「類似性効果」とは?共通点で好かれる心理を日常や恋愛で活かす方法

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【類似性効果】とは?意味・仕組み・恋愛や日常での活かし方をやさしく解説

えっ、私もそれ好き!」――そこから始まる心の距離の縮まり
同じアニメが好きな人と、初対面なのにすぐ仲良くなれた…

こんな経験、ありませんか?

実はこれ、「偶然」ではありません。

それにはちゃんとした心理学的な理由があるのです。

その名前は――類似性効果

(similarity-attraction effect)

【(シミラリティアトラクションエフェクト)なお、「シミラリティ」は“similarity(類似性)”、「アトラクション」は“attraction(魅力)”、“エフェクト”は“effect(効果)”の音訳です。】

といいます。

類似性効果とは?(定義と意味)

類似性効果とは、自分と似ている人に対して、親近感や好意を抱きやすくなる心理効果のことです。

どんな「似ていること」?
趣味や好きなこと

性格や価値観

出身地、年代

話し方や服装のテイスト など

これは心理学者セオドア・ニューカムの実験から明らかになりました。

共通点がある人とは、「この人、自分に近いな」と感じることで、安心感や共感が生まれやすくなるのです。

なぜ類似性効果は働くの?(背景と理由)

心理的には以下の3つの理由が考えられています

安心感を得られる
人は「自分の考えが否定されない」ことに安心します。
似た人といると、自分の価値観を肯定してもらえる感覚になります。

自己投影(自分を重ねやすい)
共通点のある相手には、自分を投影しやすく、感情移入がスムーズです。

コミュニケーションコストが低い
同じ文脈・共通の話題があることで、会話の“初速”が非常に速いです。

【実例つき】日常での類似性効果の応用法

友達づくりに使える!
「ゲーム好きなんだ!私もイカのゲームやってるよ!」

→ たった一言の共通点で、一気に距離が縮まります。

恋愛でも!
「映画の趣味が合う人が好き」「笑いのツボが似てる人がいい」

→ 実際、マッチングアプリの成功率も、趣味一致が高いと上昇する傾向があります。

仕事・ビジネスでも!
同じ出身地、同じ趣味、同じ業界経験などの「類似点」は営業・面接・チーム作りでも強力な武器になります。

✅使い方のコツ(あなたも今日から実践!)

自己紹介では「趣味・地元・好きなこと」を明かしてみる

会話の中で共通点を探す「共感グセ」をつける

プロフィール文やSNSでも類似点が伝わるように工夫する

類似性効果の注意点と落とし穴

類似性=仲良し、ではない
あくまで「仲良くなりやすい」だけで、価値観のズレや利害関係があれば衝突も起きます。

類似性だけに頼ると多様性を失う
「似た者同士」ばかりを求めてしまうと、視野が狭くなり、新しい発見を遠ざけてしまう危険もあります。

おまけコラム:真逆な人に惹かれる“非類似性効果”とは?

面白いことに、自分に自信のある人や自己効力感が高い人は、
あえて「自分と違う人」を選ぶ傾向もあるそうです。

これは「非類似性効果」とも呼ばれ、
異なる視点に惹かれることで、自分の世界を広げたいという心理が働いているのです。

静かな人が、明るい人に惹かれる

論理型の人が、直感型の人に興味を持つ

イラストは真逆のタイプの人に惹かれている表情ですね。

まとめ

類似性効果とは、「共通点のある人を好きになる心理効果

安心・共感・会話のしやすさがその理由

友達づくり・恋愛・ビジネスあらゆる人間関係に活かせる

非類似性にも価値がある。バランスが大切

筆者のひとこと考察

初対面で「え、同じ本読んでるの!?」というだけで、その人に一気に親しみを感じたこともあるかもしれません。

でも、それと同じくらい、自分と全く違う視点の人から学ぶことも大きかったです。

「似ているから仲良くなる」
「違うから惹かれる」

どちらも、人間関係を豊かにするヒントではないでしょうか。

あなたは、どんな“共通点”を大切にしますか?

おすすめ書籍

📘 影響力の武器(ロバート・チャルディーニ)
→「好意の原理」と類似性の関係についても詳しく解説。

📗 人を動かす(デール・カーネギー)
→人間関係の本質が学べる名著。類似性の活用ヒントも多数。

おすすめの理由

📘『影響力の武器』(ロバート・チャルディーニ)

✅ なぜおすすめなのか?
この本は、人が「ついYesと言ってしまう心理的トリガー(説得の6原則)」を体系的に紹介している、社会心理学の名著です。

その中でも類似性効果に深く関わるのが、第5章の「好意(Liking)」です。

▶ 類似性との関連性が明確に書かれている
チャルディーニ氏は「人は、自分と似ている人に好意を持ちやすく、その人の言葉を信じやすくなる」という心理傾向を実験と具体例で示しています。

セールスマンが相手の服装や口調を「少し真似る」だけで成約率が上がる

顧客と販売員が「出身大学が同じ」というだけで購入率が上がる

▶ 信頼性の高さ
この本は心理学だけでなく、マーケティング、営業、交渉、広告分野でも広く引用され、科学的エビデンスに基づいた信頼性の高い実例が豊富にあります。

📗『人を動かす』(デール・カーネギー)

✅ なぜおすすめなのか?
こちらは、「人間関係を円滑にするための原則」を具体例とともに紹介した自己啓発書の原点とも言える一冊です。

特に類似性効果に関連する内容が、次のような章に見られます:

▶「人に好かれる6原則」
相手に関心を持つ

笑顔で接する

相手の関心のある話をする

これらの原則はすべて、「共通点を探し、相手に寄り添う=類似性を示す」ことで、人間関係が良好になることを伝えています。

▶ 類似性を自然に生み出すヒント集
この本は、「どうすれば人に好かれるか」というテーマに対して、日常生活で簡単に実践できる技術や心構えが書かれており、類似性効果を日常で活かす上での行動指針になります。

類似性効果をもっと実生活で活かしてもらいたいなら、この2冊は間違いなく最良の入り口となると思います。

👋 最後に

注意

※個人が調べられる範囲で、本記事は信頼できる心理学の文献・研究をもとに執筆していますが、心理学は日々更新されている分野です。研究の進展によって、新たな発見や視点が今後出てくる可能性があります。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「類似性効果」は、心理学の知識の中でも特に私たちの日常に深く根ざした現象です。

身近な人との関係、初対面の会話、恋愛、ビジネス――
あらゆる場面でこの効果を少し意識するだけで、驚くほどスムーズに人とつながることができるようになります。

とはいえ、心理は生き物。人の心は単純ではなく、時に「似ていないこと」が魅力になることもあります。

大切なのは、「自分と相手の距離をどう縮めるか」を考える姿勢です。

この記事が、あなたの人間関係を少しでも豊かにするヒントになれば幸いです。

どうぞ心あたたかい一日をお過ごしください。

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