辞書の根拠で語源を確認し、心のチクチクを言葉で整える
『イライラ』の『イラ』は『草のトゲ』って本当?語源を辞書で確かめたら、心が軽くなる理由まで見えてきた
代表例
レジであと1人、あと1人……と思っているのに、なぜか進まない。
「もうっ…」と感じた瞬間、胸の奥がチクチクしてきますよね。

この“チクチク感”、実は言葉の中にも残っているんです。
次で、答えを超短く出します。
10秒で分かる結論
結論:「イライラ」の「イラ」は、もともと**「刺(いら)」=草木のトゲを指す言葉です。
「イライラ(苛々・刺刺)」は、最初はトゲがたくさん出ている様子やチクチクする刺激を表し、そこから心が落ち着かない状態**の意味へ広がりました。
この先は「なぜ“心”の意味になったのか」を、根拠つきで順番にほどきます。
小学生にもスッキリ分かる(噛み砕き説明)
「イライラ」って、昔は**“トゲトゲしてチクチクする感じ”**を言うことがありました。
トゲが刺さるとイヤな気持ちになりますよね。
そのイヤな感じを、今は
「予定どおりにいかない」「うまくいかない」みたいなときの気持ちにも使っている、というイメージです。

ここから先は、大人向けにもう少し“言葉の変化”を深掘りします。
1. 今回の現象とは?
「イライラする」の語源で、こんな話を聞いたことはありませんか?
- 「イライラの“イラ”って、草のトゲなんだよ」
- 「えっ、感情の言葉なのに、植物が関係あるの?」
- 「それって本当?だとしたら、どうしてそうなったの?」
ここで、よくある“あるある”を並べます。
1つでも当てはまったら、今日のテーマど真ん中です。
このようなことはありませんか?
- 予定がズレただけで、なぜか心が落ち着かなくなる
- 連絡が返ってこないだけで、胸の奥がムズムズする
- 相手は悪くないのに、言い方がトゲみたいに刺さって感じる
- 些細な音や通知が、やけにうるさく感じる
そして頭に浮かぶ疑問は、だいたいこの形になります。
キャッチフレーズ風の疑問
- 「イライラの『イラ』とはどうして“トゲ”なんですか?」
- 「イライラはなぜ“心の状態”の言葉になったんですか?」
- 「苛々(いらいら)って、どうしてこの漢字なんですか?」
答えはまだ出しません。
不思議なこの現象、それには名前があり、辞書に載っている根拠もあります。
その正体を、一緒に確かめていきましょう。
この記事を読むメリット
- 「イライラ」を言葉の由来から理解でき、気持ちが整理しやすくなります
- 「ただの感情」ではなく、**仕組み(意味の変化)**として捉えられます
- 説明の根拠を示すので、「聞いた話」では終わりません(辞書・図書館レファレンス等)
では次は、もっと身近に感じるために“物語”で入ります。
2. 疑問が浮かんだ物語
夕方、家でパソコンを開いて作業を始めた主人公。
ところが、保存しようとした瞬間に画面が固まります。
「…え、動かない。なんで今?」
再起動、更新、待機。やるほど時間が溶けていく。
心の中が、だんだんトゲトゲしてきます。
胸の奥がチクチクして、呼吸が浅くなっていく感じ。
「私、こんなに怒りたいわけじゃないのに…」
「でも、なんでこんな気持ちになるんだろう」
「そもそも“イライラ”って、なんでこんな名前なんだろう」
そこでふと思い出します。
「イライラの“イラ”って、草のトゲだって聞いたことがある」

――え?感情の言葉なのに、植物?
