和語と漢語が共存する理由を、親子でもわかる実例で解き明かす
『イチ、ニ、サン』は日本語じゃない?数え方の由来を解説【ひとつ・ふたつとの違い】
代表例
運動会の練習で、みんなで声をそろえて
「イチ、ニ、サン…」と数える。
でも、家でお菓子を分けるときは
「ひとつ、ふたつ…」と言っている。

同じ“数える”なのに、なぜ言い方が2つあるのでしょうか。
ここから、スッとわかる順番で解いていきます。
10秒で分かる結論
結論:『イチ、ニ、サン』は、中国由来の漢字音(音読み)を日本語化した数え方です。
一方で『ひとつ、ふたつ』は、日本語にもともとある和語系の数え方です。
日本語には、この2系列(和語系・漢語系)が並んで使われています。
私たちは日常の中で、
日本由来の言い方と中国由来の言い方を、場面に応じて自然に選び分けているのです。
次で、まずは“あるある”から見ていきましょう。
小学生にもスッキリわかる答え
むずかしく言うと「語種(ごしゅ)」のちがいです。
かんたんに言うと、“ことばの出身地”がちがうだけです。
- 「イチ、ニ、サン」=中国から来た読み方の仲間
- 「ひとつ、ふたつ」=日本にもともとあった言い方の仲間
だから、どちらも日本語で、どちらも正しく使われています。
言い換えると、数字のことばは、日本生まれチームと中国由来チームの2つがあります。
私たちは、体育・勉強・会話などの場面で、知らないうちに使い分けているのです。

このあと、身近な例で「なるほど!」までつなげます。
1. 今回の現象とは?
このようなことはありませんか?
- 体育の号令では「イチ、ニ、サン…」が自然。
- 物の数は「ひとつ、ふたつ…」と言うことがある。
- 「11個って“じゅういっつ”?それとも“じゅういちこ”?」と迷う。
あるある疑問(キャッチコピー風)
「『イチ、ニ、サン』って日本語っぽいのに、どうして中国ルーツなの?」
この疑問は、かなり“あるある”です。
なぜなら日本語の数え方は、
和語系と漢語系が場面ごとに共存しているからです。
この記事を読むメリット
- 30秒で「2つの数え方」の正体がわかる
- 子どもに聞かれても説明できる
- 「11以上の言い方」で迷いにくくなる(「〜つ」は基本1〜10)
では次に、読者が「たしかに不思議」と感じる物語で、疑問をもう一歩深めます。
2. 疑問が浮かんだ物語
夕方、買い物帰りの親子は、少し湿った風の中をゆっくり歩いていました。
レジ袋の中で卵パックがかすかに揺れて、カタ…コト…と小さな音を立てます。
子どもがのぞき込みながら、「これ、いくつあるの?」と聞きました。
お母さんはいつものように「10個だよ」と答えます。
でも、その直後でした。
頭の中で、朝の体操教室の声がよみがえります。
「イチ、ニ、サン、シ…」とそろった掛け声。
同じ“数”を言っているはずなのに、家では「1個、2個」、教室では「イチ、ニ、サン」。
その切り替わりが、急に不思議でたまらなくなったのです。
「どうして場所が変わると、言い方まで変わるんだろう」
「どっちが本当の日本語なんだろう」
胸の奥に、小さな“?”がいくつも浮かびます。
分からないままにしたくない、子どもに聞かれたときにちゃんと答えたい。
そんな思いが、じわじわと強くなっていきます。

毎日使っている言葉なのに、理由を説明しようとすると言葉が止まる。
そのもどかしさこそが、この謎の入り口です。
そして今、お母さんは「知りたい」という気持ちで、次の答えへ一歩踏み出します。
3. すぐに分かる結論
お答えします
答えは、
『イチ、ニ、サン』は中国由来の“漢字音(音読み)”、
『ひとつ、ふたつ』は日本語由来の“和語”だからです。

