反射で光る理由と語源の諸説を、辞書で裏取りしながら子どもにもやさしく解説
『月(つき)』の名前の由来は“太陽の『次』に明るい”から?語源はダジャレ説だけじゃない、定説と諸説をやさしく整理
代表例
SNSや動画で、こんな雑学を見かけたことはありませんか。
『月(つき)』って、太陽の『次(つぎ)』に明るいから『つき』なんだって!」
……たしかに語感がダジャレっぽくて、妙に覚えやすいですよね。

でもこれ、本当に“正解”なのでしょうか。次でサクッと答えを出します。
15秒で分かる結論
結論:「月(つき)」の語源は、実は“これ一つ”と確定していません(諸説あります)。
その中で有名なのが、太陽の“次(つぎ)”に明るいからという「次(つぎ)説」と、満ち欠けで光が“尽きる(つきる)”ように見えるからという「尽きる説」です。

また科学的には、月は自分で光っているのではなく、太陽の光を反射(はんしゃ)して明るく見えています。
小学生にもスッキリ分かる言い方
月が光って見えるのは、月が自分で光っているからではありません。
太陽の光が月に当たって、はね返って(=反射して)目に入るので明るく見えるんです。

そして「月(つき)」という名前の由来は、これ一つ!と決まっていません(諸説あり)。
よく言われるのは、太陽の**次(つぎ)に明るいから「つき」になったという説と、満ち欠けで光が尽きる(つきる)**ように見えるから「つき」になったという説です。
1. 今回の現象とは?
「月(つき)」って、毎月カレンダーで見ているし、夜空でも見慣れているのに――
いざ“なんで月は月っていうの?”と聞かれると、急に答えがあいまいになる。
これが今回の“ふしぎ”です。
こんな「あるある」ありませんか?(身近に感じる例)
- 子どもに「ねえ、月ってなんで“つき”っていうの?」と聞かれて、言葉につまる
- 雑学で「太陽の“次”だから“つき”】【“尽きる”から“つき”】【どっち?】と聞いて混乱する
- 「月は明るいのに、自分で光ってないってどういうこと?」と引っかかる
- 「つき」と「げつ」(月)が同じ漢字なのも、地味にモヤる

キャッチフレーズ風:よくある疑問を一言で
- 「月(つき)とはどうして“つき”?――“次”なの?“尽きる”なの?」
- 「月は光ってるのに、なぜ“自分では光っていない”の?」
この記事を読むメリット
- 雑学で終わらず、“なぜそう言われるのか”を筋道立てて理解できます
- 子どもに聞かれても、短く・やさしく説明できるようになります
- 「次」「尽きる」だけじゃない、**言葉の背景(古い形・考え方)**まで整理できます
不思議なこの現象、実はちゃんと「理由の候補」がそろっているんです。
→ 次は、疑問が生まれる瞬間を“物語”で体感してみましょう。
2. 疑問が生まれた物語
夜、ベランダの窓を開けた瞬間、ひんやりした空気が頬に当たりました。
部屋の明かりを背にすると、外は思ったより暗くて、音も少し遠く感じます。
ふと見上げると、雲の切れ間に月が見えました。
白くて、静かで、でも妙に目を引く光です。
街灯の光とは違って、**「そこだけ輪郭がくっきりする」**ような、不思議な明るさでした。
「きれいだな」
そう思った次の瞬間、頭の奥から別の声が出てきます。
──でも、月ってなんで“つき”って言うんだろう?
以前どこかで、
「太陽の**次(つぎ)**に明るいから“つき”なんだよ」
という話を聞いた気がしました。
たしかに、語感はピタッと気持ちいい。
“次(つぎ)”が“つき”になるのも、ちょっとダジャレみたいで覚えやすい。
だからこそ、逆に胸の奥がムズムズしてきます。
「本当にそうなの?」
「たまたま“それっぽい”だけじゃない?」
さらに、気になることがもう一つ。
月は“自分で光っていない”と聞いたことがあります。
もしそうなら、この光は何なのか。
いま目の前で、こんなにはっきり明るいのに──。
「光ってないのに、光って見える?」
「どういう仕組み?」
疑問がほどけない糸みたいに、指先に絡みついてきます。