謎が増えたぶん、知りたくなってしまう。
この先で、辞書に載っている意味と、どう変化したかを一緒に確認しましょう。
3. すぐに分かる結論
「イライラ」の「イラ」は、もともと**「刺(いら)」=草木のトゲ**を指す言葉です。
そして「イライラ(苛々・刺刺)」は辞書上、
①トゲがたくさん出ている様子 → ②チクチクする刺激 → ③神経が高ぶる(心の状態)
というふうに、意味が広がってきたと整理されています。
ここまでを一言でまとめると、こうです。
「体のチクチク(トゲ)」をたとえにして、心のチクチクも『イライラ』と呼ぶようになった、という流れです。

このあと本文では、
- 「刺(いら)」が辞書でどう説明されているか
- 「苛々(いらいら)」の古い意味がどう残っているか
- 似た言葉「苛立つ(いらだつ)」ともつながる理由
を、根拠を示しながら深掘りします。
ここから先は、辞書・言葉の変化・脳と神経まで深掘りします。
ただ、その前に――検索で特に多い疑問を、FAQでサクッと潰しておきます(3分で読めます)。
3.5. 「イラ=刺(いら)?」を3分でスッキリ
ここからは、読者さんがつまずきやすいポイントをQ&Aで整理します。
気になるところだけ開いて読めるので、辞書を引く前の“整理箱”として使ってください。
よくある質問(FAQ)
※「質問は検索されやすい語彙」を含め、回答は記事内容の範囲で断定しすぎない書き方にしています。
Q1. 『イライラ』の『イラ』は本当に「刺(いら)=トゲ」なんですか?
A. はい。辞書では「いら(刺)」を草木のトゲとして説明しているものがあり、そこから「いらいら」が派生した流れが整理されています。
ただし「特定の植物1種類が語源」と決め打ちするより、“トゲ一般(刺)”が核と考えるほうが安全です。
Q2. どうして「トゲ」から「心の状態」の意味になったんですか?
A. もともとの「チクチクする刺激」を、気持ちの不快感にたとえることで意味が広がった、と捉えると自然です。
日常でも「言葉が刺さる」「胸がチクチクする」など、体の感覚で心を説明する表現はたくさんあります。
Q3. 『苛々(いらいら)』の漢字はなぜこの字なんですか?
A. 「いらいら」は表記が複数あり、刺さるイメージに寄せた表記(例:刺刺)と、心理的な不快・いらだちに寄せた表記(例:苛々)が並びます。
表記の違いは「意味の寄り方」の違いとして見ると混乱しにくいです。
Q4. 『苛立つ(いらだつ)』と『イライラ』はどう違いますか?
A. どちらも「落ち着かない・高ぶる」方向ですが、
苛立つ:何かに対して“立ってくる”感じ(高ぶりが前面)
イライラ:刺激が“刺さってチクチク続く”感じ(持続する不快)
…のように、体感のニュアンスで使い分けるとしっくりきます。
Q5. 『イライラ』はオノマトペ(擬態語)なんですか?
A. 見た目はオノマトペっぽいですが、記事で扱ったように「いら=刺(トゲ)」という語の核があり、畳語(同じ語を重ねる)で状態を強めた、と考えると理解しやすいです。
「音だけの言葉」ではなく、意味の骨格があるタイプだと言えます。
Q6. 『イラクサ(刺草)』は語源と関係あるんですか?
A. イラクサは“チクチク”を体で理解できる代表例で、説明の補助としてとても優秀です。
ただし「イライラ=イラクサ由来」と断定するより、刺(いら)=トゲという核が先にあり、そこから植物名にも広がった可能性がある、と整理するほうが誤解が減ります。
Q7. 「イラ(刺)」の意味は、今でも残っているんですか?
A. はい。現代でも辞書や植物名(イラクサ等)を通じて、古い語彙として痕跡が残っています。
だからこそ「こじつけ」ではなく、「言葉の歴史の残り香」として扱えます。
Q8. 「昔のイライラ」は、今と同じ“怒り”の意味だったんですか?
A. 「怒り専用」と決めるより、刺激や不快感の側面も含むと考えたほうが自然です。
そこから心理的な意味に寄っていき、今の用法が強くなった――という流れで読むとスムーズです。
Q9. 脳や自律神経の話は、イライラの「原因」を断定できるんですか?
A. 断定はできません。この記事の脳・神経の話は、あくまで「起こりやすさの背景」を説明する一般論です。
ただ、“刺激に反応して高ぶる仕組み”として見立てると、対策(呼吸・休息・言語化)が立てやすくなります。
Q10. いますぐできる「イライラ対処」を1つだけ教えてください
A. まずはこれだけでOKです。
「イライラ( )」のカッコに一語入れる(例:焦り/不安/疲れ)。
言葉にすると、感情が“塊”から“扱える情報”に変わります。
Q11. 「あなたの言葉、トゲみたい」は使っていいですか?(人間関係での注意)
A. 強い言い方なので注意が必要です。相手を責める武器になりやすいからです。
代わりに、主語を自分にして
「今の言葉、私はちょっと刺さったかも」
のように言うと、関係を壊しにくくなります。
Q12. 子どもに説明するなら、どう言えばいい?