日本語の漢字音は、もともと中国語の発音を取り入れて日本語化したもので、時代差によって呉音・漢音・唐音など複数の層があります。
一方で、和語側の数え方には「ひとつ〜とお」があります。
現代日本語では、11以上は通常「じゅういち、じゅうに…」と漢語系で言うのが一般的です。
(「つ」は和語数詞に付くため、基本は1〜9の範囲)
また、教育用資料でも、数え方に**和語系(ひとつ…)と漢語系(イチ、ニ、サン…)**の2系列が示されています。
噛み砕いていうなら
同じ「数える」でも、
“日本生まれのことば”と“中国から来たことば”を、場面で使い分けている、
ただそれだけです。
だから、あなたの「なんで2種類あるの?」は、
とても鋭い疑問でした。
結論はつかめたけれど、
「じゃあこれはどうなるの?」が残る方へ。
まずは、よくある疑問を先に3つだけ解消します。
3.5 30秒FAQ:先に迷いを解消
下の質問を開けば、
この先の章がもっとスムーズに読めます。
先読みFAQ(3問)
Q1. 『イチ、ニ、サン』は日本語ではないのですか?
A. 由来は中国語系の音読みですが、長く日本語の中で使われ、現在は日本語の一部です。
Q2. 『ひとつ、ふたつ』と『いち、に、さん』はどちらが正しいですか?
A. どちらも正しいです。場面に応じて自然に使い分けます。
Q3. 11は『じゅういっつ』ですか?
A. 標準的には「じゅういち」です。
「〜つ」は基本的に1〜10までで使うのが一般的です。
ここまでで“入口の疑問”は整理できました。
次は、歴史と仕組みをたどって、納得を「確信」に変えていきましょう。
ここまでで土台は完成です。
次の段落では、由来・歴史・使い分けのコツを、
もっと深く、でもわかりやすく整理していきましょう。
4. 『イチ、ニ、サン』と『ひとつ、ふたつ』とは?
まず定義をそろえます。
『漢語(かんご)』は、語種の一つで、
中国由来の語(+和製漢語を含む)とされます。
研究上も「漢字の字音(音読み)を基盤にした語彙体系」と整理されています。
一方で、『和語(わご)』は日本語にもともとある語彙群です。
今回のテーマで言えば、
- 「イチ、ニ、サン」→ 漢語系(字音系)
- 「ひとつ、ふたつ」→ 和語系
という整理になります。
さらに、常用漢字表を見ると、
「一」には イチ(音) と ひと・ひとつ(訓) の両方が載っています。
つまり日本語は、1つの漢字に“複数の読みの層”を重ねて運用している言語なのです。

