言葉までの経緯
PETFOODという名の小さなお店。その店を守っている犬「シュシュ」。回想では、町長の親友である、店の主人とシュシュは10年前に開店しました。しかし、店の主人は三ヶ月前に入院し、そのまま病気で亡くなってしまいました。町長いわく、シュシュは店の主人が亡くなったことは分かってはいるが、店は宝。大好きだった店の主人の形見。そこを守っているシュシュ。その前に現れたのがバギー一味猛獣使いのモージとライオンのリッチーでした。
シュシュは噛みつきで抵抗するも、無惨にも店は燃やされてしまいます。
その光景を見たルフィ。その状況から思い浮かぶのは町長の言葉、「主人の形見、守り続けとる」という言葉。
そして、颯爽とモージとリッチーの前に現れます。ゴムゴムの槌にて一瞬でリッチーを、なぎ倒したルフィ。その強さに、悪魔の実の能力者という事実に恐れおののき、許しを請い謝るモージ。
でしたが、
そのような、うわべだけの言葉、見せかけの謝罪は全く意味をなしませんでした。
そんな状況で放ったルフィの言葉が
もう 謝んなくて いいよ
今さら何しようと あの犬の宝は 戻らねえんだから
漫画 ONE PIECE 第2巻第13話 〝宝物〟 より引用
でした。
心に響いた瞬間
まさに、いくら言い募っても、行ってしまったことは戻らない、いまさら燃やしてしまったものはもとに戻らない、戻せない。
形だけではなく、想いを気持ちを無碍にしてしまった、軽んじた行為はどんな言葉を繋ごうとも、表面上の謝罪をしようと無意味ですよね。
心の痛みを味合わせることは難しいかもしれませんが、せめて身に痛みを味合わせる。
それでも許せない気持ちはありますが、それくらいしかできない、それくらいでも行わなければ気がすまない。
自分の行動が、何気ない言葉が、実は相手にとっては計り知れないダメージを与えてしまうかもしれない、自分にとっては些細なこと、意味を感じられないことであろうとも、そのことを、その場所を、その思いを大切にしている生き物もいる。
かもしれないと、少しでも思って考えられれば、相手を無駄に傷つけるようなことは、減るのかもしれませんよね。
相手の気持ちを、推し量ることは難しいですが、知ろうとすること、自分とは違う存在がいる、そのことだけでも考えることが大切なのかもしれませんよね。
それでも、なくなったものの大きさ、無理やり、無為に、無情になくなってしまった、宝。その事実は変わりません、何をしようとも。戻らない。悔しいけれども悲しいけれども、その先に進むしかない。
頑張れ。
お前も頑張れ。
とのやり取りをして。分かれる犬とルフィ。
壊してはいけない、軽んじてはいけない想い、しかし時に無情になくなってしまうこともある、そんなときでも時は戻らない、戻せない。
けれども、その大切さを分かってくれる人がいる、共感してくれる人がいる。それだけでどれだけ救われるか、助かるか、前を向けるか。
そんな気持ちに慣れた、心に響いた言葉でした。
この言葉を直接読みたい場合は
漫画 ONE PIECE 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス 集英社
第2巻 第13話 〝宝物〟
を、是非読んでみて下さい。
皆様には、
どの様な新しい響きがあるのか、
楽しみです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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