A. こんな言い方が伝わりやすいです。
「イライラの“イラ”は、昔の言葉で“トゲ”のこと。トゲが刺さるみたいに、心がチクチクするときに使うんだよ。」
疑問がほどけたら、ここからが本編です。
次の章では「刺(いら)」が辞書でどう説明されるかを起点に、言葉がどう変化したのかを順番にたどっていきます。
さあ、言葉の中の“トゲ”を、もう少し近くで観察してみましょう。
4. 『イライラ(苛々・刺刺)』とは?
定義と概要
まずは辞書的に、いちばん大事な要点をまとめます。
結論の核(ここだけ覚えればOK)
- 「いら」=刺(いら)=草木のトゲ
- 「いらいら(苛々・刺刺)」=“トゲトゲ”→“チクチク刺激”→“心が落ち着かない”へ意味が広がった
- 似た言葉の 「いらだつ(苛立つ)」も元は“毛やトゲが立つ” という物理表現が先にあります
ここで重要なのは、
「心の言葉」だと思っていたのに、出発点は“皮膚感覚”だったという点です。

『イラ』という語は、どこに残っている?
「いら」は辞書で、はっきり 草木の刺(トゲ) と説明されています。
さらに面白いのが、「いらくさ(刺草)」=触れると痛い植物名としても残っていることです。
コトバンクの説明でも、茎や葉に刺激のある刺があり、触れると痛いとされています。
つまり「イラ=トゲ」は、
“こじつけ”というより、古い語彙として辞書に残っているタイプの話です。
由来・初出は?(できるだけ正確に)
古い辞書・文献の世界では、
「いら(刺)」や、それに関連する語(いらら等)が 古い時代の資料に見えることが示されています。
また「いらいら(苛々・刺刺)」は、辞書上「いら=トゲ」の説明とともに、意味の段階(トゲ→刺激→心理)も載っています。
ただし、ここは誠実に補足します。
中世の資料の扱いについては、研究側で「初出の扱いは慎重に」という議論もあります(例:『名語記』が語源辞書である点など)。
だから本記事では
「“何年のどの文献が最初”を断定しすぎず、辞書に載る“語の核”を確実に押さえる」
という方針で進めます。
次は、―「じゃあ、なぜ心の意味になったの?」を、納得できる形で説明します。
5. なぜ注目されるのか?
背景・重要性:言葉→脳→感情
① 言葉の変化として面白い:体の痛みが、心の痛みになる
「いらいら」は辞書でも、
最初は トゲがたくさん出ている様子や ちくちくする刺激を表し、そこから心理状態を表すようになった流れが整理されています。
これ、日常でも似た表現がありますよね。
- 「胸がチクチクする」
- 「言葉が刺さる」
- 「心にトゲが残る」
体の感覚で、心を説明する。
人間は、これをものすごく自然にやっています。
② 脳と神経の面でも“起こりやすい”仕組みがある
ここからは、科学(エビデンス)で「イライラっぽさ」を見に行きます。
※病気の診断ではなく、一般的な仕組みの説明です。
ストレス反応は「速いルート」と「遅いルート」がある
ストレス反応は大きく
- 速い反応(交感神経など)
- 遅い反応(ホルモン系:HPA軸)
に分かれる、という整理がされています。 - HPA軸(エイチピーエーじく):視床下部→下垂体→副腎皮質、のホルモンの流れ
- 交感神経(コウカンシンケイ):体を“活動モード”に寄せる神経
ストレスが続くと、交感神経が優位になり続けて心身の不調につながる、という説明も公的情報で示されています。
「扁桃体」と「前頭前野」が、イライラの“燃料とブレーキ”になりやすい
- 扁桃体(ヘントウタイ):危険や脅威に素早く反応する“警報装置”のような役割
- 前頭前野(ゼントウゼンヤ):衝動を抑えたり、状況を整理したりする“ブレーキ”役
研究や解説では、恐怖・不安などの反応に扁桃体が関わり、前頭前野が調整に関わることが示されています。
つまり、ざっくり言うとこうです。
イライラは「警報が鳴る」+「ブレーキが効きにくい」時に強まりやすい