由来と流入の歴史(正確にわかる範囲)
- 日本で漢字表記が早期に確認できる代表例として、5世紀ごろの稲荷山鉄剣銘が挙げられます。
- 日本語の語順を反映した漢字表記は7世紀ごろから現れる、と説明されています。
- 漢字運用の受容経路は、中国との直接交流だけでなく、朝鮮半島との交流が重要だった可能性が示されています。
※「稲荷山鉄剣銘(いなりやまてっけんめい)」は、
**稲荷山古墳から出土した鉄剣(国宝「金錯銘鉄剣」)に刻まれた文字(銘文)**のことです。
「銘(めい)」は、金属器などに刻んだ文の意味です。
この鉄剣には、表57字+裏58字の計115字が金象嵌(きんぞうがん)で刻まれており、古墳時代資料として非常に重要視されています。
要するに、
- 稲荷山鉄剣銘=「刻まれた文章(銘文)」
- 金錯銘鉄剣=「その銘文が入った鉄剣そのもの」
という関係です。
この資料は、5世紀の社会や古代史を考えるうえで価値が高いとされています。
音読みは一枚岩ではありません。
伝来時期の違いで 呉音・漢音・唐音 などの層があり、
語によって定着した読みが異なります。
つまり「誰か一人が持ち込んだ」より、
複数時代・複数ルートで重なって定着した、という見方が安全です。
次の章では、なぜ今でもこの2系列が共存し、むしろ便利に機能しているのかを見ていきます。
5. なぜ注目されるのか?(背景・重要性)
この現象が面白いのは、
古い言語史の話なのに、毎日の会話で起き続けている 点です。
国立国語研究所の解説でも、
和語・漢語は場面ごとに使われ方の傾向があり、
和語は日常会話寄り、漢語は説明的・専門的文脈で増える傾向が示されています。
だから私たちは、無意識にこうしています。
- 体感や身近さを出したい → 和語寄り
- 正確・事務的に伝えたい → 漢語寄り
脳・神経の観点(断定しすぎず、エビデンスに沿って)
ここは大事なので、正確に分けて説明します。
1) 「数そのもの」を扱うネットワーク
数の処理には、頭頂葉の**頭頂間溝(とうちょうかんこう / Intraparietal Sulcus, IPS)**が中核とされるモデルが広く知られています。
また、言語化された数(数詞)には角回(かくかい / Angular Gyrus)など左半球の言語関連部位が関わる整理もあります。
2) 「どの言い方を選ぶか」の制御
言語切替(スイッチング)研究では、
前補足運動野(pre-SMA)、前帯状皮質(ACC)、**尾状核(caudate)**などが関与すると報告されています。
3) 今回への当てはめ(ここは推定)
「イチ、ニ、サン」と「ひとつ、ふたつ」の使い分けは、
二言語の切替そのものではなく、同一言語内の語彙選択です。
ただ、上記研究から、
- 数の意味処理
- 発話形式の選択
が連動していると考えるのは合理的です(※直接比較実験は限定的)。
この章の要点は一つです。
“2種類あるから混乱する”のではなく、“2種類あるから伝え分けられる”。
日本語の強みはここにあります。

次は、日常でどう使えば得をするかを、具体例で一気に実践化します。
6. 実生活への応用例(使い方・メリット・デメリット)
ここからは「知識」を「武器」に変えます。
応用例1:親子会話での説明
子どもに聞かれたら、こう言えます。
「数える言葉には“日本生まれチーム”と“中国由来チーム”があるんだよ。
どっちも日本語で、場面で使い分けるんだよ。」
この一言で、
「なんで2種類?」が、
「なるほど、役割が違うんだ」に変わります。
応用例2:仕事・説明文
- やわらかく伝える → 和語寄り(例:ひとつ、ふたつ)
- 数量を正確に示す → 漢語+助数詞(例:3個、12件)
読み手の負担を減らせるので、
メール・資料・接客でも効果的です。
応用例3:学習・暗記
「〜つ」は1〜10までをまず確実に。
11以上は通常「じゅういち、じゅうに…」系で処理すると迷いが減ります。
効果的に使うポイント
- 迷ったら「正確さ優先」で漢語系
- 親しみやすさなら和語系
- 子ども説明では「ことばの出身地」比喩を使う
メリット
- 説明が通じやすくなる
- 相手に合わせた言葉選びができる
- 国語・日本語学習の理解が深まる
デメリット(使い方を誤ると)
- 漢語ばかりで固くなり、距離感が出る
- 和語ばかりで曖昧になる場面がある
- 相手や文脈に合わないと「伝わらない」
次の章では、このテーマで特に起きやすい“誤解”を先に潰していきます。
7. 注意点や誤解されがちな点
誤解1:「中国由来なら日本語じゃない」
これは誤解です。
日本語は、和語・漢語・外来語が共存する言語です。
漢語も日本語語彙の正式な一部です。
誤解2:「“〜つ”は11以上にも普通に使う」
教育資料では「〜つ」は独特で、11以上は「じゅういち…」で数えると示されています。
誤解3:「昔から今まで使い方は同じ」
同じではありません。
音読みは伝来層(呉音・漢音・唐音)を重ね、
時代ごとに定着語彙が変わってきました。
誤解4:「起源は一人の人物に特定できる」
現実は、複数世紀・複数ルートの蓄積です。
古代交流の資料はある一方で、単独の“発明者”モデルは取りにくいです。
悪用しやすい危険性(言葉の使い方として)
数字表現は“権威づけ”にも使えます。
難しい漢語を重ねると、正しそうに見えて中身が薄い説明が通ってしまうことがあります。
対策はシンプルで、具体例と平易語をセットで出すことです。
次は、読者が「へえ!」となる保存版コラムで、記憶に残る一歩を追加します。
8. おまけコラム:和語の“化石”は今も生きている
実は、和語の古い数え方は、完全には消えていません。
たとえば常用漢字表の付表にも、
- 二十歳(はたち)
- 二十日(はつか)
- 一日(ついたち)
のような形が残っています。
これは、言葉が「古いから消える」のではなく、
生活で必要な形は化石のように残る ことを示しています。
辞典系資料には、さらに古語として
「はた(20)」「みそ(30)」「よそ(40)」なども確認できます。
いま日常ではほぼ使いませんが、
日本語の地層として確かに存在してきました。
11〜19に相当する古い表現は、古典で“あまり”型が見られる
例として、古典の読みで「12日=とうかあまりふつか」のような形が紹介されています。