しかも月は、毎晩同じ形ではありません。
細くなったり、丸くなったり、消えたみたいに見えたりもします。
そのたびに、名前も「三日月」「満月」「新月」って変わっていく。
なのに、私たちは全部まとめて「月」と呼んでいます。
当たり前すぎて見過ごしていたのに、今夜は急にその“当たり前”が不思議に思えてきました。
「月って、いったい何者なんだろう」
「そして、“つき”って名前は、どこから来たんだろう」
知りたい。
ただの雑学としてじゃなく、
ちゃんと理由を知って、誰かに聞かれても説明できるようになりたい。
そんな気持ちが、月の光みたいに静かに強くなっていきます。
→ 次は、まず結論からお答えします。ここで一度スッキリしてから、語源の“根っこ”をいっしょに掘っていきましょう。
3. すぐに分かる結論
お答えします。
「月(つき)」の名前の由来は、実は これ一つ と言い切れるほど確定していません。
ただ、昔からよく語られてきた“代表的な説”は、主に次の2つです。
- 太陽の「次(つぎ)」に明るいから → 「つぎ」っぽい音が縮まって「つき」になった、という説
- 満ち欠けで光が「尽きる(つきる)」ように見えるから → 「尽き(つき)」に由来する、という説

ここで、さっきのモヤモヤを一度ほどきます。
「月って、光ってないのに、なんであんなに明るいの?」
これは、月が自分で光っているのではなく、太陽の光を受けて反射しているからです。
だから、夜空で“白く目立つ”んですね。
噛み砕いていうなら、こうです。
月は、夜のライトではなく、**太陽の光を映す鏡(かがみ)**みたいな存在なんです。
ただし――ここが面白いところです。
「反射で明るく見える」のは理科の話。
一方で「じゃあ“つき”という言葉は、どの説がより筋がいいの?」は、言葉の歴史の話です。
ここから先は、
“次(つぎ)説”と“尽きる説”が、なぜ生まれたのかを、
根拠の考え方(辞書の扱い方・古い言い方・当時の見え方)に分けて、順番に整理していきます。
ここまでで「結論」はつかめました。
ただ、検索していると “セットで湧きがちな疑問” がまだ残りますよね。
先にQ&Aでサクッと回収してから、次章で「辞書・古い形・当時の見え方」へ深掘りしていきます。
3.5. よくある質問(FAQ)
月の語源と“見え方”をここで一気に整理
月(つき)の由来/新月/満ち欠けQ&A
Q1. 「月(つき)」の語源は、結局どれが正しいの?
A. 現時点では「これが唯一の正解」とは確定していません(諸説あります)。
代表的な説として「太陽の次(つぎ)説」や「尽きる(つきる)説」などが紹介されることがあります。
なので記事内でも「断定」ではなく「説として整理」するのが安全です。
Q2. 「太陽の次(つぎ)だから“つき”」って、本当に根拠あるの?
A. これは有名な“語源の説”の一つとして紹介されています。
ただし「確定」ではなく、あくまで「そう考える説明がある」という位置づけです。
語感が覚えやすいので広まりやすい、という面もあります。
Q3. 「尽きる(つきる)説」の“尽きる”って、何が尽きるの?
A. 月の満ち欠けで、明るい部分が減っていき、
新月のころには「ほとんど見えない」=光が尽きたように感じる、という発想です。
新月は、月の明るい面がこちらを向かないため見えにくくなります。
Q4. 月が明るいのに「自分では光っていない」ってどういうこと?
A. 月はライトみたいに自分で光っているのではなく、
太陽の光を受けて“はね返し(反射)”ているので明るく見えます。
噛み砕くと「月は光の“鏡”みたいなもの」です。
Q5. 新月(しんげつ)って何? どうして見えないの?
A. 新月は、地球から見て月と太陽がほぼ同じ方向に並ぶ月の状態です。
このとき月は、光っている面(太陽に照らされた面)を太陽側へ向けるため、
地球からは暗い面が見えて「ほとんど見えない(見えにくい)」のです。
「朔(さく)」は、太陽と月の位置関係がぴったりになる“その瞬間(時刻)”を指す言い方もあります。
Q6. 満ち欠けは、何日くらいで一周するの?
A. 満ち欠け(新月→満月→新月)は、およそ29.5日周期でくり返します。
毎日少しずつ「見える形」と「出る時間」が変わるので、昔の人はそれに細かな名前を付けてきました。
Q7. 「つき」と「げつ/がつ」って、どう違うの?
A. 同じ「月」でも、読み方で役割が変わります。
「つき」は日本語の読み(訓読み)で、夜空の月や日常の感覚に近い言い方。
「げつ/がつ」は漢語の読み(音読み)で、「月曜日」「○月」など“暦・制度”の場面でよく使われます。
Q8. 「ツク」みたいな古い形があるって本当?
A. 古い言い方の痕跡として、「つく」が入った語(例:月日=つくひ)などが辞書で説明されます。
こうした古い形が絡むため、語源を一つに決めにくい面があります。
Q9. 日食(にっしょく)は、どうして“新月”のときに起こるの?
A. 新月のときは、月が太陽と同じ方向に並びやすい状態です。
その並び方が条件を満たすと、月が太陽の前を通って日食になります。
ただし毎月必ず起きるわけではありません(並び方が少しズレる月も多いです)。
Q10. 「一番星」って、だいたい何の星なの?
A. 夕方に最初に目立つ「一番星」は、時期によっては金星(きんせい)のことが多いです。
“星”という言葉は日常では広く使われるので、「恒星(こうせい)=自分で光る星」と混ざりやすいポイントです。
Q11. 月は「星」なの? 惑星(わくせい)なの?
A. 科学的には、月は地球のまわりを回る「自然衛星(しぜんえいせい)」です。
日常会話では月を「星」と呼ぶこともありますが、分類としては“衛星”に入ります。
Q12. 月の語源の話をするとき、いちばん安全な言い方は?
A. コツは「理科」と「語源」を分けることです。
・理科:月が明るいのは太陽光の反射(ここは言い切ってOK)
・語源:「次説」「尽きる説」など“諸説ある”(ここは断定しない)
この2段構えにすると、雑学が一気に信頼されます。
気になる疑問がほどけたら、次は「語源がなぜ確定しにくいのか」を、
辞書・古い言い方・当時の見え方から順番に深掘りしていきましょう。
→ 次の段落では、「月(つき)」という言葉を“定義”から整えて、説が生まれた背景を一緒に深掘りしましょう。
4. 『月(つき)』とは?
定義と概要:辞書・古い言い方・“当時の見え方”の入口
まず「月」という言葉は、①夜空の天体としての月と、**②時間の単位(ひと月)**の両方を指します。古い文献にも早くから出てくる、生活に密着した言葉です。
そして面白いのが、月の呼び名が一つではないこと。辞書には「つき」以外にも、古くからの別名・関連語がずらっと挙げられています(例:つく、つくよ、つくよみ など)。
✅ ここで大事:語源は「辞書でも確定していない」前提で読む
『月(つき)』の語源は“これ一つ”と断定できません。実際、月探査情報ステーションでも「決まった答えがなかなかない」「いろいろな説がある」ことを最初に置いています。
だからこの記事は、
“どれが正解”を決めつける記事ではなく、説が生まれた筋道を整理して納得する記事にします。
「古い言い方」から見えるヒント:ツキより古い?「ツク」
辞書(コトバンク掲載の国語大辞典系項目)では、上代(じょうだい=奈良時代ごろ)の東国方言で、月を**「つく(ツク)」と言う例が紹介されています。さらに補注として、「ツク」が「ツキ」より古い時代の面影を残す可能性**に触れています。
ここがポイントです。
「次(つぎ)」「尽きる(つきる)」のような“わかりやすい語呂”以前に、
もっと古い形(ツク/ツキ)の存在が、語源を難しくしています。

