乗り越える、切り抜けることを優先してしまい、あとになってなんで真実を語りきらなかったのか、なんで怒りを抑え切れずに反論ではなく反撃してしまったのか、落ち着いてこのように言えればもっと的確に表現できたのではないか、と何回も反芻してしまっています

その場を凌げたとしても、それ以降の時間を何度も反芻し、怒りや後悔をす続けるならば今回の久能のように冷静に淡々と どうして〜と相手に投げかけられるように感情を抑えられる、冷静に話せるように知識をつけたいと感じられた言葉でした

皆さんはどのように感じたでしょうか?久能整の言葉を直接感じたい人は

ミステリと言う勿れ 田村由美 フラワーコミックスアルファ 小学館

第1巻 Episode1 容疑者は一人だけ

を是非読んでみてください

どのような新しい響きがあるのか楽しみです

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