この“ブレーキが弱まる”話は、大学の解説でもストレスが前頭前野の働きを弱めうる、という形で説明されています。

実験例:恐怖映像で、脳と交感神経のつながりを見る研究
日本の研究機関の発表では、ホラー映像などを用いて、
交感神経の反応と関連する脳領域や、扁桃体との結びつきが強まることが示された、という報告があります。
「怖い」「焦る」「落ち着かない」――
こういう状態は、体の反応(自律神経)と脳がセットで動きやすい、ということですね。
次は、ここまでの理解を「日常でラクになる形」に落とし込みます。読み終わった瞬間から使える章です。
6. 実生活への応用例
使い方・ヒント集:メリット/デメリット
ここは“語源記事”なのに、あえて実用に振ります。
理由は単純で、意味がわかると対処がしやすいからです。
イライラを「トゲ反応」として扱う(今日からできる)
イライラしたら、こう言い換えてみてください。
「今、心にトゲが立ってるだけ。トゲ抜きしよう」
それだけで「自分=イライラ」になりにくくなります。
(感情と自分を切り離す=巻き込まれにくくする)
コツ①:感情に“名前”をつける(ラベリング)
科学的にも面白いのがこれです。
感情に言葉でラベルを貼る(例:「焦り」「不安」「怒り」)と、
扁桃体の反応が弱まる可能性が示された研究があります(fMRI研究)。
やり方(10秒)
- 「いまのは 怒り というより 焦り だ」
- 「本音は 不安 だ」
- 「体が疲れてて 過敏 になってる」
これだけで、脳の“警報”に言葉で整理を入れるイメージです。
コツ②:交感神経が上がったら、まず“吐く”
公的サイトの説明でも、交感神経と副交感神経はバランスを取りながら切り替わる、とされています。
なので、イライラの瞬間は「考え直す」より先に、
体のスイッチを少し戻す方が効くことがあります。
やり方(30秒)
- 口から細く、ゆっくり吐く(吐く方を長めに)
- そのあと鼻から吸う
- これを3回
※呼吸法は体感差があるので「合う人は武器になる」程度に捉えてください。
メリットとデメリット(正直に)
メリット
- イライラを“説明できる状態”にできる
- 衝動的な言動が減りやすい
- 「原因探しの沼」から抜けやすい
デメリット(落とし穴)
- 「ラベリングしたから完全に消える」と期待しすぎると逆につらい
- 「私はこういう人間だ」と固定化すると、改善の余地が狭まる
次は、語源系の記事でいちばん大事な章です。誤解が生まれやすいポイントを、先に潰します。
7. 注意点や誤解されがちな点
限界・危険性も含めて
誤解①:「イラ=トゲ」はウソ?こじつけ?
結論から言うと、
辞書で「いら=草木の刺(とげ)」が示されており、
「いらいら」の説明でも「いらは元来とげの意」と書かれています。
なので、「完全な作り話」と切るのは不正確です。
誤解②:じゃあ「苛々」の漢字はどうして?
「いらいら」は辞書見出しで
苛々/苛苛/刺刺 のように複数表記が並びます。
- 刺刺(シシ):トゲトゲの“原像”に寄った表記
- 苛々(カカ):意味が心理側(いらだたしい、苦しい)に寄った表記
…というふうに、表記の並び自体が「意味の広がり」を映しています。
誤解③:「昔から“怒り”の意味だったんでしょ?」
辞書には、物理刺激(ちくちく)や光・暑さの刺激を表す用法も載っています。
つまり昔は「怒り専用」ではなく、
刺激一般 → 不快感 → 心理に広がった、と見る方が自然です。
悪用しやすい危険性(ここ大事)
語源を知ると、便利な言い方ができます。
「あなたの言葉、トゲみたい」
「今、私トゲトゲしてるから仕方ない」
でもこれ、使い方を間違えると
- 相手を責める道具になる
- 自分の攻撃性の免罪符になる
ことがあります。
語源は「正しさの武器」じゃなく、
関係を壊さないための取扱説明書として使うのがおすすめです。
次は、話が少し楽しくなる“おまけ”です。知ると文章の厚みが一段増します。
8. おまけコラム:イライラは『オノマトペ』なの?