✅ 辞書の扱い方(根拠の考え方)
語源を真面目に調べるときは、ざっくり言うと次の順が安全です。
- 国語辞典で用例・古い形を確認
- 出典(万葉集など)で「いつ・どんな形で出たか」を見る
- 複数の資料を突き合わせる(1つの雑学で決めない)
この「複数資料で確かめる」姿勢は、言葉調べの基本としても勧められています。
→ 次は、いよいよ「次(つぎ)説」「尽きる説」がなぜ生まれ、広まりやすいのかを、当時の見え方(天文)と、人の脳のクセ(認知)で解きほぐします。
5. なぜ注目されるのか?
背景・重要性:当時の見え方+脳・神経
キャッチ回収として
- 「月(つき)とはどうして“つき”?――“次”なの?“尽きる”なの?」
- 「月は光ってるのに、なぜ“自分では光っていない”の?」
まず“当時の見え方”:月はとにかく目立つ
月は昔から「太陽に次いで明るい天体」と説明されます。夜の空で一番目立つ存在だから、名前の由来も「明るさ」や「順番」に結びつけて考えたくなるのは自然です。
さらに、月は太陽の光を反射して輝くため、月・太陽・地球の位置関係で見え方が変わります(満ち欠け)。
この「満ち欠け」は約1か月周期で、暦(ひと月)の感覚とも結びついていきます。
「次(つぎ)説」「尽きる説」は、なぜ生まれた?
月探査情報ステーションは、代表的な説として次を挙げています。
- 次(つぎ)説:太陽を1番、月を2番=「太陽の次」だから「つき」
- 尽きる説:満ち欠けで明るさが減って、新月には見えない=明るさが「尽きる」から「つき」
この2つは、どちらも
**“空を見た体感”→“言葉にしたくなる説明”**の流れがわかりやすいのが強みです。
ただし大事なので繰り返します。
「説が有名」=「確定」ではありません。
ここから一段深く:なぜ“ダジャレ語源”は信じやすい?(脳・神経の話)
「次(つぎ)→つき」みたいな語呂の良さは、脳にとって“処理がラク”です。
この“ラクさ”は、心理学では プロセシング・フルーエンシー(processing fluency:処理流暢性) と呼ばれ、処理しやすい情報ほど「正しそう」と感じやすいことが知られています。
さらに有名なのが イリュージョナリー・トゥルース効果(illusory truth effect:真実錯誤効果)。
同じ文を繰り返し見聞きすると、それだけで「本当っぽく」判断しやすくなる現象です。
脳のどこが関係するの?
fMRI研究では、この真実錯誤効果に、**ペリライナル皮質(perirhinal cortex)**という部位が関わる可能性が示されています。
繰り返し見た文ほど「真実」判断が上がり、そのとき活動が関連する、という報告です。
噛み砕くと、こうです。
「前に見た気がする」=“なじみ”がある
→ 脳がそれを「安心」「正しそう」に寄せてしまうことがある。
つまり「次説」は、内容以前に、形(語感)が気持ちよくて記憶に残りやすい。
だからSNSで強いんです。

