アリと かいじゅうが おおげんかです。

絵本

ーーーミツバチレポーター

言葉までの流れ

植木鉢のポットくん、トマトの苗を植えます。暫くして、何やら気配を感じます。様子をミツバチに見てもらうと、なんとトマトの茎の汁をアブラムシが吸っています、慌てたポットくんですが、黒いかいじゅうが現れ、退治し始めます。安心したのも束の間、今度は蟻が現れて、かいじゅうと対峙します。

心に響いたこと考えたこと

アブラムシを食べようとするカイジュウ(テントウムシの幼虫)とそれを阻止しようとするアリ

テントウムシアリ

大喧嘩ですね。お互いの生存と役割をかけた、生き残りのための闘いです。まさに必死ですね。

カイジュウはテントウムシの幼虫は 3齢幼虫ですかね?

トマトの茎から汁を吸って生きているアブラムシ。そのアブラムシを食べるテントウムシの幼虫と、アブラムシのお尻から出る甘い汁が大好物なアリ。このような関係から、アブラムシが食べられないように、テントウムシを遠ざけようとするアリです。

それぞれの立場からすると、お互いが迷惑な存在だったり、共存関係だったり、好物だったりと、立場が異なれば存在意義も異なります。

カイジュウとアリ、お互いに自分の必要性や大切なものを得るために戦っているはずですが、見方が異なることで良い側と悪い側に分かれてしまいます。自然の循環や摂理に沿って戦っているはずですが、それでも立場によっては異なる解釈が生まれます。

今回の視点は、ポットくん、トマトの茎から汁を吸われずにトマトが弱らないことを願っています。その観点から見れば、アブラムシを取り除くために一役買っているカイジュウはまさにヒーロー的存在となるのでしょう。

どちらの視点なのか、どちらの意見なのかを明確に理解した上で、喧嘩の経緯や状況を理解しないと、その喧嘩の意味合いを見誤ってしまいますね。

喧嘩している側はどちらも正当な行動や意見を持っていたとしても、一方から見れば自分の意見が正しく、相手が悪いとなってしまいますよね。第三者として見るのならば、少なくとも両方の立場を理解しようと努めなくてはいけないでしょうね。

私も子供が言い訳をしたり約束を破ったりした場合、すぐに正論で諭そうとしたりして、喧嘩をするのではなく、こちらの立場や意見、子供の意見、状況を理解した上で対処することが正しいのでしょうね。過去の経験や思考に基づいて、善悪を自分だけで決めつけてしまいがちですが、子供の中にも葛藤があるかもしれないと考えられる余裕を持ち、向き合いたいと思いたいと感じられた、心に響いた、感銘を受けた言葉でした。

考えたこと

絵本では、愛嬌のあるイラストで描かれたトゲトゲかいじゅうアブラムシを食べている姿が描かれています。しかし、食べられる側にとっては運の尽きとも言えるでしょう。命がけの戦いですからね。そんなアブラムシにとって、命を救ってくれるアリはヒーローです。

ポットくんは可愛いイラストや表現でかいじゅうを応援していますが、被害を受ける側からすると、おぞましい存在と認識しているのかもしれません。

自然界の厳しさや弱肉強食の掟といった自然の摂理を、外から見ることで、この激しい戦いも大喧嘩として捉えることができるのですね。愛嬌のある絵柄や表現によっても、戦いや問題が和らぎ、愛らしく感じられることもあります。それならば、もしも問題に苦しんでいる場合でも、その問題だけに意識を向けるのではなく、一歩外側に意識を向けて、そとの立場で問題の原因となっている要素を見つめることが重要なのかもしれませんね。そうすれば、問題も愛嬌のある一部として受け入れることができるかもしれません。

心に余裕を持つことで、解決策が見えてくることもありますよね。たとえ解決策が見えなかったとしても、愛嬌のある問題ならば、時にはスッキリと諦めることもできますよね。

物語の流れ

春の日差しの中、植木鉢のポットくんは目を覚まし、トマトの苗を自分に植えました。ジョウロさんに、大事なトマトを守るんだと宣言します。

ある日、ポットくんは、ゴソゴソと頭の上に気配を感じます、ちょうどやってきたミツバチちゃんに様子を見てもらうように頼むと、気配の正体はアブラムシでした。アブラムシはトマトの茎から汁を吸っいます。それを知ってポットくんは大慌て。

其処に現れたのが、トゲトゲかいじゅうことテントウムシの幼虫でした。かいじゅうの出現によって、アブラムシはどんどんと減ってゆきます。しかし、今度はアリが現れ、アブラムシを守り

アリと かいじゅうが おおげんかです。

ポットくんとテントウくん より引用

その結果アリかいじゅうを追い払います、ポットくんは大慌て

しかし、かいじゅうもやられてばかりではいませんでした。

その後のかいじゅうの様子や、この話を直接読みたい場合は

ポットくんとテントウくん ぶん 真木文絵 え 石倉ヒロユキ 福音館書店

かがくのとも 2019年4月号 通巻601号

を是非読んでみて下さい。

皆様にはどの様な新しい響きがあるのか、楽しみです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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