次は、ここまでの知識を一度まとめ、あなた自身の使い方に落とし込みます。
9. まとめ・考察
今回の本質は、
「どちらが正しいか」ではなく、
“二つあるから表現が強い” という点です。
- 和語は、体温のある言葉。
- 漢語は、精度の高い言葉。
この2本柱が同居しているから、
日本語は「親しさ」と「厳密さ」を同時に運べます。
体験につなげる問い
こんな経験はありませんか?
- 子どもに「なんで?」と聞かれて詰まった
- 説明が固すぎて伝わらなかった
- 逆に、やわらかすぎて誤解された
もしあるなら、明日からはこうです。
“内容は同じでも、言い方を選ぶ”。
それだけで、伝わり方は目に見えて変わります。
あなたなら、この2系列を、
家庭・仕事・学びのどこで最初に活かしますか?
――ここからは、興味に合わせて応用編へ。
「イチ、ニ、サン」と「ひとつ、ふたつ」の違いを手がかりに、
数のことばの語彙をもう一段増やし、
日常で出会う“数え方のモヤモヤ”を、
自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。
10. 応用編:間違えやすい言葉と、似た現象を一気に整理
まず押さえたい「混同しやすい2組」
① 和語/漢語
→ ことばの出身(語種)のちがいです。
文化庁の公用文の資料でも、
「ひとつ、ふたつ、みっつ…」は和語として整理されています。
② 訓読み/音読み
→ 漢字の読み方のちがいです。
文科省の資料でも、音訓(音読み・訓読み)と付表語が区別して示されています。
- 傾向としては
- 和語 → 訓読みになりやすい
- 漢語 → 音読みになりやすい
です。
(例:「ひとつ、ふたつ」は和語で訓として整理)
(例:「電話」は音読みの字音語)
- ただし例外がある
文化庁の常用漢字表でも、当て字・熟字訓など「1字1字の音訓では扱いにくい語」を付表で別扱いにしています。
つまり、実際の日本語は単純な1対1対応ではありません。
ひとことで言うと、
「和語=訓、漢語=音」は“入門として有効な近似”で、厳密には別分類です。
ポイント:
**語種(和語/漢語)と読み方(訓/音)**は、似て見えて別ものです。
ここを分けると、理解が一気にクリアになります。
よくある「間違えやすい」具体例
例A:一日
- 「いちにち」(1日間)
- 「ついたち」(月の1日)
同じ漢字でも、意味・場面で読みが変わります。
こうした語は常用漢字表の「付表」で語として示されています。
例B:一つ/1つ
公用文の考え方では、
数え方としての「一つ、二つ…」を漢数字で示す整理があります。
一方で、横書きでは算用数字(1つ、2つ)が広く使われる実態も併記されています。
例C:ひとり・ふたり
「人」の数え方は、
規則どおりだけでなく、慣用が強く残る代表例です。
学校教育・公用文でも、付表語として扱われます。
同じタイプの現象(“2レイヤー共存”)は他にもある
数え方だけでなく、
日本語にはやわらかい和語とかっちりした漢語が並ぶ場面がよくあります。
- はじまり(和語)/開始(漢語)
- おわり(和語)/終了(漢語)
- こたえ(和語)/返答(漢語)
この「場面で言い分ける」感覚が、
数え方の二系統(イチニサン/ひとつふたつ)にもそのまま表れます。
(※ここは現代語運用上の実感的整理です)
反対語はある?への答え
このテーマでの「反対」は、
厳密な意味の反対語というより、対概念として捉えると分かりやすいです。
- 和語 ↔ 漢語(語の出身の対比)
- 訓読み ↔ 音読み(読み方の対比)
つまり今回の核心は、
「どちらが正しいか」ではなく、