→ 次は、ここまでを“知識で終わらせない”ために、**日常での使い方(説明テンプレ・観察の遊び方)**に落とし込みます。
6. 実生活への応用例
説明テンプレ+観察で腑に落ちる
子どもに聞かれたときの「30秒説明テンプレ」
結論だけ短く言う版
月は自分で光っていなくて、太陽の光を**反射(はんしゃ)**して明るく見えるんだよ。
「つき」の名前の由来は1つに決まってなくて、「太陽の次」説や「尽きる」説みたいに、いくつか言われているんだ。
もう一言だけ深める版
昔の人は空の見え方から名前を考えたけど、言葉はすごく古いから、辞書でも“これ”と断定しにくいんだよ(古い形に「ツク」もある)。
体験で納得する:月の満ち欠けを“1か月だけ”追う
おすすめは、1日10秒の観察を1か月です。
月は太陽光の反射で、位置関係により見える形が変わる(満ち欠け)と説明されています。
- 3日目:細い三日月
- 7日目:半月(上弦)
- 15日目:満月
- 30日目:新月に戻る(見えにくい)
※新月(しんげつ)ってなに?
新月(しんげつ)は、月と太陽が地球から見てほぼ同じ方向に並ぶ月の状態です。
このとき月は、光っている面(太陽に照らされた面)を太陽のほうへ向けるので、
地球からは暗い面が見えます。だから、月が**ほとんど見えない(見えにくい)**んです。
天文学では、新月は「朔(さく)」とも呼ばれ、
月と太陽の位置関係がぴったり重なる**“その時刻(瞬間)”**を指すこともあります。
噛み砕いて言うなら、
月が消えたわけじゃなくて、光っている側がこちらを向いていないだけなんですね。
(豆知識)新月のとき、月が太陽の前を通る位置関係になると**日食(にっしょく)**が起きます。
これをやると「尽きる説」が気持ちとして理解できます。
(新月の“見えなさ”は、まさに「尽きた」感じがします。)

