言葉までの経緯
航海の途中、ルフィたちは無人島を発見し、上陸します。
ゾロは船で休息を取ることにし、ルフィとナミが探索に向かいます。しかし、島にいたのはただの動物ではなく、20年間もの間、宝箱に挟まったまま生き抜いた男——島の住人ガイモンでした。
ルフィとナミはガイモンから彼の過去を聞きます。20年前、海賊としてこの島に訪れたガイモンは、大岩の上に宝箱を発見。しかし、登ろうとした際に足を滑らせ、転落してしまい、その拍子に宝箱に体が挟まったまま抜け出せなくなりました。以降、彼はそのまま島で生き続け、いつか誰かが自分を助けてくれる日を待っていたのです。
ルフィはその願いを叶えるため、大岩によじ登り宝箱を確認します。しかし、そこに財宝はなく、空っぽでした。
その事実を知り、ガイモンは悲しみ、ナミは気まずくうつむきます。20年間の思いが一瞬で無に帰す——そんな空気の中、ルフィは笑い飛ばすように言います。
だっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!! まァ くよくよすんなよ、おっさん!! 20年でおれ達が来てよかったよ!! あと30年遅かったら死んでたかもな!!!
漫画 ONE PIECE 第3巻 第22話 〝あんたが珍獣〟 より引用
そして続けて言った
ルフィの言葉が
これだけ バカみちまったら
漫画 ONE PIECE 第3巻 第22話 〝あんたが珍獣〟 より引用
後は 〝ワンピース〟 しかねェよ!!
もう一回おれと海賊やろう!!
心に響いたこと
ガイモンにとって20年間は、ただの時間ではなく、希望を抱き続けた歳月でした。
辛いときも苦しいときも、彼を支えたのは「いつか宝箱を手にする日が来る」という思い。
しかし、その夢が打ち砕かれた瞬間、人はどうすればいいのでしょうか?
一般的な対応として、
「仕方がない」と慰める、
「空だったね」と軽く笑う、
「冷静に受け止めよう」と促す——そんな選択肢が浮かぶかもしれません。
けれど、ルフィの言葉はそれらとは異なります。
彼は「20年間頑張ったのに」と同情するのではなく、「20年で済んでよかったじゃねェか!」と前を向かせるのです。
時間の捉え方を変えることで、絶望ではなく未来へ目を向けさせる。
これこそが、ルフィの言葉が持つ力なのではないでしょうか。
さらに、彼はガイモンに新たな夢を提案します。
「これだけバカみちまったら、後はワンピースしかねェよ!! もう一回おれと海賊やろう!!」
この言葉は、「失ったものに囚われるな」という意味だけではなく、
「これから先に、もっと大きな夢がある」
ということを示しています。
過去を振り返り、悔やむのではなく、未来に向かって進む。
今ある絶望を無理に忘れるのではなく、それを乗り越えて新たな道を描く。
それがルフィの言葉の本質ではないかと感じられました。
今だけではなく、今も過去も含めて未来を考えられる、その考えが必要だと感じさせられた、心に響いた言葉でした。
考えたこと
もし私たちがガイモンの立場だったら、どう感じるでしょうか?
20年間、大切にしてきた夢が打ち砕かれた瞬間、あなたならどうしますか?
また、もし身近な人が長い間抱き続けた願いを叶えられなかったとき、
私たちはどんな言葉をかけられるでしょうか?
「それでも前を向こう」と言える強さを持つこと。
「これから先の道がある」と示せる優しさを持つこと。
ルフィの言葉は、そんなことを私たちに問いかけているのかもしれません。
この言葉に、あなたはどんな思いを抱いたでしょうか?
少しでも新しい視点を得るきっかけになれば幸いです。
もし直接このシーンを読みたくなった方は、
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第3巻 第22話 〝あんたが珍獣〟
を手に取ってみてください。
あなたにとって、
この言葉はどのように響くでしょうか?
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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