「イライラ」は見た目が完全に擬態語っぽいので、
オノマトペ(擬音語・擬態語)として語られることも多いです。
でも実は、辞書や調査例では
「いら(刺)」=草木のトゲを核にして、意味が広がってきた流れが整理されています。
ここでの面白さは、こうです。
- 「イライラ」はただの擬態語ではなく
- **名詞(いら=トゲ)**を核にして
- 畳語(じょうご)(同じ語を重ねる言い方)で“状態”を強め
- **感覚(チクチク)→感情(落ち着かない)**へ伸びた
つまり「音の勢い」だけじゃなく、
語の骨格(こっかく=土台)があるタイプの表現なんですね。

実物の「イラ(刺)」ってどんな感じ?――イラクサがいちばん分かりやすい
ここで一度、**本物の“チクチク”**を思い浮かべてみてください。
その代表が イラクサ(刺草/いらくさ) です。
イラクサは山地の湿った場所などに生える多年草で、
葉や茎に 刺毛(しもう)(針のような細い毛)があり、触れると痛みの原因になります。
刺毛はただの毛ではなく、
先端が硬くなっていて“細い針”のように刺さり、
ヒスタミン(かゆみ等に関わる物質)や アセチルコリン(神経伝達に関わる物質)などの刺激性物質を含む、という説明もあります。
また辞書には、刺毛に **ギ酸(ぎさん)**が含まれることや、
「触ると痛い」ために刺草(いらくさ)と呼ばれる、といった趣旨の説明があります。
つまりイラクサは、
「イラ=刺(トゲ)」を“頭ではなく皮膚で理解できる”植物なんです。
(ちなみに学名 Urtica は「焼けるような」という意味に関係する語から来ている、とも説明されています。ここも地味にロマンがあります。)
「語源になった草」はイラクサだけ?――結論:特定の1種類に決め打ちはしないのが安全
ここ、誤解が生まれやすいポイントなのでハッキリ言います。
「イライラ」の語源の核は、
**“特定の植物1種類”というより、『草木のトゲ一般(刺)』**です。
ただし、辞書では「いら(刺)」に
**「植物『いらくさ(刺草)』の略称」**という説明もあり、
イラクサが“イラ”の代表例として語られやすい土台があります。
さらに面白いのが、古い語形の一つ 「いらら」。
これも辞書では「草木の刺(とげ)」の意味を持ちつつ、
地域や資料によっては植物名としても扱われ、イラクサの別名とされる例まで載っています。
つまり――
「イラ=トゲ」という“核”が先にあって、
そこから トゲっぽい植物の呼び名にも広がっていった、
そう考えると自然です。
【追記】イラクサの「チクチク」は、なぜ起こる?(仕組みをもう一段だけ)
イラクサの刺毛(しもう)は、ただの“毛”ではありません。
百科事典の説明では、先端がケイ酸質(ガラスのように硬い成分)で硬くなり、基部は石灰化して、鋭い毛細管(もうさいかん)みたいな形になっているとされます。
そこに触れると、刺毛が皮膚に刺さったり折れたりして、
ヒスタミンやアセチルコリンなどの刺激性物質が関わり、
腫れやかゆみにつながる、という説明が載っています。
さらに、自然観察系の解説では、刺毛の根元が膨らんでいて、
そこに毒液をためて“注入”する仕組みだ、という説明もあります。
だから、イラクサのチクチクは、
「刺さる(物理)」+「液の刺激(化学)」の“合わせ技”になりやすいんですね。

【ミニ注意】観察するときのコツ(安全第一)
イラクサは、日陰のやや湿った場所を好む、と紹介されています。
見つけても、素手で触らず、近づくなら長袖や手袋が安心です。
もし触れて症状が強い/長引くなら、
接触皮膚炎(かぶれ)の対応として原因を避け、必要に応じて皮膚科で相談が基本です。
【小ネタ】食べられる「仲間」もいる(でも同定は慎重に)