メリットとデメリット(正直に)
メリット
- 子ども・友人に、根拠つきで説明できる
- 「語源の話」と「理科の話」を混ぜずに整理できる
- 俗説に振り回されにくくなる
デメリット
- 語源は断定できない部分が残り、モヤっとする
- でも、その“余白”こそ言葉の面白さでもあります
→ 次は、そのモヤを事故らせないために、誤解されがちな点と安全な言い方をまとめます。
7. 注意点・誤解されがちな点
言い切らない技術
よくある誤解1:「次説がバズってる=確定」
バズは“真実”の証明ではありません。
繰り返し触れるだけで真実っぽく感じることがある(真実錯誤効果)ので、なおさら注意です。
対策:こう言い換える
- ×「月は太陽の次だから“つき”です」
- ○「“太陽の次”だからという説があります(諸説の一つ)」
よくある誤解2:「語源の話」と「反射の話」をごちゃ混ぜ
- 反射は理科の結論(観測・物理の説明)
- 語源は言葉の歴史(資料・用例・比較)
月が反射で光るのは明確です。
一方、語源は断定しにくい。
対策:分けて話す
よくある誤解3:「月=つき」だけが月の呼び名だと思う
辞書には「つく」「つくよ」「つくよみ」など、月に関わる語が多く載っています。
この多さ自体が、語源を単純化しにくい理由でもあります。
→ 次は、読み返したくなる“寄り道”として、月の言葉世界をもう少しだけ散歩します。
8. おまけコラム
月の「言葉の宇宙」は、想像以上に広い
“月は一つ”なのに、呼び名は何十個もある。
このギャップこそ、月のロマンです。
なぜ増えるのかというと、理由はシンプルで――
月は「形」と「出る時間」が毎日ちがうからなんですね。
昔の人ほど夜が暗いぶん、月の変化が生活に直結していました。だから、細かな違いに名前を付けてきたんです。
まず押さえたい:満ち欠けの基本(新月ってなに?)
月は、約29.5日で「新月→満月→新月」と姿を変えます(この周期を“満ち欠け”と呼びます)。
- 新月(しんげつ):地球から見ると、太陽と月がほぼ同じ方向にいて、月が見えない状態です。
※「月齢(げつれい)」は新月を0として数える目安の数字です。
→ ここから、いよいよ“順番でわかる”月の呼び名に入ります。
満ち欠けを「順番」で覚える:月の呼び名カレンダー(超わかりやすい版)
※( )内は、旧暦(きゅうれき)=昔の暦での目安です。
① 新月〜細い月(見えはじめ)
- 新月(しんげつ)(旧暦1日)…見えない月。
- 二日月(ふつかづき)(旧暦2日)…糸みたいに細い月。別名「繊月(せんげつ)」。
- 三日月(みかづき)(旧暦3日)…日没後、西の空に細く見える月。万葉集の用例も辞書に挙がります。
② 半分の月(上弦)〜満月手前
- 上弦の月(じょうげんのつき)(旧暦7〜8日ごろ)…弓に張った弦の形に見えるのでこの名。別名「弦月(げんげつ)」「弓張月(ゆみはりづき)」
- 十三夜月(じゅうさんやづき)(旧暦13日)…十五夜の次に美しいとされ、「後(のち)の月」とも。十三夜の月見は日本で生まれた、という説明もあります。
- 小望月(こもちづき)(旧暦14日)…満月の“前夜”。期待がふくらむ月。
③ まんまる(満月)〜出るのが遅くなる月たち(ここが風情ゾーン)
- 十五夜の月/満月(まんげつ)(旧暦15日)…月見の習慣は中国由来で、日本では平安時代に定着したとされます。
- 十六夜(いざよい)(旧暦16日)…満月の翌日は月の出が少し遅れ、「いざよう(ためらう)」から来た、と説明されます。源氏物語の用例が辞書に挙がります。
- 立待月(たちまちづき)(旧暦17日)…立って待つうちに出る月。辞書では1448年の用例が挙がります。
- 居待月(いまちづき)(旧暦18日)…座って待つ月。万葉集に「座待月」の語がある、という解説があります。
- 寝待月(ねまちづき)/臥待月(ふしまちづき)(旧暦19日)…寝て待つほど遅い月。源氏物語や百首歌などの用例が辞書に挙がります。
- 更待月(ふけまちづき)(旧暦20日)…夜が更けてから出る月。辞書では1692年の用例が挙がります。
- 下弦の月(かげんのつき)(旧暦22〜23日ごろ)…真夜中ごろ昇り、昼ごろ沈むので、朝の青空に見えることも。
④ しらじら明けても残る月〜月末(“月が隠れる”ゾーン)
- 有明の月(ありあけのつき)…夜が明けても空に残る月。古今和歌集の用例が辞書に挙がります。
- 二十三夜待(にじゅうさんやまち)…月の出を待って拝む行事。辞書では1698年の用例が挙がります。
- 二十六夜待(にじゅうろくやまち)…江戸時代に盛んだった月待ち行事、という説明があります。辞書では1699年の用例が挙がります。
- つごもり(晦)/月隠り(つきこもり)…月末に月が見えなくなるころ。辞書では「つごもり」は“月隠(つきごもり)が転化”と説明されています。
→ こうして並べると、「満ち欠け」は“理科”でもあり、“暮らしの記憶”でもあると分かってきます。