何を軸に比べているかをそろえることです。
歴史を1分で再確認(誤解防止)
- 5世紀ごろの稲荷山古墳出土の金錯銘鉄剣には、115字の銘文があり、日本語表記史の初期を考える重要資料です。
- 日本語の語順を反映した漢字表記の例は、7世紀ごろから見られると説明されています。
- 漢字受容は中国との交流だけでなく、朝鮮半島との交流が重要だった可能性も、博物館解説で示されています。
ここまで押さえれば、
冒頭の「なぜ2種類あるの?」に、
自信をもって答えられます。
ここまで読んでくださった方が、
実際につまずきやすいポイントを集めました。
必要なところだけ開いて読めるようにしています。
10.5 保存版Q&A:和語・漢語の疑問まとめ
完全FAQ(10問)
Q1. 和語=訓読み、漢語=音読み、で完全一致ですか?
A. 完全一致ではありません。
「語種(和語/漢語)」と「読み方(訓/音)」は別の分類です。
Q2. なぜ日本語に2種類の数え方があるのですか?
A. 日本語にもともとあった和語に、漢字受容とともに漢語系が重なって定着したためです。
Q3. 『一日』が「いちにち」と「ついたち」になるのはなぜ?
A. 同じ漢字でも、意味や慣用で読み分ける語があるためです。
Q4. 体育で『イチ、ニ、サン』が多い理由は?
A. 短く区切れてリズムを合わせやすく、集団での号令に向いているためと考えられます。
Q5. 子どもに一言で説明するなら?
A. 「数える言葉には“日本生まれ”と“中国由来”の2チームがあるんだよ」です。
Q6. 11以上で和語は使えませんか?
A. 現代の日常では漢語系が基本です。
ただし歴史的には和語系の古い表現もあります。
Q7. 『中国由来』と言うと反発されませんか?
A. 「由来」と「現在の所属」は別です。
由来が外でも、今は日本語の中で定着した語です。
Q8. 文章では『一つ』と『1つ』どちらが正しい?
A. どちらも使われます。
大切なのは、記事内で基準を決めて統一することです。
Q9. このテーマで誤解を避けるコツは?
A. 「どちらが正しいか」ではなく、
「場面で使い分ける」という軸で説明することです。
Q10. さらに深く学ぶ最短ルートは?
A. 入門1冊→助数詞1冊→漢字史1冊の順で読むと理解が定着しやすいです。
疑問が整理できたら、次は“学びを深める一歩”です。
次章では、目的別におすすめ資料を厳選してご案内します。
次は、さらに学びたい人向けのガイドです。
11. 更に学びたい人へ
ここでは、今回のテーマを深めるために、
実在が確認できる本を3冊だけ厳選して紹介します。
① 初学者・小学生にもおすすめ
『みんなでつくる1本の辞書』
(飯田朝子 著/寄藤文平 絵)
- 特徴:「どうして“1本”と数えるの?」という疑問から、
助数詞(じょすうし)を楽しく学べる構成です。 - おすすめ理由:文章がやさしく、親子で読みやすいです。
まず“数え方の面白さ”をつかむ入口に最適です。
② 中級者向け
『日本の助数詞に親しむ―数える言葉の奥深さ―』
(飯田朝子 著)
- 特徴:助数詞の成り立ちや使い分けを、
具体例つきで整理して学べます。 - おすすめ理由:「なんとなく使っていた数え方」を、
ことばの仕組みとして理解したい人に向いています。
③ 全体におすすめ(歴史までつなげたい人)
『漢字の歴史: 古くて新しい文字の話(ちくまプリマー新書219)』
(笹原宏之 著)
- 特徴:漢字が中国で生まれ、日本語とどう融合してきたかを、
歴史の流れで学べます。 - おすすめ理由:今回の「イチ・ニ・サンはなぜ定着したのか?」を、
時代背景から理解したい人にぴったりです。