ここで面白いのが、イラクサの仲間には
春の新芽を食用にする例もあることです。
京都府の案内では、**アイコ(ミヤマイラクサ)**を
「山林に生える大型のイラクサの仲間で、春に出る新芽を食用にする」
と紹介しています。
ただし、野草は見分け違いが一番危険です。
記事では「食べられることがある」までに留め、
実際に採取・食用にする場合は公的情報や専門家の指導に沿う、で締めるのが安全です。
ここまで読むと、イライラが「ただの気分」ではなく、
“刺さる感覚”から育ってきた言葉だと、さらにリアルになります。
では次はまとめです。
読み終わったあと、もう一度自分のイライラを見直したくなる形で締めます。
9. まとめ・考察
この記事の要点まとめ(ここだけでもOK)
- イラ=「刺(いら)」=草木のトゲを指す古い言葉です。
- **イライラ(苛々・刺刺)**は、もともと「いら=トゲ」を核に、
①トゲがたくさん出ている様子 → ②チクチク刺激 → ③心の落ち着かなさへ意味が広がりました。 - 表記が **「刺刺」→「苛々」**のように並ぶのは、
“物理的な刺さる感じ”から“心理的な焦れ・不快”へ寄っていった歴史が見えるからです。 - 「苛立つ(いらだつ)」も、辞書では先に **「とげや毛が一面に立つ」**があり、そこから心理の意味へ広がります。
- 「イライラ」はオノマトペ(擬態語)っぽく見えても、実は “トゲ(いら)”という語の骨格を持つ表現です。
- そして「イラ=トゲ」は、特定の草1種類に固定せず、**“草木のトゲ一般”**として捉えるのが安全です(ただし「刺(いら)」にはイラクサを指す用法もあります)。
脳と神経の視点で見ると、イライラは「反応」が強まった状態かもしれません
ストレス反応は、脳が危険や負担を感じたときに始まります。
たとえば解説では、**扁桃体(ヘントウタイ)**が情報を受け取り、**視床下部(シショウカブ)**へ“警報”を送る流れが説明されています。
さらに、ストレスが続くと
- 交感神経(コウカンシンケイ)=活動モード
が優位になり続け、だるさ・不眠などにつながり得る、という整理も公的サイトで説明されています。
加えて、ストレス反応には **HPA軸(エイチピーエーじく:視床下部―下垂体―副腎皮質)**のようなホルモン経路も関わるとされます。
つまり、イライラは「性格の問題」ではなく、
刺激(ストレッサー)に対する“心身の反応”が強まっているサインとして見るほうが、扱いやすくなります。
考察(少し高尚に)
イライラとは、「怒り」そのものというより、
“刺激に対する過敏さ”に名前がついた状態なのかもしれません。
トゲが刺されば、人は反射的に身を引きます。
心も同じで、見えないトゲ(予定のズレ、言葉の刺さり、疲労)が刺されれば、反射的に荒れます。
だからこそ、イライラは
人格の欠点ではなく、反応の仕組みとして扱ったほうが回復が速い。
私はそう思います。
(イラクサに触れたときの“チクッ”を想像すると、なおさら納得しやすいはずです。トゲは「痛い」だけで、あなたの価値を決めません。)
ユニークな提案:イライラは「心のトゲセンサー」
センサーは壊れていると困ります。
でも、センサーがなかったらもっと困ります。
あなたのイライラは、
「今ここに、処理しきれていない刺激があるよ」
と教えるセンサーかもしれません。
では、そのセンサーをどう活かすか。
私は、こう提案します。
- 刺さったトゲを“数える”(怒り・焦り・不安に分解する)
- 一番小さいトゲから抜く(水、深呼吸、1分歩く、メモする)
- それでも残るなら“環境のトゲ”を疑う(睡眠不足、空腹、騒音など)
あなたなら、このセンサーをどう使いますか?