形だけじゃない:「情景」で呼ぶ月(心に刺さる呼び名たち)
満ち欠けの名前が“カレンダー”なら、こちらは“詩(ポエム)”です。
- 夕月夜(ゆうづくよ):夕方に出ている月、またその夜。万葉集や源氏物語の用例が辞書に挙がります。
- 朝月夜(あさづくよ):朝まで残る月(有明の月)。万葉集の用例が辞書に挙がります。
- 宵月夜(よいづきよ):宵の間だけ月が出ている夜。
- 薄月夜(うすづきよ):薄雲でぼんやりした月の夜。辞書では1633年の用例が挙がります。
- 月夜(つきよ/つくよ):月明かりの夜。古今和歌集の用例が辞書に挙がり、「つくよ」という形も示されています。
そして、少し触れていた「ツク」もここにつながります。
辞書では、**月を表す古い形として「つく」**が見られることが示されています(例として万葉集の語が挙げられます)。
ここがポイント:名前は「当時の見え方」から生まれた
とくに「十六夜〜更待月」あたりの名前が面白いのは、
“月が遅く出る”という体感が、そのまま言葉になっているからです。
昔は街灯がなく、月明かりは“生活の灯り”。
だからこそ、人は月を待ち、拝み、物語にしました。月待ちの行事も、その延長線にあります。
まとめ:月は「一つ」でも、見上げた人の数だけ名前がある
月の言葉が増えたのは、
日本人が“月を見た回数”が多かったから――それに尽きます。
同じ夜空でも、
見上げる角度も、心の状態も、季節も違う。
その差分が、言葉になって残ったんですね。
→ 次は、ここまでの「言葉の増え方」を踏まえて、あなたの記事の芯になる「考察(=月という言葉をどう捉えるか)」へ進みましょう。
9. まとめ・考察
✅ この記事の結論
- 月は自分で光らず、太陽光の反射で明るく見えます。
- 「月(つき)」の語源は確定しておらず諸説。有名なのが「次説」「尽きる説」です。
- さらに古い形(ツク/ツキ)もあり、単純な語呂合わせだけでは片づきにくいです。
高尚な考察:答えが一つに決まらないのは、弱さではなく強さ
言葉は、誰か一人が決めた“発明品”ではなく、
何世代もの生活の積み重ねで形を変えます。
だから語源が「未確定」でも、恥ではありません。むしろ自然です。
ユニークな考察:月の語源は、私たちの“脳のクセ”を映す鏡
語呂が良い説明ほど信じたくなる。
繰り返し見るほど正しそうに感じる。
月の語源雑学が流行るのは、月の話であると同時に、人間の脳の話でもあるんです。
あなたなら、この「諸説」をどう使いますか?
子どもに話すとき、友人に雑学を言うとき、
「断定しない知性」を一緒に持てたら、月の見え方も少し変わる気がします。

ここまでで、「月は反射で明るい(理科の話)」と「“つき”の語源は諸説(言葉の話)」が分かれて見えてきました。
――この先は、興味に合わせて 応用編 へ。
「恒星(こうせい)」「惑星(わくせい)」「衛星(えいせい)」など、空の言葉を増やしていくと、月の話を“自分の言葉”で説明できるようになります。
ついでに、SNSで間違えやすい“似た現象”も整理しておきましょう。
→ 次は「星ってそもそも何?」から、スッキリ言語化していきます。
10. 応用編
宇宙の言葉を増やして「月」を自分の言葉で語る
まず大前提:「星」=キラキラ光る恒星だけではありません
日本語の「星(ほし)」は、実はかなり広い言葉です。
国立科学博物館でも、「自分で光を出す星」と「光を出さない星(太陽光を反射する)」がある、と整理されています。
つまり、雑学でよく言う「一番明るい星」は、必ずしも“恒星”とは限らないんですね。
→ 次で「自分で光る/反射で光る」をはっきり分けます。
自分で光る星・反射で光る星(小学生向けに言うなら)
- 自分で光る星=恒星(こうせい)
例:太陽。恒星は「核融合(カクユウゴウ)」という反応で光ります。 - 自分では光らない星=(太陽の光を)反射(ハンシャ)して明るく見える天体
例:木星や土星などの惑星(わくせい)。国立科学博物館も「惑星は太陽光を反射して光っている」と説明しています。
ここまでを噛み砕くと、こうです。
恒星=ライト本体/惑星や月=ライトを映す鏡、みたいなイメージです。
→ では「月」はこの中のどこに入るのでしょう?
『月』は何の仲間?:地球の“自然の衛星”です
『衛星(えいせい)』には、大きく2つあります。
- 自然衛星(しぜんえいせい):惑星の周りを自然に回っている天体(=月など)
- 人工衛星(じんこうえいせい):人が作って打ち上げた衛星(通信・気象・観測など)
JAXAの子ども向け解説でも「人工衛星」という言葉は明確に区別され、役割や仕組みが説明されています。
だから、月はざっくり言うと
**「地球という惑星の周りを回る“自然の衛星”」**です。
→ 次は「惑星」って何?を、いちどだけ正確に押さえます。
『惑星(わくせい)』って何?:実は“定義”があります
「惑星」の定義は、国際天文学連合(IAU:アイエーユー)の決議などで整理されています。
国立天文台も「惑星とは何か」の考え方や経緯を解説しています。
細かい条件まで全部覚える必要はありません。
ただ、ここが大事です。
- 「星っぽく見える」=惑星とは限らない
- そもそも日本語の「星」が広いので、誤解が起こりやすい