この3冊を読むと、
「知っている」から「自分の言葉で説明できる」へ進めます。
12. 疑問が解決した物語
翌朝。
昨日と同じように、台所には卵パックが置かれていました。
子どもがまた、にこっとして聞きます。
「これ、いくつあるの?」
お母さんは、今度は迷わず答えました。
「10個だよ。
それとね、体操で言う“イチ、ニ、サン”は中国由来の言い方、
“ひとつ、ふたつ”は日本にもともとある言い方なんだって。
どっちも日本語で、使う場面がちがうだけなんだよ。」
子どもは「じゃあ、ことばには出身地があるんだね」と目を丸くします。
お母さんの胸にあった小さな“?”は、
すっとほどけて、あたたかい“なるほど”に変わりました。
その日からお母さんは、
「正しいかどうか」だけでなく、
「相手に伝わるかどうか」で言葉を選ぶようにしました。
たとえば、
学校の体操の話では「イチ、ニ、サン」。
おやつを分けるときは「ひとつ、ふたつ」。
親子で“言葉ノート”を作って、場面ごとの使い分けを楽しむようになったのです。
今回の気づきは、
違いは間違いではなく、使い分けるための知恵だということでした。
言葉をひとつ知るたびに、会話は少しやさしく、少し深くなります。

あなたなら、今日のどの場面で、
この「数え方の使い分け」を試してみますか?
13. 文章の締めとして
ここまで読み進めてくださったあなたは、
もう「イチ、ニ、サン」と「ひとつ、ふたつ」を、
ただの暗記ではなく、
**場面に合わせて選べる“生きたことば”**として持っています。
ことばの面白さは、
「どちらが正しいか」を決めることだけではなく、
「だれに、どんな気持ちで届けるか」を考えられることにあります。
和語のやわらかさに助けられる日もあれば、
漢語の正確さに救われる日もあります。
その両方を使えるあなたの日本語は、
もう十分に豊かです。
明日、誰かに「なんで数え方が2つあるの?」と聞かれたら、
ぜひ今日の話を、あなたの言葉で手渡してみてください。
その一言が、だれかの「?」を「なるほど」に変えるはずです。
補足注意
本記事は、執筆者が個人で確認できる範囲で一次情報・信頼性の高い資料を優先して作成しましたが、
学説・用語の整理・教育現場での運用には複数の立場があります。
したがって、ここでの説明は唯一絶対の答えではなく、理解の入口としてご活用ください。
また、言語研究は更新され続けます。
今後の研究の進展によって、解釈や説明の焦点が変わる可能性があります。

🧭 本記事のスタンス
この記事は、「これが唯一の正解」ではなく、「読者が自分で興味を持ち、調べるための入り口」として書かれています。
さまざまな立場からの視点も、ぜひ大切にしてください。
和語のやわらかさで興味の芽を育て、漢語の確かさで学びの根を深く伸ばす。
この先は、あなた自身のことばで、さらに深くたどってみてください。
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
和語で心を和ませ、漢語で意味を語りながら、これからもあなたのことばの旅が実り豊かでありますように。


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