――ここからは、興味に合わせて応用編へ。
「イライラ」を、ただ我慢するのではなく、
“心に刺さったトゲの種類”を言い分ける方向に進みます。
言葉が増えると、気分の説明が上手くなって、
不思議なくらい落ち着きやすくなりますよ。
では次で、似ている言葉の違いを一緒に整理しましょう。
10. 応用編:イライラの「近い言葉」を増やす(言い分け練習つき)
同じ“モヤッ”でも、言葉が違うと、原因の見え方が変わります。
ここでは「間違えやすい言葉」を、辞書の意味を土台に、日常で使える形に直します。
似ているけど、刺さり方が違う言葉たち
■ 苛立つ(いらだつ)
もともと「とげや毛が一面に立つ」という意味があり、そこから
「思うようにいかず気分が高ぶる」へ広がります。
ポイント:イライラの“親戚”。語源の「トゲ感」がそのまま残っています。
■ カリカリ
本来は硬いものを引っかく音などですが、
「気分がいらだって怒りっぽい」意味でも使われます。
使いどころ:小さなことで怒りっぽくなっているとき。
例)「今日は些細なことでカリカリしがち」
■ ピリピリ
「神経が興奮する」「刺激や痛みを継続して感じる」など、
刺激の鋭さが強い言葉です。
使いどころ:場の空気が緊張している/感覚が敏感になっている。
例)「会議室がピリピリしていて息が詰まる」
■ モヤモヤ
「気持ちが乱れ、もつれる」「心のわだかまり」など、
ハッキリ言えない不快感に向きます。
使いどころ:「怒り」より「引っかかり」。
例)「言い返せないまま、モヤモヤが残った」
■ ムカムカ
辞書では、
「怒りがこみあげる」意味と、「吐き気を催す」意味の両方があります。
間違えやすい点:心のムカムカか、胃のムカムカか。
例)「発言にムカムカした」「車酔いでムカムカする」
■ むしゃくしゃ
「いらいらして気分が晴れない」意味があります(※髪が乱れる意味も)。
使いどころ:理由がぼんやりしたまま、晴れない不快感。
例)「嫌なこと続きで、むしゃくしゃする」

よくある“言い間違い”と、直し方
「イライラ」=全部“怒り”だと思う
でも実際は、
刺激に過敏になっている状態(音・遅延・不安・疲れ)まで含みます。
直し方:まず一語だけ足す。
- 「イライラ(焦り)」
- 「イライラ(不安)」
- 「イライラ(疲れ)」
この1語で、原因の当たりがつきやすくなります。
「ムカムカ」を全部“怒り”にしてしまう
ムカムカには「怒り」と「吐き気」が混ざります。
直し方:「体か心か」を先に決める。
- 体:胃、胸、食後、乗り物 → 吐き気寄り
- 心:相手、言い方、態度 → 怒り寄り
30秒でできる「トゲの言語化」ミニ練習
今日の自分に一番近いのはどれですか?
- モヤモヤ:言葉にできない引っかかり
- ピリピリ:緊張・刺激が鋭い
- カリカリ:小さなことに怒りっぽい
- ムカムカ:怒り or 吐き気が込み上げる
- むしゃくしゃ:理由が曖昧で晴れない
選べたら、最後に一文だけ。
「今日は( )気味。原因は( )かも。」
これができると、イライラが“感情の塊”から“扱える情報”に変わります。
――では次は、もっと深く学びたい人へ。
根拠に当たれる本をまとめます。
11. 更に学びたい人へ
おすすめ書籍
ここからは「もっと深く知りたい人」向けに、
本を厳選しました。
まず迷ったら:選び方(1分ガイド)
- 小学生・はじめて → ①か②
- 言い分けを増やしたい → ③
- イライラの体の仕組みも知りたい → ④
「語源(言葉)」と「体(自律神経)」を両方押さえると、
記事の内容がぐっと立体的になります。
①『日本語オノマトペのえほん』髙野 紀子(作・絵)
こんな本です
日常で使うオノマトペ(擬音語・擬態語)を、絵で体感できる絵本です。
出版社情報では、対象は小学校低学年〜中学年とされています。
似た言葉の違い(例:「てくてく」と「とことこ」など)に触れられます。
おすすめ理由
- 「イライラ」がオノマトペっぽく見える理由が、感覚でわかります
- “似た言葉のちがい”をつかめて、語彙が増えます
- 文章が苦手でも読みやすい(絵が主役)
この記事とのつながり
「音の勢い」だけでなく、言葉の“使い分け”を増やしたい人にぴったりです。
②『小学生のまんが語源辞典 新装版』金田一春彦・金田一秀穂(監修)
こんな本です
学研の紹介では、由来がわかる言葉を集めて、
ジャンル分けしながらまんがでわかりやすく解説する本です。
約360語を厳選していることが確認できます。
おすすめ理由
- 語源を「調べる楽しさ」が身につきます