→ 次は、ここを“事故らせない”ために、間違えやすい例をまとめます。
間違えやすい現象・言葉(ここだけで「信頼度」が上がります)
よくある誤解①:「一番星=恒星」だと思ってしまう
夕方に目立つ「一番星」は、季節や時期によって**金星(きんせい)**のことが多いです。
国立天文台は、金星が「宵の明星(よいのみょうじょう)」として非常に明るく見える時期や、最大光度(さいだいこうど)の明るさまで解説しています。
よくある誤解②:「流れ星=星が落ちた」
流れ星(=流星/りゅうせい)は、宇宙のちりが大気に飛び込んで光る現象です。国立天文台がサイズ感(ミリ~数センチ程度)も含めて説明しています。
よくある誤解③:「動く光=流れ星」
空をスーッと一定速度で動く光は、人工衛星の可能性もあります。
人工衛星が私たちの生活に使われていることも、JAXAの資料で紹介されています。
面白い補足:細い月の“暗い部分がうっすら見える”ことがある
これは「地球照(ちきゅうしょう)」と呼ばれ、地球からの光が月の影の部分を照らす現象です。国立天文台の観測解説にも登場します。
そして超あるある:「月が大きく見える日」
月や太陽が地平線近くで大きく見えるのは、基本的に“錯覚(さっかく)”だと国立天文台は説明しています(理由はまだ決着していない点も含めて正直です)。
こういう「間違えやすいところ」を押さえておくと、月の話の説得力が一段上がります。
→ 次は、知識を“趣味”や“学び”に変えるために、おすすめをまとめます。
11. さらに学びたい人へ
本と“体験”で、月の理解を一段深く
ここまで読んで「もっと知りたい!」と思った方へ。
月の“語源(言葉)”と“仕組み(理科)”は、本+体験でいちばん伸びます。
📚 おすすめ書籍
① 初学者・小学生にもおすすめ:まず全体像をつか
『小学館の図鑑NEO〔新版〕 宇宙 DVDつき』
- 特徴:写真・図が多く、太陽系〜宇宙までを一気に見渡せます。特典DVD(95分)つき。
- おすすめ理由:月だけに偏らず、「恒星(こうせい)/惑星(わくせい)/衛星(えいせい)」などの基本語彙が自然に入ります。
② 親子・初心者〜中級の“疑問解決”に強い
『親子で楽しむ 星空の教科書』(渡部潤一・渡部好恵)
- 特徴:「知ってるようで説明できない」星空の疑問を、図版と写真でやさしく整理する入門書。
- おすすめ理由:この記事のテーマ(“子どもに聞かれても説明できる”)を、そのまま強化できます。
③ 中級者向け:月探査まで踏み込んで“月そのもの”を深掘る
『月の科学―「かぐや」が拓く月探査』(青木満)
- 特徴:月探査機「かぐや」を軸に、月の科学・探査の流れを厚めに学べる一冊(約400ページ)。
- おすすめ理由:語源だけでなく、「月って結局なに?」を科学側から腹落ちさせたい人に向きます。
④ 全体におすすめ:語源の“裏取り力”を上げる(言い切り事故を防ぐ)
『新明解語源辞典』(小松寿雄・鈴木英夫 編)
- 特徴:日常語中心に約4,500語。語源・由来・歴史を簡潔に解説し、諸説あるものは諸説を紹介する方針。
- おすすめ理由:「次説/尽きる説」みたいに断定しづらいテーマを、**“説として安全に語る”**練習になります。
🧭 縁の地・体験できる場所(“体感”で理解が速くなる)
① JAXA 筑波宇宙センター(茨城)
- 特徴:展示館「スペースドーム」で宇宙開発を見学できます。
- おすすめ理由:月探査が“物語”ではなく“現実のプロジェクト”として理解でき、月への見方が変わります。予約制のガイド付き有料ツアーも用意されています。
② 国立天文台 三鷹キャンパス(東京)
- 特徴:年末年始(12/28〜1/4)を除き、毎日10:00〜17:00に見学可能(入場無料・自由見学は申込不要)。
- おすすめ理由:「天文学ってどうやって確かめるの?」が、展示や施設で実感できます。公開施設の一覧も公式にまとまっています。
※見学の最新情報や予約の要否は、必ず公式ページで確認してください。
この4冊+2スポットを押さえると、
「月は反射で光る(理科)」と「“つき”は諸説(言葉)」が、ただの知識ではなく自分の言葉になります。
→ 次は、記事の締めとして「語源が“確定しない”ことの面白さ」と、読者が安心して語れる“言い方”を短くまとめます。
12.疑問が解決した物語
同じベランダに、もう一度出ました。
さっきより雲が薄くなっていて、月の輪郭が少しだけはっきりしています。
でも今は、その光が「ただ眩しい」ではなく、**“太陽の光を映している”**と分かるぶん、どこかやさしく見えました。
頭の中で、さっきの疑問をゆっくり並べ直します。
「月は自分で光ってない。だから明るいのは反射」
ここは理科で、答えがはっきりしている。
そして――「“つき”の語源」は、**次説や尽きる説が“ある”**けれど、ひとつに確定はしない。
言葉の世界は、理科みたいに一本線で決まらないこともある。
不思議と、それがモヤモヤではなく、安心に変わりました。
「分からない」じゃなくて、
「分かっている範囲がここまでで、そこから先は“説”として丁寧に語ればいい」
そう思えたからです。
私はスマホのメモに、短い“説明テンプレ”を残しました。
子どもに聞かれたとき、友だちに雑学を言いたくなったとき、迷わないために。
- 月が明るいのは、太陽の光を**反射(はんしゃ)**しているから
- “つき”の由来はひとつに決まってなくて、次(つぎ)説や尽きる説がある(諸説)

それだけで、十分。
断言しなくても、ちゃんと伝わる。
むしろ「諸説ある」と言えるほうが、言葉に誠実だと思いました。
ベランダの手すりにもたれて、もう一度だけ月を見上げます。
今夜の月は、さっきより少し“近い”。
名前の由来が確定していなくても、
この光が借りものだと分かっただけで、月がちょっと人間らしく見えたのです。
教訓:
雑学は「言い切る」より、“どこまで確かなのか”を分けて語るほうが強い。
理科で言えること、言葉で「説」として語ること――
その線引きができたとき、月の話は一段おもしろくなります。
さて、あなたならどう話しますか?
もし誰かに「月ってなんで“つき”なの?」と聞かれたら、
あなたは“次”と“尽きる”、どちらの説から話したくなりますか。

13.文章の締めとして
月の名前の由来を調べる旅は、意外にも「答え探し」で終わりませんでした。
むしろ、確定しない部分が残るからこそ、月は毎晩ちがう顔で私たちの目に入ってきます。
理科としては、月の明るさは太陽の光の反射だと分かる。
でも言葉としては、「次(つぎ)」や「尽きる(つきる)」のように、人が夜空を見上げて感じた“納得の形”がいくつも残っている。
その両方を知った今、月はただの天体ではなく、昔の人の視線や気持ちまで映す鏡のように思えます。
今夜もし月を見上げたら、ほんの少しだけ立ち止まってみてください。
「明るいな」と感じるその瞬間に、理科とことばが同時に胸の中でつながって、
あなたの中の“月”が、昨日より静かに深くなるはずです。

補足注意
本記事は、筆者が公開情報として確認できる範囲を参照しながら個人で調べられる範囲を、まとめたものです。
語源には複数説があり、この説明が唯一の正解ではありません。別の見解や新しい資料が見つかれば、解釈が変わる可能性もあります。
🧭 本記事のスタンス
この記事は、「これが唯一の正解」ではなく、「読者が自分で興味を持ち、調べるための入り口」として書いています。
さまざまな立場からの視点も、ぜひ大切にしてください。
このブログで少しでも心が動いたなら、ぜひ次はあなた自身の手で、辞書や本、資料を開いてみてください。
月の由来は、“これが唯一の正解”と決まりきらないからこそ、調べるほどに味わいが増していきます。
太陽の「次(つぎ)」を追うように、そして満ち欠けの「尽きる」気配をたどるように――
一歩深く進むたびに、月はただの光ではなく、言葉の歴史そのものとして浮かび上がってくるはずです。

最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。
それではまた、太陽の“次”にひかる言葉――「月(つき)」の続きを、どこかの夜に。

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