- “聞いた話”で終わらせず、由来を自分で確かめる習慣がつきます
- 読み物としてテンポがよく、親子でも読みやすい
この記事とのつながり
「イライラの語源みたいに、身近な言葉をもっと知りたい!」という人に最適です。
③『擬音語・擬態語4500 日本語オノマトペ辞典』小野 正弘(著・編集)
こんな本です
オノマトペだけで約4500の見出し語数とされています。
豊富な用例や付録がある「決定版」タイプだと確認できます。
おすすめ理由
- 「イライラ/ピリピリ/モヤモヤ」みたいな“近い言葉”を増やせます
- 類義語のニュアンス差を、例で確かめられます
- 記事の“応用編(語彙を増やす)”を強化できます
この記事とのつながり
「イライラを自分の言葉で説明したい」人に、一番効く一冊です。
④『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める!自律神経のしくみ』荒木信夫(監修)
こんな本です
オールカラーの図解で自律神経を説明する構成とされています。
おすすめ理由
- 「イライラ」が“気分”だけでなく、体の反応(自律神経)とも関わることが理解しやすい
- 図解中心なので、理科が苦手でも入りやすい
- 睡眠・疲れ・緊張など、日常の整え方のヒントにつながります
この記事とのつながり
「トゲ(刺激)」に心身が反応する流れを、体側から整理したい人向けです。
語源を知ると、感情は「説明できる現象」になります。
そして、語彙と体の知識が増えるほど、イライラは扱いやすくなります。
12. 疑問が解決した物語
夕方、固まった画面を前に、主人公はもう一度深く息を吐きました。
さっきまで胸の奥を刺していたチクチクが、少しだけ“形”になった気がします。
「イライラの“イラ”って、刺(いら)――草木のトゲだったんだ」
「トゲトゲの感覚が、心の落ち着かなさの言葉になっていった……なるほど」
そう思った瞬間、主人公は気づきます。
自分は「怒っている」より、むしろ “刺激に過敏” になっていたのだ、と。
そこで、やり方を変えました。
まずは画面を睨むのをやめて、肩を落として、息を長く吐く。
そして心の中で、短く言葉にします。
「いまの私は、イライラ(焦り)」
「原因は、保存できない不安と、時間が減る怖さ」
言葉にしたら、少しだけ余裕が戻りました。
「トゲが刺さったなら、まず抜けばいい」
そう考えて、主人公は対策を“1個”だけ選びます。
- こまめに自動保存が入る設定にする
- 作業を小分けにして、保存前に区切りを作る
- 今日は完璧より、まず終わらせる
画面はまだ完全には直っていません。
でも、心のトゲはさっきより浅くなっていました。
最後に主人公は、メモ帳に一行だけ残します。
「イライラは性格じゃない。刺さった刺激に反応しているだけ」

――今日の教訓は、これでした。
イライラしたら、自分を責める前に“何のトゲが刺さったか”を言い当てる。
それだけで、行動が変わり、回復が早くなることがある。
さて、あなたの今日のイライラは、どんなトゲでしたか?
「焦り」「不安」「疲れ」――もし一言で言うなら、どれに近いでしょう。
13. 文章の締めとして
イライラは、なくしたい“悪い感情”だと思われがちです。
でも言葉の由来をたどると、それはただの欠点ではなく、
心が「いま刺激が刺さっていますよ」と知らせてくれる、繊細な反応にも見えてきます。
今日この瞬間から、イライラが出てきたら、
「私はダメだ」ではなく、
「どんなトゲが刺さったんだろう」と一度だけ考えてみてください。
その問いかけができた時点で、
あなたはもう“トゲに振り回される側”ではなく、
“トゲを扱える側”に一歩移っています。

補足注意
本記事は、著者が信頼できる公開情報をもとに、個人で調べられる範囲で整理した内容です。
言葉の由来には複数説がある場合もあり、ここでの説明が唯一の正解とは限りません。
また研究の進展や資料の発見によって、解釈が変わったり新たな知見が出てくる可能性もあります。
🧭 本記事のスタンス
この記事は、「これが唯一の正解」ではなく、「読者が自分で興味を持ち、調べるための入り口」として書いています。
このブログで小さな「トゲ(イラ)」が心に刺さったなら、ぜひ一度、辞書や文献という“本物のトゲの森”へ分け入ってみてください。
調べれば調べるほど、言葉の由来はもっと細く、深く、あなたの中に残るはずです。
最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
それでは今日も、心の「イラ」はそっと抜いていきましょう。


コメント